IntelのPat Gelsinger氏がIDF基調講演に登場する際に乗ってきたセグウエイHTを試乗できたので、念願のセグウエイHT試乗レポートお届けしよう。
○見た目はちょっと……
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| 体が小さくてもちゃんとしたポジションに乗れば安定する |
実物を見た感じでは、これが次世代の乗り物だとは絶対に思えない。計器類は、バッテリー状態、Learning Mode(最高時速6マイル)、Sidewalk Operations(同9マイル)、Open Environment(同12.5マイル)のどの設定になっているかを示すウィンドウがついているだけ。モーターがどこに入っているか分からないぐらいにすっきりとしているので、メカっぽさはほとんどない。上手くデザインすれば、このすっきり感はかなりいい感じになりそうなのだが、ボディに再生プラスチックみたいな素材を使っているためか、安っぽさを際立たせる結果となっている。さらにつけ加えると、運転者に合わせてハンドルの高さを調整できるのだが、その方法は根元のリングをゆるめてハンドルのバーを伸縮させる。なんだかモップの柄の伸縮みたいで、これまたチープさに拍車をかけている。ほめ言葉を探せば、「アメリカにありがちなコンシューマー・デザインの王道」と言えなくもないが、もうちょっと未来の乗り物を演出しても良かったのでは……。
○運転しないのが運転のコツ
外見はどうあれ、大事なのは"走り"である。操作は至ってシンプル。前に進もうとすれば前進し、後ろに進もうとすればバックする。ハンドルの左グリップがオートバイのアクセルのように回転するようになっていて、この左グリップで左右に曲がる動きをコントロールできる。
では、「歩くように乗れる」という未知の乗り物を初体験。月面着陸のような緊張感でステップに右足、そして左足を乗せる。それで、前後にすい~~~と動かしてみて、まず思ったことは、
「あれっ、じゃじゃ馬じゃん、コレ!!」
本人的にはすぃ~~~と動いていたはずなのに、ぐらぐらなのである。ここは気を取り直してプロの教えを請うことに。
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| ハンドルの高さを調整しているところ |
まず、ポイントとしては、ハンドルの根元の両脇に足を置く。スクーターに乗るような感じで手前の方に足を置いてしまいがちなのだが、バランスを取るためにはハンドルを支柱にするように足を置く。そして、大事なのは運転するのではなく、前に進むのをイメージすること。営業担当のブルース・グリーン氏は、「前に倒しても進まないよ。イメージねぇ、イメージ!!」と、"イメージ"を連発する。イメージというのは分かるのだが、例えばオートバイで左に曲がるためには、思いっきり左にバンクさせるというようなイメージがあるので、同じ感覚でつい前に倒してしまう。それに2輪車は進ませないと倒れるというイメージもあるので、余計に"運転"しようとする。
これがダメなのだ。今考えてみると、男性よりも女性の方がのみ込みが早かった。男性は、進ませようとぐいぐい押して、ぐらぐらになってしまうが、女性はとりあえずバランスを取ろうとする人が多い。だから、2輪車だと思わないで、まずは立つ。これが基本である。そして、歩くような感覚で進むことをイメージする。この運転のコツをつかめば、5分程度でかなり乗りこなせるようになる。実際、運転に慣れると手放しで乗っていても倒れないぐらいに安定する。左のグリップが左右に曲がるための舵になっているので、ハンドルを握るのではなく、操作のためにそえるような感じで運転できるようになると、本当に自由自在に運転できる。こうなると、かなり楽しい。イメージするだけで動くので、なんだか超能力みたいだ。ただ、調子に乗ってくるくると回っていたら、ちょっとセグウエイ酔いをしてしまった。
○セグウエイHTは公道デビューを果たせるか?
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| 途中から参加したIntelテクノロジー・グループのFrank Spindler副社長 |
答えはビミョーである。「絶対に危なくないのか?」と聞かれたら、「危険はある」と答えるだろう。試乗に使われたセグウエイHTは屋内での作業を前提に作られたモデルで、試乗用にLearning Modeに設定されていたため5マイル程度のスピードしか出ない。しかし、それでも「大人+セグウエイHT」が全速力で走っている姿をみたら、歩行者とは同列に扱えない迫力があった。では、「やっぱり危険なのか?」と聞かれると、「Segwayの主張通り安全な乗り物だ」と答える。
平衡感覚はさすがに優秀で、グリーン氏がセグウエイHTに乗っている状態で、「いつでもいいから、後ろから突き飛ばしてくれ」と言う。それで相撲のつっぱりのように思いっきり押してみると、前につんのめるようになりながら1メートルぐらい進んだ後、普通の姿勢に戻ってしまった。前から押しても同様である。これが普通の歩行者だったら思いっきり転んでいるだろう。立つことに関しては、普通に人間が立つように立っていられる。むしろセグウエイHTに乗っていた方が安全かもしれない。また、今日は約20人が試乗したが、「暴走した」、「障害物にぶつかった」、「全く乗れない」という人はひとりもいなかった。誰でも乗れるというのも、公道での走行を検討する上でポイントになると思う。
グリーン氏によると、コンシューマー向けのセグウエイHTが登場するのは来年の3月頃になるそうだ。やはり課題は、歩行者との住み分けをどうするかである。長い目で見れば、全米で一斉に発売するよりも、まずはセグウエイHTと歩行者が上手く共存できるようなモデルタウンを作って、少しずつ市場を拡大していった方が成功の可能性が高い。コンシューマー市場戦略については、まだ明らかにできないそうだが、今のところ宣伝費が全く必要ないほど注目されており、公道デビューについても、いくつかの地方行政とのプロジェクトが進められているそうだ。
(Yoichi Yamashita)
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【News Special】IDFレポート
Segway
http://www.segway.com/
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