米プリンストン大学は、Stephen Chou氏の率いる研究チームが、10nmプロセスでの半導体製造を実現する新技術開発に成功したことを明らかにした。科学雑誌「Nature」の6月20日号(英語版)に、研究内容が詳しく発表されている。
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Stephen Chou氏
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Stephen Chou氏は、1996年にnm(ナノメートル)スケールの回路パターンをプラスチックポリマーに焼き付けることに成功。以来、この分野での研究を進めてきた同氏は、新たに今回、10nmスケールでシリコンチップ上のトランジスタ集積を可能にする技術の発表に至っている。
現在、半導体の製造にはガラス板上に描かれた回路パターンを、連続光を用いてシリコンウェハー上に転写し、エッチングによって回路を形成していくプロセスが用いられているが、同氏は、外科手術にも使用されているエキシマレーザーのパルスによってシリコンの表面にダイレクトに回路パターンを形成するプロセスを発案した。シリコンの表面に、回路パターンが刻まれた透明な水晶のモールド(型)を当て、その上から200億分の1秒というナノ秒スケールでレーザーパルスを当て、モールドに接したシリコンが瞬間的に溶けて固まる効果を使って回路パターンを刻んでいく新手法は、同氏によって「Laser-Assisted Direct Imprint(LADI)」と命名され、特許申請の手続きが取られている。
一般的に用いられているエッチングおよび露光プロセスでは、シリコンチップ1個の製造に10-20分を要しているが、LADIプロセスでは、その製造時間が25万分の1秒にまで短縮される。また、10nmプロセスの半導体製造技術によって、シリコンチップ上のトランジスタ集積数を、現在の100倍に増加することが可能となる。
Natureでは、米スタンフォード大学のFabian Pease氏のコメントも紹介されており、同氏は、これまで30年にわたって維持されてきた半導体の集積密度の増加速度が、今回の研究発表によって、今後も維持されていく可能性が高まったとの見解を述べている。一時はムーアの法則に限界説も唱えられ、シリコンとは別の物質を半導体として用いることなども研究されているが、LADIによる10nmプロセスで、さらなるシリコンチップの高性能化に弾みが付きそうだ。
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Nature
http://www.nature.com/
プリンストン大学
http://www.princeton.edu/
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