【インタビュー】Ajay Bhatt氏、PCI Expressを語る(1) Graphicsに関して

(Photo01)Chief Architect, PCI Express TechnologyのAjay Bhatt氏。ちなみに彼の上司はWilliam M. Siu(副社長兼デスクトップ・プラットフォーム事業本部長)だそうである
IDF Japan Spring 2003では、PCI Expressに関するセッションが幾つかあったが、これにあわせてIntelでPCI Expressのリードを取っているAjay Bhatt(アジェイ・バット)氏が来日した。そこで、前回のPCI Expressに関する幾つかのレポートをまとめる際に気が付いた、幾つかの疑問点をまとめて伺ってみることにした。

(参考)IDF Spring 2003 - PCI Express関連のレポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/24/08.html
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/28/27.html
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/28/28.html

○PCI Express Graphicsに関して

--IDF Spring 2003の開催直前に、PCI Express Graphics Platform Design Solutionのプレゼンテーションが入れ替わりましたよね? で、入れ替わる前のプレゼンテーションによれば、ビデオカードの消費電力は2006年には150Wに達するとか、Intelが提案しているカードリテンションはうまくいかないなんて話がありましたが、このあたりについてもう少し説明していただけますか? 例えばATIのAll-in-Wonderシリーズではこのリテンションが使えないなんて話を例に挙げていますが、他にもNVIDIAのGeForce FXで使われているFxFlowも似たような事になると思えますが。

(Photo02)
まずカードリテンションだが、これは今のところスペックには含まれていない。これはあくまでガイドラインだ。我々はPCI-SIGにグラフィックスワークグループを作り、グラフィックベンダーと協力して作業している。これは別にIntelだけではなく、ATIやNVIDIAなどのグラフィックスベンダーのほか、IBMやHPといったOEMベンダーなどからも参加してもらい、グラフィックカードのためにベストなリテンション機構を決定するために、一緒に作業している。放熱のために大きなヒートシンクが必要であることは理解している。実際、(消費電力が)60Wまでなら、この(Intelの提案した)リテンション機構(Photo02)はうまくいく。ただそれ以上になると、別のメカニズムが必要になるだろう。これは、低コストのリテンション機構メカニズムだ。それ以上の消費電力(と発熱)に対しては、PCI Express Proコネクタがある。メインストリーム向けにはスタンダードな16xのPCI Expressコネクタで十分対応できるし、エンスージャスト(enthusiast)向けの高い消費電力を必要とするビデオカードを使う場合には、現在策定中のPCI Express Proコネクタを使うということになるだろう。これは言ってみればハイエンド向けで、丁度AGPとAGP Proの様にPCI ExpressとPCI Express Proという事になる。

--なるほど、それはわかりますが、AGPの場合も実際には殆どのベンダーがAGP Proを使っていませんよね? 例えばRADEON 9700とかGeForce FX、Voodoo5などですが、何れも独自に電源回路を搭載する形になっています。それに、マザーボードベンダーも、ASUSTeKとあと幾つかのベンダーはAGP Proコネクタを用意しているが、殆どはAGP Proコネクタを搭載していませんが。

それも理解している。私自身は、現在の16xのPCI Expressのコネクタは75Wまで供給できると信じている。3.3Vと12Vでの供給なので、電流を流しやすい。それ以上に関しては、これはシステムデザインの問題になってくる。グラフィックスの分野でもエコシステムの考え方は重要だし、従ってこれはPCI Expressだけの問題ではない。というのは、これ以上になるとコネクタ側が対応できないからだ。それに、システム全体の熱の問題もある。これらの問題はPCI-SIGのグラフィックスワークグループが検討しており、彼らが解決することになると思う。

--こうした大消費電力のカードは、単にグラフィックだけではありません。例えばTVキャプチャとかMPEGのエンコーダといったものは、消費電力も大きいし、カードサイズや重量もかなりのものになります。バスのスループットとしては、1xのレベルで足りると思いますが、サイズや重量、消費電力に関してはビデオカードと同等かもしれません。グラフィックに関しては現在検討中というのはわかりましたが、こうした普通のPCIカードに関してはどうでしょう?

PCI Expressの仕様の中で、我々はパワープロファイルを定義している。そこには機械的、および電気的な特性が全て定められている。今のところ、特定のベンダーからこれに収まらないという話は特に聞いていないが、もしあれば検討する事になると思う。

(Photo03)
--次に熱の問題について教えてください。PCI Expressでは環境温度を50℃に抑えることが求められていますが(Photo03)、そもそもCPU自体、例えばPentium 4のTCASE(ケース温度)が70℃前後な訳ですから、周囲の温度はかなり高くなると思います。それにFR-4自体も、75℃あたりまでは問題なく使えそうに思うのですが、なぜ50℃以内に抑える必要があるのでしょう?

すまないがそれに関しては判らない。これに関しては担当者に聞いてみないといけないな。後で答えをメールすることにするよ。

--何故かと言うと、結果としてこんな(Photo04)機構が必要だという話になっていて、これはちょっと大変だなぁ、と。

(Photo04)
ただ実際、グラフィックカードにもパワーマネージメントは必要だという話はすでにベンダーにしている。デスクトップのシステムデザインの際にもパワーマネージメントには注意が必要だ。というのはシステム全体の熱設計に関係してくるからだ。システムの熱設計は一般に、サイズによって変わって来る。10Lの筐体か、15Lの筐体か、そうしたものによって熱容量が変わるからだ。これは、カード側の仕様によって決める事はできない。PCI-SIGでは、システムの熱設計を定義することはできない。あくまでカードレベルの仕様だけだ。最終的な答えは、各OEMがどんな筐体を使うかで決まってくるからだ。熱やリテンションに関しては、OEMに対して、どんな要求があるかを聞いている最中だ。最近は全てのものが熱くなる。CPU、メモリ、全てのチップがそうだ。だから、簡単に決められる事ではない。

--例えばIntelは「TideWater」や「BigWater」といったコンセプトモデルを提供しており、これらにもPCI Expressが使われていますよね? で、これらは小さく、薄く、当然ながら熱容量はそれほど大きくない。こうした筐体で50℃を保とうとしたら、かなり強力なアクティブファンが必要で、稼動すると猛烈にうるさいように思えるのですが?

いい指摘だ(笑)。まぁこれに関してもは、今は正確には答えられないので、担当者に聞いた上で後でメールで送るよ。

(大原雄介)

【インタビュー】Ajay Bhatt氏、PCI Expressを語る(2) HubLinkも変わる? 実装について
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/04/14/23.html
へ続きます

IDF-J Spring 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/04/09/01.html

Intel
http://www.intel.com/



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