Matrox、DirectX 9対応の512BitGPU「Parhelia」発表

 今回用意されたParhelia搭載ボード。ファンなどの形状は変更される予定だ

カナダのビデオチップベンダー Matroxは待望の新型ビデオチップ「Parhelia-512(パフィリア-512 以下 Parhelia)」を発表した。サンプル出荷は今月半ばから開始される予定で、量産出荷は6~7月からの予定。64MB~256MBのメモリを搭載したバージョンが用意され、128MBのDDRメモリを搭載した製品の予価は400ドル前後の予定。対象としているのは2D/3Dのワークステーションおよび、ハイエンドPCのジャンルで、既存のMillennium G550とは併存の関係となる。

この新チップ「Parhelia」は150nmプロセスルールを用いて製造されるチップで、トランジスタ数は8000万にものぼる。プロセッサは512bit、搭載されるメモリは256bit DDRメモリで、最大の帯域幅は20GB/secにも上る。ちなみに、今年2月に発表されたGeForce4は6300万トランジスタ、256bitプロセッサ、帯域幅10.4GB/sec(GeForce4 4600Ti)であり、いずれをも上回る数値となっている。

ワークステーションを対象としていることもあり、Parheliaは新開発チップによる描写速度の向上以外にもさまざまな特徴を備えている。その中でももっとも特徴的なものが「10-bit GigaColor technology」だ。これまで、ビデオカードの色数表現としては、RGBの各色につき8bitの1,677万色カラー(32bitカラー)がポピュラーであったが、Parheliaはこれを10bit(40bitカラー)まで引き上げており、10億の色彩を表現することが可能にしている。これによって、同社では、2Dや3Dのオブジェクトはもちろん、DVDなどの再生に関しても対象物に正確な色彩を表現することが可能になったとしている。もちろん、コア内部のみではなく、DirectX、OpenGL、GDI(Graphic Device Interface)といった色表現に関わるコンポーネントやRAMDAC、デジタルアウトプットといった部分も10bitカラーをサポートしている。

そのほか、400MHzのRAMDACを搭載、10bitのフルガンマ補正によって明瞭な画面出力を得ることのできる「UltraSharp Display Output Technology」や、3Dレンダリング時に1クロックあたり最高で64テクセルをレンダリングする「64 Super Sample Texture Filtering」、フォントに対してアンチエイリアシング処理を行う「Glyph Antialiasing」、パフォーマンスに与える影響を少なくした4x4アンチエイリアシング「16x Fragment Antialiasing」といった機能を搭載している。

 16x Fragment Antialiasing (FAA-16x)の例。左が効果なし、右が効果ありとなっている。翼のエッジがなめらかに表現されていることがわかる

やはり気になる3D描写性能だが、DirectX 9対応のプログラマブルバーテックスシェーダーを4つ、並列で搭載しており、バーテックスシェーダーのバージョン2.0に対応する。T&Lについては専用のエンジンを持たないが、この4つ搭載されたバーテックスシェーダーによってエミュレートし、実行する仕組みになっている。

○主要ハイエンドGPUの主なスペック
Parhelia GeForce4 RADEON 8500
ピクセルパイプ 4 4 4
テクスチャユニット数 4 2 2
バーテックスシェーダー(バージョン) 2.0 1.1 1.1
バーテックスシェーダー(ユニット数) 4 2 1
1クロックあたりの合計シェーダー数 36 16 16

3D描写関連機能として、もっとも目を引くものはDirectX 9に採用されるという「Hardware Displacement Mapping(HDM)」機能の実装だろう。この技術自体は米マイクロソフトが3月に開催したゲーム開発者向けイベント「Game Developers Conference」にて発表されたもので、Matroxによって開発された表面凹凸創造エンジンだ。

発表の際に行われたデモは、描写する画面の手前と奥で描写するトライアングル(マッピング密度)をリアルタイムに可変させていくというもので、グランドキャニオンのような奥行きのある風景や、超高空から低空に近づいてくうちにトライアングルの密度が変化していく様子を見ることができた。HDMはこうした風景描写のほか、キャラクタの表面マッピングにも適しているとのことで、ベースとなる粗いモデルにHDMを適用することによってさまざまなモデリングを施したり、遠くに見える際には粗い表面処理を、近く見える場合には密度高い表面処理を施すなどのデモが行われた。

 4つ搭載されたテクスチャユニットをいかして、魚のバスに4つのテクスチャを同時かけて動かすというデモ。
 近づくと密に、遠ざかると粗くというHDMをキャラクタに適応した例。メッシュのキャラクタが手前に迫ってくるデモでもその様子がよくわかる。

 

 Hardware Displacement Mapping によるトライアングル数の変化を示した図。上がHDMあり、下がHDMなし。

 Hardware Displacement Mappingを用いたキャラクタへのマッピング

MatroxといえばDualHeadに代表されるような複数ディスプレイ表示についてもキャリアを持つベンダーだ。Parheliaでもこの伝統は受け継がれており、DualHeadは「DualHead-HF」へと進化を遂げた。デュアル出力は2つの400MHz RAMDACと2つのDVI出力を備えることによって、RGB出力時で2048x1536(32bpp)、DVI出力時に1600x1200(32bpp)の表示が可能と、もはやプライマリ/セカンダリといった区別をすることなく2面のディスプレイを自由自在に使うことができる。これに加えてParheliaでは、同時に3面のディスプレイに出力を行うことも可能になった。3つのディスプレイに出力を行った際の最大解像度は3840x1024(32bpp)で、デモではFlightSimulator 2002やQuakeIII、Return to Castle Wolfensteinなど人気ゲームが3面ディスプレイで動作する様子が展示された。

 3面ディスプレイをMicrosoft(R)Flight Simulator 2002に適応した場合の例。普段ならば表示されない左右の景色も確認できる。

3面ディスプレイでゲームを行うことを同社では「Surround Gaming」と呼んでいるが、まさに映像に取り囲まれるような感覚は未体験のもの。これの感覚を体感できるだけでも大きなアドバンテージになりそうだ。Matroxでは「フレームレートの向上だけでなく、視野の広さや高い画質など、総合した使い方・楽しみ方を提案するのがParheliaだ」としており、2D/3Dのワークステーション向けとして使えるパフォーマンスの高さもさることながら、このカードでしか楽しめないという使い方を提案しているという点で、人気を呼びそうだ。

チップ名となった「Parhelia」は空気中の氷の結晶が光を反射して、太陽の両側に、2つの太陽のような光の塊をつくりだす現象(幻日)の意味で、「Performance」「Quality」「Future」の3つをイメージしたものだそうだ。10bitカラーや3面ディスプレイ、4つのプログラマブルピクセルシェーダー搭載、Hardware Displacement Mappingの実装など、さまざまな意味で注目の製品であることは間違いない。昨年6月のMillennium G550のデビューから約1年、Matroxファンにとって待ったかいのある製品であることは間違いなさそうだ。

Matrox、「コミュニケーション分野で3D技術を活用」するG550を日本で発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/20/06.html

Matrox、Millennium G550をリリース - 似顔3DCG生成などユニークな機能満載
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/20/15.html

Matrox
http://www.matrox.com



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