【レポート】OpenOfficeに続け! Outlook対抗オープンソースプロジェクト「OSAF」(1)

      [2002/12/16]

    一般に、PCのワープロソフトといえば「Microsoft Word」を、表計算ソフトといえば「Microsoft Excel」を思い浮かべる人が多いだろう。他のソフトウェア名は挙げることさえできないという人も少なくないかもしれない。いまやMicrosoftの統合オフィスソフトは、ビジネスの世界に欠かせない存在となっている。

    しかしながら、こうした流れとは対照的に、無料で高性能の統合オフィスソフトを提供することを目指すオープンソースのプロジェクトも進行している。OpenOffice.orgは、その中でも主要な存在となっており、すでに日本語版を含む25以上の言語にて、Windows/Linux/Solaris/Mac OSに対応する「OpenOffice.org 1.0」を発表し(Mac OSはパブリックベータ英語版のみ提供中)、高い評価が得られている。

    最もよく利用するPCアプリケーションはワープロや表計算ソフトという人もさることながら、近年、急速に増大しているPCユーザーの大半は、ビジネスよりプライベートな分野でPCを多用している。そして、こうしたユーザーに欠かせない存在となっているのは、インターネットを楽しむブラウザソフトであり、メールソフト、インスタントメッセンジャーなどである。

    この世界にも、やはりMicrosoftの力が広く及んでいるのは明白だろう。例えば、これだけそのセキュリティホールを突いたPCウイルスが大きな問題となっているにもかかわらず、メールソフトに「Microsoft Outlook」または「Outlook Express」を利用しているユーザーは、どれほど多いことであろうか。

    とはいえ、こうした状況を根底から覆すべく、着実に進行しているオープンソースのプロジェクトがある。今回は、米国カリフォルニア州サンフランシスコに設立され、次世代の情報管理コミュニケーションソフトウェアの研究開発を行う「Open Source Applications Foundation(OSAF)」を紹介してみたい。

    ○次世代の情報管理コミュニケーションソフトウェア「Chandler」

    Mitchell Kapor氏
    OSAFを率いるMitchell Kapor氏は、知る人ぞ知る、あの有名な表計算ソフト「Lotus 1-2-3」の開発に取り組んで、Lotus Developmentを立ち上げた人物である。WHCN-FMラジオ局においてはDJを務め、その後もプログラマー、ソフトウェアコンサルタント、教師、カウンセラー、プロダクトマネージャーとして、実に幅広い経験を積んだ同氏は、1つの型にとらわれない独創性に富み、OSAFにおいても十分その才能を発揮してきた。多彩なタレントの持ち主を傘下に集め、同プロジェクトを軌道に乗せることにも成功している。

    例えば、OSAFの新製品開発には、Mac OSの誕生に大きく貢献したAndy Hertzfeld氏がトップレベルで携わる。Mac OS向けワープロソフト「WriteNow」を開発したJohn Anderson氏も、システム設計に肩を並べている。また、製品発表をにらみ、ここ1カ月の間に次々とスタッフメンバーの増員が図られており、その中には、Mozillaプロジェクトにも同時に携わるMitchell Baker氏、Netscapeの設立エンジニアであるLou Montulli氏やAleksandar Totic氏などの大物も名を連ねている。

    現在、OSAFのメンバーが一丸となって取り組んでいるのは、電子メール/インスタントメッセージング/PIM(Personal Information Manager/個人情報管理)の全機能を統合しつつ、グループメンバーとのシームレスな情報共有を実現する、次世代の情報管理コミュニケーションソフトウェア「Chandler」の開発である。Windows/Linux/Mac OSに対応し、無料で広く配布することが計画されている。また、Chandlerのソースコードは無料で公開されるため、オープンソースのプロジェクトで製品の完成度を高めつつ、さまざまな対応アプリケーションの登場が期待される。

    同プロジェクトの特徴として、Chandlerの開発を効率的に進めるため、すでに高い評価が得られている各方面のオープンソースソフトウェアを積極的に採用している点がある。プログラミング言語にはPython、インスタントメッセージングにはJabber、クロスプラットフォームを実現するwxWindows/wxPython、さらには、Zope Object Database(ZODB)やResource Description Framework(RDF)がアーキテクチャの研究開発に使用されている。Mozillaプロジェクトからは、HTMLレイアウトエンジンとしてGecko、テキストエディタとしてEditor、管理ツールとしてBonsai、Tinderbox、Bugzillaが提供される。

    (湯木進悟)

    【レポート】OpenOfficeに続け! Outlook対抗オープンソースプロジェクト「OSAF」(2)
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/12/16/08.html
    へ続きます

    Microsoft、企業向けメッセンジャー、Office連携のGreenwichなどを明らかに
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/12/10/12.html

    OpenOffice.org、無料オフィスソフトの完成度を高め、Mac OS Xベータ版発表
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/10/15/18.html

    Open Source Applications Foundation(OSAF)
    http://www.osafoundation.org/

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