東北大学電気通信研究所とパイオニアは、強誘電体結晶への記録再生に独自のSNDM(Scanning Nonlinear Dielectric Microscopy 走査型非線形誘電率顕微法)を用いることによる超高密度記録再生に成功、記録密度1.5Tbit/平方inch実現の可能性を実証したと発表した。製品レベルではなく、実験室にて結晶へ対しての読み書きが確認できたとのことで、すぐさま製品化に結びつくものではないというが、より小型・大容量のストレージを実現可能にする技術として注目される。
現在、最も一般的に使用されている大容量ストレージであるHDDは、データを磁気ヘッドによって、内蔵された円盤に記録する方式が採用されているが、垂直磁気記録方式が実用化されてもHDDの記憶密度は1Tbit/平方inchが限界であるといわれており(磁気記録そのものの限界は10nm程度という磁区のサイズから、6Tbit/平方inchが限界といわれている)、小型大容量ストレージ装置のさらなる記憶容量確保のため、磁気記録方式以外での記録方法が模索されていた。
今回発表された新技術は、記録/再生を電気的に可能な素材(強誘電体)を使用しての情報記録を可能にするもので、1994年に東北大学電気通信研究所の長康雄教授が開発したSNDMを使用することによって、強誘電体を記憶メディアとして使用する可能性を実証したものといえる。
現在市販されているHDDは最も記憶密度が高いものでも35Gbit/平方inch程度であるので、今回、記録/再生が確認された強誘電体による記憶方法に置き換えたHDDが実用化されれば、50~100倍の記憶容量増を果たすことができる。また、パイオニアによれば、今回発表の技術を用いれば将来的にはスティックサイズやチップサイズという超小型形状の大容量ストレージを実現できるという。
詳細については、9月9日からスペインで開催されるナノテクノロジーの国際学会「TNT2002」および9月15日からフランスで開催される強誘電体材料の国際学会「ISFD7」にて発表される予定となっている。
富士通研究所、110GBの2.5インチHDDを実現する高密度磁気記録技術を新開発
パイオニア
http://www.pioneer.co.jp/
東北大学電気通信研究所
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