【Platform Conference 2003レポート】メモリに関する話題 MicronとInfineon(2)

(Photo08)例えばSamsungの場合、GDDR IIは当初2.5Vだが、後に1.8V製品をリリースする予定だ。これに対しMicronは一気にこの世代をDDR IIIに持ち込む計画だ
同様に、DDR IIIに関してもグラフィック向けに早期に立ち上がる事を示唆するプレゼンテーションがあった。例えば、SamsungはDDR IIで700MHzあたりのコア周波数まで引っ張る意向を示しているが、Micronは500~750MHzあたりからDDR IIIを投入する意向をしめしている(Photo08)。DDRはx2、DDR IIがx4、DDR IIIはx8となるわけで、この結果投入されるメモリチップは4Gbps~6Gbpsの帯域を持つことになる。このDDR IIIの投入時期は明確にしなかったが、コアの動作クロックを考えると、おそらく2004年の前半と考えられる。こうなると普及に関する問題はアプリケーション(つまりこれを利用するグラフィックコントローラ)が対応するかどうか、という一点に掛かってくるわけで、グラフィックコントローラベンダーの意向が気になるところだ。

ところでSamsungのプレゼンテーションの中で、DDR III世代だとシリアルリンクかPoint-to-Pointの接続しかありえないという話があったが、MicronのこのDDR IIIはグラフィック向け専用ということもあってか、Point-to-Pointの接続のみのサポートである。ただちょっと面白いのがその接続法だ。メモリチップ1つあたり32bit幅という前提で考えると、128bit幅なら4つ(Photo09)、256bit幅なら8つ(Photo10)のメモリチップをコントローラと接続するのはまぁいいとして、128bitでDual Loadのケースもサポートされているのはちょっと驚きである(Photo11)。この方式、例えばMatrox Parheliaの256MB版などで利用されている方式で、DDR IIでは基盤の表裏に装着する形でこれを実現するのが普通だ。ただDDR IIIで同じように表裏での実装をやって信号の乱れが無いのかちょっと気になるところ。しかしスタッキングとなるとこれまた実装が面倒そうで、実際の製品ではどうなるのかかなり興味深い。

(Photo09)GeForce4 TiやGeForce FXの利用するパターン
(Photo10)RADEON 9700Proがこの256bit幅。Top Sideは表面に、Bottom Sideは裏面にそれぞれ実装されていた
(Photo11)256MB版のParheliaが利用していたのがこのパターン

○大勢に従う(?)Infineon

最近、台湾のNanyaに(一時的ではあるが)No.3のポジションを奪われたInfineon。今回メモリに関してはあまり発表はなく、セッションも、Verilogモデルを利用しての消費電力を計算する場合の考察や、高信頼性コンピューティングに関する取り組みといった話で、ロードマップらしきものはパネルディスカッションで一瞬出てきただけである。ただパネルディスカッションの中で、製品ロードマップはJEDECのロードマップに概ね一致すると前置きした上で、DDR400のコストは高止まりのまま続く(Photo12)としており、「一応やるけれど、本命はDDR II」といったニュアンスを言外に匂わすものだった。一方DDR IIに関しては、会場でDDR II677を利用したPC5400 DIMMのサンプルを展示しており、またサーバーマーケットでは早ければ2003年中にもソリューションを提供できるとアピールする(Photo14)など、どちらかといえばDDR IIへの移行を早く待ち望む姿勢を見せてくれた。ちなみに同社はスタッキングについても積極的で、2GBのRegistered DIMMの展示も行われていた。

(Photo12)bit単価で言うと、2004年あたりにDDR400とDDR II400/533がほぼ一致するとしている。その後もDDR400の価格が殆ど変わらないのは、やはりYieldがそれほど上がらないと見ているようだ
(Photo13)担当者に聞いたところ、一応動作するサンプルだそうである。もっとも現状はあくまでテスターでの動作なので、実際のシステムで動作するかどうかはまた別の話だそうだが
(Photo14)DDR IIになると、メモリスロットの数が制限される関係で、1チャネルあたりの容量が減る事になる。ところがDDR IIでもSD-FBGAパッケージによるスタッキングを利用することで、通常のDDR IIの倍の容量を確保できる、としている

○ということで

今回のPlatform Conferenceに関する話題は以上で終了である。IDFと違い、プラットフォーム全般に関するテーマを取り扱っているから、メモリがメインになること自体はそれほど不思議ではない(しかもJEDECのロードマップの大変更があった直後だから、きわめてホットな時期ではある)が、それにしてもメモリ以外の話が皆無なのが印象的であった。何しろAMDが基調講演でHammerの話にちょっと触れた以外(最初の予定にはそれすらも入っていなかった)、プロセッサやチップセットの話が殆どないのである。一応AMDはHT LinkのPCI-X Bridgeに関するセッションと、無線LANに関するセッションを設けてはいたが、無線LANはコチラ( http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/25/20.html )と基本的には同じ内容で、さして目新しさがあるわけではない。ただ今から思えば、Athlon 64のリリースを9月に遅らせるなんて決定を会場で発表した日には、一気に盛り下がるのは目に見えているし、かといってそれを知らん顔したままAthlon 64のプラットフォーム技術を延々と論じるのも後々具合が悪い。つまるところチップセット関連の話をしなかったのは、苦肉の策だったのだろう。まぁそんなわけで、いまいち新しいニュースは無かったのが残念ではある。ただメモリに関しての動向が確認できた事は成果ではあるが。

(大原雄介)

【Platform Conference 2003レポート】メモリに関する話題 MicronとInfineon(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/05/15.html

Platform Conference 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/01/31/02.html



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