【IDF Spring 2003レポート】Intelメモリロードマップ更新 - DDR400がバリデーションレベルに

2日目はネタが目白押し状態で原稿を書くのが全く間に合わない。とりあえず、なんとか追いつけるよう努力することにする。まずは(Platform Conferenceで山ほど記事を書いた気がするが)メモリ関連記事である。Intelがメモリロードマップを更新すると共に、Infineonがロードマップを改めて更新したので、これをお知らせしたい。

○Intel DDR400 Status

Photo01:ちなみにRDRAMは「ネットワークプロセッサでのサポートを含む」とあるが、実態は「ネットワークプロセッサでのみサポート」に近くなりそうだ

Photo01はOverall Roadmapである。基本的にはDDR400が加わった、というのが昨年のIDF Fall 2002で示されたロードマップに対しての最大の違いである。

そのDDR400、昨年の時点ではまだFeasibility(要求仕様の取りまとめ)レベルであり、ベンダーは動作電圧を2.5Vから2.6Vに上げることで対処するといった話が出ている状態だった(Photo02)。これに対して現時点での状態はValidation(検証)レベルに達しており、すでにIntelのチップセットで動作するDDR400の仕様書や、実際にバリデーションをパスした製品リストが掲載されている状態である。バリデーションをパスすればメーカーは量産に入れる訳で、実際に量産を開始したベンダーもあるそうだ(Photo03)。

もっともIntel自体、DDR400は限られたマーケットになると見ており、実際に利用するのはIntel875P(Canterwood)を使ったワークステーション向けと、Intel865PE(Springdale-PE)を使うごく一部のハイエンドデスクトップ向けだけになるとしている(Photo04)。

Photo02:昨年と同じプレゼンテーション。これを信じて記事を書いたライターは筆者だけでは無いはずだ
Photo03:いきなりValidationフェーズまで進化している。通常これは半年くらいで終わるものでは無い。Intelは相当に急いだようだ

ちなみに構成を見てみると、デスクトップ向けのUnbufferedに関しては、DDR266/333同様に2 DIMMまで可能となっており、ここから考えるとIntel875P/Intel865シリーズ共に、最大メモリ搭載量は4GBとなりそうだ。ただし、消費電力がDDR266の35%と増しになるため、モバイルには難しいと考えているようだ。一方サーバーマーケット向けのRegisteredは、DDR333ですらスピードの制限で3 DIMM以下の構成になることを考えると、DDR400でRegisteredが動作するかどうか、というレベルで問題があるようだ(Photo05)。

Photo04:やはり価格は相当高くなりそうだ
Photo05:DDR333でなぜRegisteredが難しいか、という話はコチラの「サーバー向け」のところにまとめてあるので興味ある方はどうぞ。

○Intel DDRII Status

Photo06:既に試作チップを使ってタイミングの測定を行うなど、順調に進んでいるともいえる

一方DDRIIに関しては、メモリチップ自体はRevision 0.6程度まで仕様が上がっているそうだ。ただ、ガーバーの方はまだ「開発中」という状態なので、標準ガーバーが出てくるまでまだだいぶかかると見ているようだ(Photo06)。

現状のステータスはプロトタイプといった状態だが、Validationが2004年には完了すると見ているなど、割と早いタイミングでの切り替えを狙っているようだ。DDR400はデスクトップ以外のプラットフォームへの適用が難しいという事情もあってか、サーバーマーケット/ノートブックマーケットへはDDRII 400から利用していく模様で、デスクトップはDDRII 533からとなりそうだというあたりは、ほぼ全てのメモリベンダーと同じロードマップだと言える(Photo07)。ちなみに製品別のシェアとしては、Photo08の様に予想されている。これについても、殆どのメモリベンダーが出しているものとそう変わりはないようだ。DDR400は(丁度PC800/PC1066 DRDRAM同様に)ハイエンド向けに一定のシェアを保ったまま次第にフェーズアウトしてゆき、DDRIIがこれに取って代わることになりそうだ。

 Photo07:ここのPhoto05に示した評価ボード、Micron製と書いたが実はIntelのものかもしれない
Photo08:2004年まではDDR400のシェアは次第に増えてゆくが、これをはるかに上回るスピードでDDRIIが立ち上がり、一方DDR400のシェアは一定になると見られている

○Infineon Roadmap

Platform Conferenceでは余りPC向け製品のロードマップが示されなかったが、今回はPC向けのロードマップ中心のものが公開されたため、補足もかねて紹介したい。

Photo09:DDRIII世代のRamp Upは2007年が予定されている。DDRII世代から3年であり、改めてDDRII世代の寿命が短い事が感じられる
Photo10:DDR400は、(あるかどうかはともかく)DDRII800と比較してもかなりYieldが低くなると予定されているのは、ちょっと面白い

大まかなマーケットトレンドとしては2004年あたりにDDRIIが立ち上がり、本格的なRamp Upは2005年になる。一方DDRIIIはというと、2007年あたりからのRamp Upが予定されている(Photo09)。さてそのDDRとDDRIIだが、やはりDDR400のYield(歩留まり)は驚くべき低さになっていることが判る(Photo10)。また、InfineonはDDR400は512Mbit品のみとするようで、一方DDRII400で4Gbitまで予定になっており、DDR400は「つなぎ」以上の意味をもたせていない様だ。

Photo11:2007年といえばDDRIIIのRamp upの時期でもあり、つまりDDRIIIは4Gbitから始まる可能性が高い
Photo12:既にDDRII400/533のYieldは高い事が予想されているそうで、2004年のRamp upも順調という話だった

ところで、こちらの記事( http://pcweb.mycom.co.jp/special/2002/trendwinter/ )では、Infineonは140nmプロセスをまだ使いつづけると書いたが、今年中に110nmに移行することが明らかにされた(Photo12)。ただしこちらはDDRII専用に近いようで、DDR400は既存の140nmプロセスのままと思われる。

○一般ユーザーにはDDR333のデュアル構成がメインか

基本的にはPlatform Conferenfceで各メモリベンダーが発表した内容をIntelも裏付けた、という以上の話ではないが、既存の設計のままDDR400 Unbuffered DIMMをチャネルあたり2枚まで使えることを強調するなど、移行の手間が最小ですむ事を特徴づけようとする内容だった。とはいえYieldの低さと、これにともなう価格の高さ、生産量の少なさもまた再確認されたわけで、一部のハイエンド嗜好のユーザー以外にはDDR333のデュアル構成がやはりリーズナブル、という事を言外に匂わせるものであった。

(大原雄介)

IDF Spring 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/02/08/02.html

Intel Developer Forum
http://developer.intel.com/idf/us/spr2003/



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