【MPF 2002 レポート】Hammerに関するもう少し詳細な解説(2)

○構成の柔軟性に関して

ところで今回、ちょっと面白い話を聞いた。Opteronの場合、そのトポロジーをどう設計するかにはかなり自由度があるそうだ。例えば図1はAMDが従来から示してきた4プロセッサの構成だが、例えばI/Oリンクが4本もいらない分、メモリアクセスを高速化したければ、図2の様な構成が考えられる。あるいは逆にI/Oバスを更に必要とするのであれば、図3の様な非対称な構成や、あるいはもっと言えば図4の様な構成とすることも可能である。

図1:各プロセッサから1本づつI/Oバスが出る構成。平均ホップ数は1である。この数字が少ないほど、HTのルーティングによるレイテンシが少ないことになり、メモリアクセス性能が向上する。 図2:斜めのリンクを追加したことで、CPU#0⇔CPU#3が1ホップで通信できるようになり、平均ホップ数が0.88まで減らすことが出来る。

図3:I/Oリンクは増えたものの、平均ホップ数は1.12に悪化。 図4:平均ホップ数は1.25にまで悪化。この構成のメリットはあまりなさそうだ。

図5:よく例に出された8P構成。平均ホップ数は1.63である。

同じことは8P構成でも言える。図5は当初AMDから公開された構成だが、今回はその他の例として図6や図7の構成が示された。また、プロセッサの個数が別に2のべき乗である必要もなく、例えば3プロセッサとか6プロセッサも原理的には可能だそうだ。

図6:I/Oリンクの数を変えずに平均ホップ数を1.57に減少させた構成。
図7:斜めのHTリンクを入れたことで、平均ホップ数は1.5になった。ただしI/Oリンクは2本だけとなっている。

またOpteronの場合、DDR-SDRAMを2チャンネル装備できるが、これは(Intel850のように)必ず2チャンネル共にメモリを実装する必要はないという話も出た。単にこれは内部でメモリインターリーブを掛けているだけなので、BIOS Setupの中でこれを解除すれば、例えば1チャンネルだけにメモリを装備して動かすことも可能だという。

最終的にどんな構成にするか、というのはカスタマー(つまり実際にはマザーボードベンダーなりシステムベンダーなり)が決めることで、用途にあわせて柔軟な構成が可能だとしている。実際に登場するOpteronサーバーは、結構いろいろなパターンの製品が登場することになりそうだ。

○性能に関しての若干の補足

ところで前回のレポートの際に示したSPECint/SPECfpの値だが、これはSPECint_base/SPECfp_baseであることが確認された。なんでもテスト環境の構築のために利用したコンパイラはIntel製のものだそうである。したがって、最適化した場合には更に性能が上がりそうだ。また、Intel製コンパイラということはつまりIA-32用のものだから、32bitコードでの実行結果ということになる。改めてOpteronの性能の高さが確認された事になる。

ちなみにそのSPECint/SPECfpだが、このベンチマークはL2キャッシュの容量が結果に影響しやすい。そこで、「では一体どれほどのキャッシュを積んでいるか」が改めて問題になる訳だが、残念ながらキャッシュの値は公表されなかった。ただ、Bode氏曰く「Itanium2なんか6MBのキャッシュ積んでいても、Opteronにかなわない」という訳で、少なくとも6MBよりキャッシュ容量が小さいことは間違いなさそうだ。

○ついでにSocketAの事もすこし

ついで扱いするのも失礼ではあるが、SocketAに関しても話を聞いた。今年9月にAMDのロードマップが変更され、ClawHammerベースの新Athlonが来年以降の出荷になったことは既に報じられた通りだが、ちょっと気になるのはBartonである。というのは、既に大量に存在する200/266MHz FSBのSocketAユーザーの大半は、333MHz FSBにすんなり移行するわけにいかないからだ。そこで、Bartonは333MHz FSBのみなのかを確認したわけだが、結論はというとやはり266MHz FSBのサポートはなし。したがって既存の266MHz FSBユーザーの場合、(まもなく登場すると予想される)Athlon XP 2600+が最終製品ということになる。

その意味では、ついにアップグレードパスが途切れてしまったとも言えるわけで、そうなると新規購入するには製品がなく、アップグレードにはマザーボード交換が必要となってしまい、現時点で積極的にAthlon XPを選ぶ大きな理由がなくなってしまったことになる。アップグレードパスが途切れる事に関してはBode氏、Crank氏共に同意しており、したがって既存のSocketAユーザーの場合、
・とりあえずAthlon XP 2600+を買って、使えるところまで使う
・333MHz FSB対応マザーボードを購入する
・いっそ他の製品に切り替える(別にIntelのP4だけではなく、Hammerを待つのも一案だし、VIAもある(笑))
といった選択を迫られることになってしまった。なかなか難しいところだ。

(大原雄介)

【MPF 2002 レポート】Hammerに関するもう少し詳細な解説(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/10/18/30.html

【NewsSpecial】MPF 2002 レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2002/10/16/02.html

【MPF 2002 レポート】Hammerの性能が公開される
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/10/16/25.html



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