【IDF Spring 2003レポート】 IntelのPCI Expressについての取り組み(1)

今年のIDF。目立ったテーマはやはりCentrinoということになるだろうが、目立たないながらかなりの発表があったのがPCI Express。Yamashita氏のレポート(【IDF Spring 2003レポート】3日目基調講演 - 90nmへと進むXeon、新ネットワーク・プロセッサ登場 )では省かれていたが、基調講演の中でPCI Expressへの取り組みの現状が紹介されたほか、各種セッションも充実しており、なかなか面白い話がいくつか聞けた。そこでこのあたりをまとめてご紹介することにしたい。

○基調講演の中での動作デモ

3日目の基調講演、Mike Fister氏の内容は大きく3つに分かれた。まずはIntel Xeon/Xeon MPのロードマップ、次いでIntel Itanium2のロードマップ、最後がPCI Expressである。サーバー向けのPCI Expressの取り組みについてはこの後説明するとして、まずは初めて公開されたPCI Expressの動作デモの様子である。

昨年のIDFでも、NECによりPCI Expressの信号伝達デモが行われたが、これはあくまでも物理層レベルの話で、要するに物理的に信号が2.5GHzで伝播できる以上のものではなかった。これに対し、今回のデモでは物理層だけでなく論理層のコントローラも集積したものになった。デモ構成は図1に示すようなものであり、テストカード#1から#2にPCI Expressのトランザクションを発生させ、この際のデータをプロトコルアナライザで解析して示す、というものだった(Photo01,02,03,04)。

Photo01:2枚のテストカードをインターポーザーカードで接続し、そこにプローブを接続している。インターポーザー裏面のピン数を見るかぎり、1xのコネクタと思われる
 Photo02:インターポーザーのアップ
Photo03:これはホスト側のモニター。Linux上でテストカードの動作プログラムを実行していた
Photo04:こちらはCATC(Computer Access Technology Corporation)のPETracerの画面。PCI Expressのプロトコル解析が出来る、現時点では数少ないプロトコルアナライザの1つである

○サーバー向けのソリューション

さて、従来、PCI Expressはまずデスクトップ、次いでモバイルであり、サーバー向けは後回しになる見通しだった。というのは、現在サーバー用途に多くのベンダーがやっとPCI-X対応のカードを出し始めたばかりで、今後PCI-X 2.0に移行してゆく中で、急にPCI Expressに乗り換えるというのは手間もかかれば、既存のPCI-X対応カードに対するベンダーや顧客の投資を無にすることになるため、ベンダーからの反発が多かったためだ。

ところが、今回、2004年からローエンドサーバー向けにPCI Expressをリリースしてゆく事が明らかにされた。PCI-Xに関しては、PCI Express/PCI-X Bridgeを介して提供する形態だ。これにより、殆どのオンボードデバイスはPCI Expressで提供され、拡張機能はPCI-Xを利用するという具合に使い分けがなされることになる(Photo05,06)。これによるメリットは、ブリッジチップの削減や配線の簡略化、そして接続の高速化(特にブリッジを介さないことによるレイテンシの削減や、転送速度自体のスピードアップ)など、ローエンドサーバーには得るものが多いとしている(Photo07,08)。

Photo05:現在のチップセットの構成。MCHとPCI-X Bridgeの間はHubLinkで接続される形態。この方式だと、とにかくブリッジチップがやたらに多くなると言う欠点があった
Photo06:PCI Expressを使った場合、ブリッジチップの数を大幅に削減することが出来る。また、配線自体の削減にも繋がる
Photo07:既存のPCI-Xを使った場合の配線レイアウト例
Photo08:PCI-Xを8xのPCI Expressに置き換えた場合のレイアウト例。配線に要する面積を大幅に減らせるとしている。正直なところ、ハイエンドサーバーではこの面積縮小はそれほどメリットとはいえない。むしろ冷却や外部デバイスとの接続などを考えるとゆったりしたレイアウトの方が使いやすいし、多少基盤が大型化してもコストには殆ど影響がない。ただ1Uサーバーやブレードサーバーなどには、こうした特徴は非常に有用だろう。

これにあわせ、Itanium系は現在のIntel 8870によるPCI-X接続をメインとするが、Intel Xeon向けのチップセットは2004年にすべてPCI Expressをサポートしたものになるという。また、ネットワークコントローラやRAIDコントローラもPCI Expressに対応したものを同じく2004年にリリースする事が明らかにされた(Photo09)。

また、まだコンセプトレベルながら、サーバー等に利用できるPCI Expressを使ったI/Oモジュールの案も提示されるなど、ローエンド向けにはPCI Expressをかなり広く立ち上げたい意図が感じられた(Photo10,11)。

Photo09:コード名の洪水。Intel Xeon MPに対応したTwincastle、Intel Xeon DP向けのLindenhurstとFutureがそれぞれリリースされ、またGbEコントローラとしてCanbrookとDual Northway(これはGbEを2つ内蔵したもの)、RAIDコントローラとしてDobsonが予定されている
Photo10:サーバー向けのI/Oモジュール案。高さと厚みがそれぞれ2つづつ、4種類のモジュールがラインナップされる。ラックなどでの利用が前提だそうだ
Photo11:モジュールの内部構造。ホットプラグへの対応や、ノイズ対策、冷却対策などは一応すべて盛り込まれていた。ただあくまでもコンセプトなので、実際にどういうものになるかはこれから検討が始まる様だ

【IDF Spring 2003レポート】 IntelのPCI Expressについての取り組み(2)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/28/28.html
に続きます

(大原雄介)

【News Special】IDFレポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/02/08/02.html



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