【NET&COM 2003レポート】IP電話のホットな話題 -「VoIP/IP電話パビリオン」レポート(1)

今回のIP電話パビリオンのネットワーク構成
今回のNET&COM 2003は、いわゆる企業向けのシステムソリューションの展示や紹介が大半を占め、個人ユーザ向けの出展は数少ない。ただそんな中で、多くの来場者の注目を集めているのが「VoIP/IP電話パビリオン」だ。同パビリオンでは、OCN(NTTコミュニケーションズ)を筆頭に、@nifty・BIGLOBE・Panasonic hi-ho・So-netのISP5社が顔を揃え、現在この5社が共同で行っているIP電話相互接続実験サービスを体験できるようになっている。同コーナーでは外部の加入電話への通話も無料で可能となっていることから、実際に通話を体験しようと多数の来場者でごった返す状況もしばしば見られた。

ところで、3月1日からはOCNが「OCN .Phone」、BIGLOBEが「FUSION IP-Phone for BIGLOBE」の商用サービスを開始する予定になっているなど、いよいよ本格サービスが間近に迫ったIP電話だが、実際に利用するとなるといろいろ提供条件や通話先などの制限が多い。そこで今回は「VoIP/IP電話パビリオン」で5社が行ったプレゼンテーションの内容やブース担当者に聞いた話から、この各種制限に関する情報をまとめてご紹介する。

○同じISPの会員同士なのにIP電話が無料にならない?

まず最も問題なのが、同じISPの会員同士での通話なのにIP電話が無料にならない(あるいはそもそもつながらない)という問題。この問題が最も顕著に現れているのがBIGLOBEだ。

現在BIGLOBEでは、サービス検討中のものも含めると4種類のIP電話サービスが存在する。具体的な内容は下の表1の通りだが、それぞれADSL事業者とIP電話を提供する事業者の組み合わせが決まっており、IP電話を提供する事業者を(ADSL事業者とは別に)ユーザが自由に選択することは今のところできない。それだけならまだしも、現段階では同じBIGLOBEの会員同士であっても、利用するIP電話事業者が異なる場合にはIP電話による通話が行えないのだ。

表1 BIGLOBEのIP電話サービス一覧

IP電話事業者 ADSL事業者 主な相互接続先
フュージョン e-access FUSION IP-Phone
BBIX利用のCATV14社
地域間高速化ネットワーク機構に参加するISP22社
NTT Com ACCA Networks So-net、@nifty、hi-ho、OCN等
KDDI 未定(電力系?) DION、ODN、hi-ho、東京電話インターネット
ケイ・オプティコム等
未定 NTT東西 未定

フュージョン=フュージョン・コミュニケーションズ
NTT Com=NTTコミュニケーションズ

BIGLOBEのIP電話ネットワークの概念図。見ての通りe-accessからNTT Com側、ACCAからFUSION側にはつながらない
同じBIGLOBEの会員同士でもこれだから、他のISPの会員との通話は当然IP電話事業者の制限を受ける。例えば「FUSION IP-Phone for BIGLOBE」を使っているユーザは@niftyやSo-netの会員との相互通話はできないし、NTTコミュニケーションズのIP電話のユーザはBBIXを利用するCATVの加入者とはつながらない。今年夏にNTT東西の交換機の改修が完了すれば、異なるIP電話事業者間でもとりあえずNTT東西の電話網を介して通話が行えるようになる見込みだが、その場合はNTTに支払うアクセスチャージが発生する関係上どうしても通話料がかかってしまう。

この点についてBIGLOBEの担当者は、現在の状況が会員に混乱を与えていることを認めたうえで「異なるIP電話事業者でも、NTT東西の電話網を経由せずに相互接続できるようIP電話を提供する各社と話を進めている」と述べた。ただ現時点で具体的なスケジュールについては全く目処が立っていないそうで、実際この話が実現するにはまだ相当時間がかかりそうだ。

またBIGLOBEほど複雑ではないものの、Panasonic hi-hoもNTTコミュニケーションズとKDDI(メガコンソーシアム)の2種類のIP電話サービスを提供する方針であるため、やはり同様の制限が発生する。これについてhi-hoの担当者は「まだKDDIの方は試験サービスすら始まってない状況なので…」と、具体的な話ができる段階ではないことを前置きした上で、「NTTコミュニケーションズのIP電話は当面フレッツADSLユーザのみの提供になるため、e-accessやT-comのADSLユーザへのIP電話サービスの提供を含めていろいろ検討しているところだ」と述べた。

○IP電話では肩身が狭い1.5Mユーザ

続いてはADSLの回線速度によるサービス制限の問題。既にニュースでも伝えられている通り、OCNは3月1日から「OCN .Phone」の正式サービスを行うことを発表したが、この発表内容を見て、あることにお気づきになった読者の方はいらっしゃるだろうか。そう、ACCAの1.5Mサービスが今回のサービス対象から外されているのだ。これについて、なぜ同サービスが対象外になったのか、OCNの担当者に話を伺った。

大きく分けると理由は2つ。1つは「Telephony Adaptor(TA)一体型ADSLモデムの供給」の問題だ。OCNに限らず、ACCAではIP電話サービスのユーザには原則として一体型モデムを提供し、TAの単体供給は極力行わない方針を固めているそうなのだが、基本的にADSLモデムがレンタルで提供されている8M・12Mユーザと違い、1.5Mユーザの場合はADSLモデムを買取で使用しているケースも多く、その場合一体型モデムのレンタルによりモデム機能の重複が発生してしまう。また1.5MのADSLは市場全体で見ると今や少数派であり、今後も大きなユーザ数の伸びは期待できないことから、モデムベンダーが1.5M用の一体型モデムの供給に難色を示していることも大きいという。

もう1つの理由は「帯域幅の問題」。OCNとしては過去の実験結果から、IP電話を問題なく利用するには約3Mbps程度の帯域幅が確保されている必要があると判断しているそうだ。そのため、速度的にこの条件を満たせないACCAの1.5Mユーザについては、サービス品質が確保できないのに無理にサービスを提供するべきではない、ということから当面サービス開始を見送ったとのこと。

ちなみにフレッツADSLでは1.5Mユーザもサービス対象に含まれているが、この点については「フレッツADSLの場合、ISP側ではユーザがどの速度のADSLを使っているか判別できない」という理由から1.5MユーザにもTAの提供は行うものの、やはり品質を考慮するとIP電話を利用する場合は極力8M以上のサービスを利用して欲しい、との見解を示していた。

ただISPによっては「1.5MでもIP電話サービスは問題なく提供できる」(So-net)と述べるケースもあり、このあたりは今のところISPによって判断が分かれている。果たしてどちらの見解が正しいのか、今後本格サービスが開始するにつれてこの点にも注目していく必要があるだろう。

(佐藤晃洋)

【NET&COM 2003レポート】IP電話のホットな話題 -「VoIP/IP電話パビリオン」レポート(2)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/06/17.html
へ続きます

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