【IDFレポート】Hyper-Threading搭載Pentium 4がアナウンス

基調講演全般に関してはすでに山下氏のレポートがあるのでそちらを参照いただくとして、基調講演の中でPentium 4プロセッサに関した部分についてもう少し詳細なレポートをしたい。

○Intel Pentium 4 Processor with HT Technology

来年には90nmプロセスを利用したPrescottコアを控えたPentium 4だが、そうはいっても登場まではまだ1年近くある。そういったわけか、Prescottに関しては次のIDF Spring 2003に持ち越しの様で、今回はNorthwoodベースのPentium 4がもっぱら取り上げられていた。

前回のIDF Spring 2002では3.5GHz駆動のNorthwoodのデモが行われたが、今回はなんと4.68GHz。もちろんガス冷却を利用してのオーバークロック動作なので一般的とはとても言いがたいのだが、既存の0.13μmプロセスでもまだまだ性能面でのヘッドルームがあることを誇示するデモとなった。

4.68GHz駆動を達成した瞬間。ちなみにこの直後、Windows XPがクラッシュした(笑)
そりゃご家庭でこんな追試はできないでしょう……一部のオーバークロックマニアを除いては

これに続いてアナウンスがあったのは、ついにHyper-ThreadingをデスクトップPCに搭載するという話である。今年中に3GHzのPentium 4がリリースされるが、この3GHz以上のPentium 4ではいよいよHyper-Threadingが有効にされることが正式にアナウンスされ、またこの新しいPentium 4向けに若干ロゴが変わることも示された。ちなみに今後の3GHz以上で動作するPentium 4はすべてHyper-Threadingが有効になる予定で、この結果2003年にはパフォーマンスデスクトップの25%以上がHyper-Threadingを利用できることになるとしている。

ロゴ右上に"H"と"T"が追加されていることに注目。ちなみに正式名称は"Intel Pentium 4 Processor with HT Technology"である
パフォーマンスデスクトップ向けの25%以上、ワークステーションの6割以上、サーバーの8割以上がHyper-Threading対応になるという計画。割と野心的である

○従来のアプリケーションにも有効?なHyper-Threading

基調講演の後で、William M. Siu氏(Vice President, General Manager, Desktop Platform Group)とのラウンドテーブルがあったので、ここでもう少しHyper-Threadingに関して話を聞く機会があった。

元来、IntelはPrescott世代でHyper-Threadingを有効にする予定だった。つまり、NorthwoodコアでHyper-Threadingを有効にするのはXeonのみで、デスクトップ向け製品ではこの予定はなかったはずである。

しかしながら、「CPU、メモリ、チップセットといった各コンポーネントの性能が上がってきたことで、サーバー用だけでなくデスクトップ向けにHyper-Threadingを適用しても効果が出るようになってきた」(Siu氏)という説明があった。

実際、基調講演ではHyper-Threadingを有効と無効にした2台のPentium 4マシンを並べ、ゲームをしながらビデオエンコーディングとか、Microsoft Officeを動かしながらウイルススキャンといったマルチタスク処理を並べて実施し、Hyper-Threadingが有効の環境では大きく性能が上がることをデモしている。

Pentium 4のNetBurstアーキテクチャの場合、パイプラインの段数が極めて大きいために、原理的にマルチタスクの環境はやや苦手である。というのはコンテクストスイッチ(処理する対象が切り替わること)が発生するたびにパイプラインのフラッシュが生じるからで、これは大きく性能を落とす原因になる。ところがHyper-Threadingを利用すると、同時に2つのコンテクストを取り扱いできるから、マルチスレッド・シングルプロセス・アプリケーションだけでなく、シングルスレッド・シングルプロセス・アプリケーションのマルチタスクにも有効である、というのが今回のIntelのメッセージである(サーバー分野に関しては従来、むしろマルチスレッド・シングルプロセスアプリケーションの性能向上を大きく取り上げていた)。

Vice President, General Manager, Desktop Platform GroupのWilliam M. Siu氏

ただしその代償として、L1/L2キャッシュや命令TraceCacheの実効サイズは減るというデメリットもあるわけだが、高クロック動作のPentium 4の場合、むしろコンテクストスイッチの減少によるメリットがこうしたデメリットを上回る、という判断の様だ。

まぁ、その分数字は多少控えめである。Xeonの際には30%以上のパフォーマンスの向上があるとしたHyper-Threadingだが、デスクトップ向けは25%程度のパフォーマンスの向上とされる。この5%の差が、シングルスレッド・シングルプロセスの場合のオーバーヘッドということになるだろう。

ちなみに当初は、3GHzからHyper-Threadingは有効になるが、この先、3GHz未満の製品でHyper-Threadingをサポートする予定は今のところないそうである。したがって、Prescottについても当然3GHzを超える周波数でスタートする、ということだそうだ。

(大原雄介)

【IDFレポート】ムーアの法則+α、デスクトップ向けHT技術の実力
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/09/10/22.html

インテル、並列処理でパフォーマンス向上を狙う「Hyper-Threading」を発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/08/29/15.html

Intel
http://www.intel.com/



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