【Platform Conferenceレポート】基調講演 今回のキーワードは「User Experience」

  [2002/07/17]

カリフォルニア州のサンノゼで、16日から2日間の日程でPlatform Conferenceが始まった。初日の午前中は、基調講演と「64bitプラットフォーム・ソリューション」「メインメモリー技術」に関するパネルディスカッションが行われた。まずは、その基調講演の様子をレポートしよう。1人15分ずつという短い講演だったが、PCI-SIG、Samsung、VIA Technologies、nVIDIA、AMDなど、Platform Conferenceの主要5分野を代表する団体・企業の代表が登場し、今回のPlatform Conferenceの様子を凝縮したような内容となっていた。

PCI-SIGからは、新たに会長に就任したばかりのTony Pierce氏が参加し、10年目を迎えたPCI-SIGが業界全体のとりまとめ役として、どのように機能しているかを説明した。現在、PCI-SIGが取り組んでいるのは「PCI-X 2.0」と「PCI Express(3GIO)」である。PCI-X 2.0は、ハードウエアの互換性のあるサーバーやワークステーション向けハイパフォーマンスI/Oとして、一方のPCI Expressは、コストとパッケージ・サイズの問題を解決する次世代I/Oとして定着するように努めている。

PCI-SIG会長のTony Pierce氏
PCI-X 2.0とPCI Expressが中心となっているPCI規格の動き

SamsungのMian Quddus氏は、メモリー市場の広がりとメモリーソリューションの多様化について語った。PC向けのスタンダード・メモリーから、サーバー、グラフィックス、ゲーム、携帯電話、PDAなど、用途ごとに異なったタイプのメモリーが開発されてきたが、この傾向は今後も継続されると指摘する。2000年-2005年の動きとしては、コミュニケーション分野において、携帯電話とセットトップ・ボックス向けの需要が高まると予測した。特にセットトップボックスは、デジタルTVがインフォテインメント・システムの窓口になると期待していた。

SamsungのMian Quddus氏
3Gとホームゲートウエイで成長が期待される携帯電話とセットトップボックス

基調講演からそれるが、メモリー分野ではPlatform Conferenceを通じて、DDR I 400MHzとDDR II 400MHzの比較が話題となる。DDR Iでは400MHzまで引き上げると歩留まりに問題があり、一方のDDR IIには世代の移行によるコストの問題がある。パフォーマンスにそれほどの違いはないと言われているだけに、DDR II導入のタイミングを含めて、各メーカーの対応が注目される。

3番目に登場したVIAのRichard Brown氏は、業界に活気がなくなってきた原因のひとつとして、「ギガヘルツ神話」を指摘した。ユーザーがPCで何をやりたいか確認すること、つまり次のキラーアプリケーションの模索がPCを復興させると述べる。例えば、VIAはEdenを題材としたクリエイティブ・コンペティションを開催している。同コンペには、わずか2週間で世界中から840のエントリーがあったそうだ。その内容を分析すると、67%がホーム・デバイスで、そのうち45%が家庭用のエンターテインメント・センターだった。ホームデバイスのうち、20%にDVD再生機能、31%にオーディオ再生機能が備えられていた。「それらのデバイスを実現するためには2GHzのCPUは必要ありません。むしろ、24bit/96・192kHzのサラウンドサウンドの方が重要なポイントになります」とBrown氏。家庭用のデバイスには、決定版と言えるような形はなく、低価格が優先されることがあれば、リビングルームにフィットする外観が求められることもある。用途に合わせて変化する柔軟性が次世代のホーム・デバイスをデザインする上でポイントになると指摘する。

VIAのRichard Brown氏
Edenコンペティションの分析結果

nVIDIAのDan Vivoli氏は、以下の「6つの予言」を披露した。
- PCは常にデジタル革命の中心に存在する。
- ピクセル数の飛躍的な増加は止まらない。
- 技術追求と革新性、そしてコネクティビティがデジタル・コンピューティング・プラットフォーム成功の条件となる。
- PCがゲーム・プラットフォームの座をコンソールに明け渡すことはない。
- 統合グラフィクスは、常に2-3世代の差でスタンドアロンのGPUの後を追いかける。
- 5年のうちにリアルタイム・グラフィックスがフィルムに追いつく。

グラフィックス中心ではあるが、前日に発表したnForce2の存在も見え隠れする予言である。アプローチは違うが、「User Experience」をカギにCPUからコンピューティングの主役の座を奪おうとしているのはVIAと同様であると言える。

nVIDIAのDan Vivoli氏
定期的な技術アップデートがnVIDIAの強み。グラフは「nVIDIA版ムーアの法則キューブ」

最後に登場したAMDのGabriele Sartori氏も、ユーザーの視点から同社の64bitコンピューティング戦略を説明した。64bitコンピューティングへの移行は、データ社会の広がりから、将来的な話ではなく、現実的な問題となってきた。AMDの64bitプラットフォームは、OSやチップセットなどパートナー企業がサポートするオープンプラットフォームであり、スケーラブルなアプリケーション・パフォーマンスを提供してくれるため、シームレスに64bitへと移行できる。ハイボリュームが達成できれば、結果的にTCOの減少がもたらされる。64bitコンピューティングを中心に、ISVとOEM、そして企業や一般ユーザーの間に、理想的なエコシステムが構築されようとしているのも、現在のAMDの強みであると述べる。

AMDのGabriele Sartori氏
64bitコンピューティングへの移行は、急速に増加するデータセットへの挑戦でもある

(Yoichi Yamashita)

nVIDIAがプラットフォーム・プロセッサ「nForce2」を発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/07/16/20.html

【レポート】x86-64アーキテクチャ「Hammer」の構造を解説する(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/06/27/10.html

次世代I/O規格"3GIO"の正式名称は「PCI Express」に - ドラフト1.0が完成
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/04/18/12.html

Platform Conference
http://www.platformconference.com/

PCI-SIG
http://www.pcisig.com/

Samsung
http://www.samsung.com/

nVIDIA
http://www.nvidia.com/

AMD
http://www.amd.com/

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