【レポート】中古ゲームソフト販売めぐる論争に決着、両陣営の代表に聞く4年間の総括(1)

      [2002/08/12]

    「ゲームソフトの中古品販売は適法」、これが最高裁の下した判断だった。4年にわたって、メーカーと販売店が対立してきた問題に決着がついた。この論争であぶりだされた問題点とは何だったのか。両陣営の代表者に聞く

    メーカー側を支援、この4年余り戦ってきた、コンピュータソフトウェア著作権協会の久保田裕専務理事は「ゲームソフトの頒布権があった方が、フェアな競争ができると考えている。権利を集中管理していけば、大規模な店舗も小規模なところも共存していけるのでは」と指摘する。

    --この結果について

    裁判では負けたわけだが、徒労に終わったとは思っていない。情報への対価をきちんと支払うべき、という考え方について、広く学習できる場を提供できたのではないか。この訴訟がなかったら、そういうことを考えるきっかけがなかったかもしれない。

    パソコンやインターネットの進化、普及により、みんながユーザーであり、クリエーターである、という時代に、著作権法がこのままでいいのか。IT立国としてやっていくのなら、どういうバランスでこの法律を考えていけばいいのか。日本の著作権ビジネスをどうするか、税収をどうするのか、というところで議論しなければ。

    --今後、どう対処していくか

    ゲームソフトに頒布権がなく、中古販売が事実上OK、ということになれば、新たな法律で守るか、何らかのビジネスモデルを考えるかどちらかしかない。あるいは、CDのような媒体で扱うのをやめ、特定のハードでしか動かないようにするとか、何らかの策が必要になる。

    --この判決は、デジタル著作物全体にどんな影響を与えるか

    たとえば、レコードレンタルというビジネスは成り立たなくなる危険性さえある。つまり、ゲームソフト中古品の自由流通が認められる、ということになると、もともと頒布権のない、書籍、音楽CDも含め、郊外型などに、いわば「総合情報リサイクル」とでもいうような事業を展開する企業があらわれるかもしれない。

    ビデオレンタルなどは、過当競争でレンタル料はかなり下がっていることもあり、いまや、延滞料金で結構稼いでいる。そこに、「総合リサイクル店」ができ、ビデオ、CDの中古販売を始めるとどうなるか。会員制にすれば、客の連絡先がわかる。見聞きし終わった頃を見計らって、この間買ってもらった商品、いまなら、高く買いますよ、とメールなり電話なりすれば、客は喜んで売るだろう。延滞料は払わなくてすむし。こんな業態が増えれば、レンタル店はつぶれる。

    大手が中古販売に乗り出せば、結局、これまで訴訟してきた中小以下の販売店はかえって不利になるだろう。

    --法、制度を変えるべきなのか

    文化庁では、文化審議会著作権分科会に、著作権について、さらに特定の事項を審議する小委員会が設置された。「法制問題」「契約・流通」「国際」「著作権教育」「司法救済制度」の5つだ。

    これらのうち、契約・流通でいえば、DVD、CDなどを媒体として著作物の権利を保護するためには、たとえば、消費者がいったん購入した後、販売を業として営んでいる者に対しての譲渡を禁止、そのかわりポイント制など、何らかの特典を与えるなど、アイディアとしていろいろな策が考えられる。

    --司法の判断は出たが、政治は何をすべきか

    政府はIT戦略会議を設け、国内のブロードバンド環境整備など、インフラ、ハード的な面では力を入れているようだが、ソフトの著作権についての認識には欠ける。日本がこれから、何を糧としていくのか、IT立国を目指すのなら、何が重要なのか、ということを為政者が理解していなければならない。

    【レポート】中古ゲームソフト販売めぐる論争に決着、両陣営の代表に聞く4年間の総括(2)
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/08/12/09.html
    へ続きます

    最高裁、中古ゲームソフト販売は合法、と判決
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/04/25/09.html

    ゲームソフト流通研究会発足へ、メーカーと販売店の共通の土俵目指す
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/05/29/12.html

    コンピュータソフトウェア著作権協会
    http://www.accsjp.or.jp/

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