【Platform Conference 2003レポート】グラフィックスメモリはDDR IIかDDR IIIか

さて次はグラフィックメモリである。GDDR(Graphics向けDDR)メモリは既に600MHzに達し、GeForce FXでは1GHzのDDR IIメモリが採用されたことは記憶に新しい。そのグラフィックメモリのマーケットだが、次第にUMA方式の利用が増えていくことで、それほど大きなマーケットにはならないとしている。とはいえ、メモリサイズは年率20%の割合で増えると見ており(Photo14)、またハイエンドグラフィックの動作速度が次第に上がっていく現状からみると(Photo15)、グラフィックメモリも同様に動作速度を上げていく必要がある、としている(Photo16)。

 Photo14:ディスクリート、つまりUMA方式でないグラフィックカードの平均メモリ搭載量。まぁ最近はXabre400クラスの製品でも128MBを搭載するケースが珍しくないから、これは理解できる動きだ。
 Photo15:こちらはグラフィックコントローラの動作クロックトレンド。来年には900MHz、2005年には1.2GHzに達するとあるが、既に500MHzに達した状況を考えるとこれもそれほど違和感を感じない。
 Photo16:昨年末に1GHzのDDR IIをリリースしているが、今年末には1.4GHzのDDR IIがビデオカード向けにリリースされるとしている。
 Photo17:現在は0.13μmプロセスで製造されいるDDR/DDR IIだが、Samsungは0.11μmをスキップして、今年末には90nmプロセスに移行するようだ。

ただこのグラフィック向けメモリは、PCのメインメモリに比べると色々作りやすい。例えば現状リリースされているGDDR IIは、DDR IIと異なりコアは2.5Vで動作する。今後、1.4GHz品に移行する際には1.8Vに低電圧化される模様だが、それが実現するのは今年末といった見通しだ。

具体的な製品ラインナップは、デスクトップ向けはPhoto18、モバイル向けはPhoto19に示す通りだ。フォームファクターの違いによって、パッケージが多少異なっているといった違いはあるが、早いタイミングで256Mbit品~512Mbit品に移行する事は共通である。

 Photo18:現状は128Mbit品のみだが、来年以降は256Mbit品が登場する。面白いのはDDRに関してメインとなるのはむしろx16品な事。x32はバリュー向けという事になるのだろう。
 Photo19:モバイル向けはフォームファクターの関係もあり、全量がx32になっている。

問題はこれに続く製品である。Samsungは1Gbit品をDDR IIで実現する見通しであり、2004年末あたりに立ち上がる次世代製品(おそらくGDDR III)は当初こそ1Gbit品だが本命は2Gbit品と見ている。このあたりが他社と多少ロードマップの異なる点だ(Photo20)。

 Photo20:今回は、この次世代製品に関する言及は特になかった。GDDR IIIの前にまずは1Gbitの量産に専念する、という事なのかもしれない。
 Photo21:DRDRAMを採用する主要製品。SiSのR658が誇らしげに掲げられているあたりが、いかにSamsung(というかRAMBUS)がこの製品を喜んでいるか、を偲ばせる。

○Direct RDRAM:Highest Volume "Niche"?!

Samsungはまた、Elpida、東芝と並ぶDirect RDRAMのベンダーである。ただ東芝は全量をSCEに供給しており、Elpidaが未だにPC800しか製造できていない事を考慮すると、事実上のトップDRDRAMベンダーと言っても間違いない。実際、PC1066に関しては現状Samsungしか供給しえない状態だ。さてそのDRDRAM、PC向けのマーケット自体は縮小しつつあるが、トータルとしては減っていない、としている。昨年からDLPやPDPなど家電機器に多く採用が決まっているほか、HPの最新Alpha ServerがDRDRAMの採用を決めたことで、むしろ全体としての需要は増えているとしている(Photo21)。これを端的にあらわすのがPhoto22である。確かに絶対量は他のメモリと比較して多くないが、確固たるシェアを確保していると判断しており、この傾向は今後も続く、としている。

 Photo22:128Mbit品換算で言うと、2003年末には全体の出荷量の1割程度がDRDRAMになる、という強気のマーケット予測がなされている。

DRDRAMのロードマップはPhoto23に示すとおりで、現状は256/288Mbit品でPC800/PC1066/PC1200がリリースされているが、今年Q3を目処に512/576Mbit品のリリースが予定されており、また2005年中にはPC1333リリースを予定するというコメントもあった。更に将来の予定として、「Four Channel Chipset Development」(言うまでも無くSiS R659の事である。サンプル出荷が今年Q3、という話が出てきている)。また今回、DRDRAMに関して2008年までの生産を保証するというコメントが出てきていることからも分かるとおり、かなりDRDRAMは長くマーケットに存在することになりそうだ(Photo24)。

 Photo23:128Mbit品についても、年末にはPC1200/PC1066のリリースが予定されているが、こちらはPC向けというよりも組み込み向け用途だろう。
 Photo24:"ABIT SI17"というのは"SI7"の間違いだろう。それにしても、SI7に続く製品が全く皆無なところが、PCマーケットにおけるDRDRAMの支配力の低下を象徴しているとも言える。

(大原雄介)

Platform Conference 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/01/31/02.html



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