【ブリーフレビュー】VAIO PCG-U3 - 黒いバイオUはどこが変わった?

      [2002/10/26]
     

    バイオUが新しくなる。重さ約820g、184.5(W)×30.6(H)×139(D)mmという超小型サイズで、立ったままでも操作ができるバイオUだ。売れ筋ランキングでも長いこと上位に陣取っていたモデルだけに、気になる製品だ。(* レビューに使用した製品は試作機です。実際の製品とはデザインなどで細部が異なる可能性がありますが、ご了承下さい)

    ○ちょっとさわり心地が良くなってる

    本体カラーリングは、紫を基調としたバイオカラーからブラックに変更され、感触も少しだけザラザラ感のあるボディに仕上がっている。ちなみにブラックといっても実はオフブラックとマットブラックのツートンカラーである。

     
    ある意味シックになった印象をうける外観

    さて、バイオ U3を見たときは、外見上の違いはカラーリングだけしか気がつかなかったのだが、いろいろ操作をしてみると、ポインティング・デバイス(以下P・D)の硬さが微妙に違っていることに気づいた。U1は柔らかなゴムのようなものなのだが、U3ではプラスチック質のものに変わっていた。U1では長時間触っているとP・Dがさらに軟らかくなる印象があり、仕方なく爪を立ててP・Dを操作することで対処しているのだが、U3は硬くて長時間触っていてもへたることは無い。また、同じ設定で試したがカーソルの移動速度も速くなっている。

    出っ張りが少なく、押すという感じに欠けるU1。中央の出っ張りには爪で引掻いた跡が… 
    しっかり出っ張っていて、傾けるといった感じが強くなった(* 試作機だから?) 

    ○比べてみれば速くなってる - 比べなければ遅いと感じるかも

    ハードウェア面では、CPUがTransmeta Crusoe TM5800 867MHzから933MHzへとクロック周波数が引き上げられており、同時にコードモーフィング用メモリが16MBから24MBへと増量されている。その結果、体感での処理速度は確かに向上しており、U1とU3を比べてみると、アプリケーション起動やウィンドウの切り替えなどで速くなったと実感できる。しかしそこはCrusoe、多少のもたつきが残るのは仕方の無いところ。

    ここではU1とU3双方で測定したHDBENCHの値を添える。なお、U1については、OSがWindows XP Professional、メモリが384MBと変更してあるので、純粋にU1とU3の比較とは言えないがご了承いただきたい。

    ○HDBENCH Ver.3.30 EP82改/かず
    http://www.hdbench.net/

    PCG-U1 PCG-U3 向上率(%)
    ALL 11078 12182 110
    CPU
    Integer 30368 32863 108
    Float 21501 23061 107
    Memory
    Read 23291 25014 107
    Write 13136 14160 108
    Read&Write 26028 28002 108
    Graphics
    Rectangle 12285 12609 103
    Text 7188 7545 105
    Ellipse 3184 3563 112
    BitBlt 27 26 96
    DirectDraw 19 19 100
    HDD
    Read 12111 13956 115
    Write 10877 12941 119
    FileCopy 1594 1286 81

    これがPCG-U1とのスコア比率を示した図。ほとんどの項目で赤いPCG-U3が上回っている 

    結果は上記のとおり。ほとんどの項目でU3が上回り、トータルで見れば1割程度のスコア上昇が見られる。このU1はいろいろと設定をいじってあるので、実際にはスコア以上に差があると思う。これ以外にも、U3では最大メモリ搭載量が384MBから512MBに増えているので、メモリ消費の激しいアプリケーションを使う場合に有利だろう。

    ○スーパーサブモバイルの真骨頂はネットワークにあり?

    さて、ソフトウェアでもいくつか変更やバージョンアップ、追加が行われている。その中でも、ここではSmart Networkをピックアップしてみよう。簡単に言うとネットワーク切り替えソフトであり、他社のノートパソコンでも最近この手のソフトのバンドルが進んでいる。ホットスポットの無線LANや自宅/会社のLANなど、それぞれのネットワーク接続の設定を切り替えることができるものである。

    接続するネットワークごとに各種プロファイルを作成 
    名前とアイコンを登録して完了 
    タスクトレイのSmart Networkアイコンをクリックすると接続のアイコンが表示される 

    ネットワーク接続完了 

    このように「おすすめ」では音声ファイル、壁紙などが設定できる 

    Smart Networkならではの特徴は、プロファイルの切り替え時に、その接続設定ごとにアプリケーションの起動や音声ファイルの再生、壁紙の変更などの自動実行が行えるところ。会社のネットワークに接続した時と自宅のネットワークに接続した時で壁紙を切り替えたり、会社のネットワークに接続したらまっ先にメーラーを起動させるといったことが可能だ。複数のコマンドを登録できるほか、起動させるソフトウェアには作業フォルダや起動時のオプションも設定できる。

    ○ThumbPhraseがちょっと賢く

    最後にバイオUのもうひとつの特徴である「ThumbPhrase」入力が少し賢くなったので紹介しておこう。携帯電話風の入力が可能なThumbPhraseは、バージョンが1.1となり、学習On/Offボタンが搭載された。タスクトレイのThumbPhraseアイコンを右クリックすれば、学習させた単語の削除が可能で、使い込むごとにより快適に入力できるだろう。

    U3のThumbPhrase バージョンは1.1 学習ONボタンが搭載された 
    U1のThumbPhrase バージョンは1.0 

    ○まとめ

    スペックがスペックなだけに、処理能力には妥協が必要だったバイオU。U3になって体感速度はかなり向上したのではないかと感じた。しかし、U1を購入したユーザーが速さを求めてU3を買うというのは少ないだろう。むしろU3は新規のユーザー獲得が必要だ。カラーリングを変更し、ソフトウェアバンドルを変えてきたのも、そこに理由があるのかもしれない。B5サイズ以下の超小型ノートPCという市場はU1が切り開いているので、U3はそれをどのくらい広めることができるのか注目だ。

    VAIO PCG-U3
    CPU Transmeta Crusoe TM5800 933MHz
    メモリ 256MB(最大512MB)
    HDD 20GB
    グラフィック ATI MOBILITY RADEON
    液晶 6.4型XGA
    ドライブ 別売
    スロット PCカードTypeII×1、
    マジックゲート対応メモリースティックスロット
    インタフェース ヘッドフォン出力×1 マイク入力(モノラル)×1、
    モニタ、LAN、USB1.1×2、i.LINK(IEEE1394)S400(4ピン)×1
    OS Windows XP Home Editon
    外形寸法 約 184.5(W)×30.6(H)(バッテリ装着部は46.1)×139(D)mm
    重量 約820g(バッテリーパック(S)搭載時)
    発売予定日 10月26日 実売予想価格 15万円前後

    (石川正道)

    ソニー、バイオの秋モデルを一斉に発表(2) - バイオU新製品「PCG-U3」登場
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/09/09/07.html

    【ユーザーズレポート】ソニー「バイオU PCG-U1」
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/06/11/18.html

    【レビュー】手乗りWindows XPマシンに「ユビキタス」のための工夫と情熱が詰まっている - ソニー バイオU PCG-U1
    http://pcweb.mycom.co.jp/pcbuyers/review/2002/vaiou/

    ソニー VAIO
    http://www.vaio.sony.co.jp/

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