【レポート】電機大手の決算は、ほとんどが大苦戦 - 02年度は"V字型回復"目指す(1)

  [2002/05/08]

大手電機メーカー各社の2001年度決算が出揃った。創業以来、初の赤字決算となった富士通をはじめ、各社とも厳しい決算内容となっている。いずれのメーカーにも共通しているのは、01年度決算ですべての「ウミ」を出し切って、02年度以降、業績が右肩下がりから右肩上がりに転じる、いわゆるV字型回復を狙うというものだ。

今回の一連の決算発表でも、各社の首脳陣からは、「V字型回復」という言葉が相次いで聞かれたことからも、それは強烈に伝わってくる。果たして、コンピュータメーカー各社は、V字型回復に向けた準備ができたのだろうか。

まず、最初に、各社が発表した01年度(02年3月期)の決算内容をみてみよう。NECは、売上高が5兆1,010億円(前年比5.7%減)、営業損益がマイナス555億円、当期純損益が3,120億円の赤字だった。カンパニー別では、NECソリューションズの売上高が前年比0.9%減の2兆2,090億円、営業利益が753億円、NECネットワークスが同じく前年比6.7%増の1兆9,571億円、営業利益が534億円となったものの、半導体事業を担当するNECエレクトロンデバイスが、前年比31.4%減の8,428億円、営業損益がマイナス1,481億円となり、半導体分野の業績悪化が全社の業績に大きく響いた。

富士通は、売上高5兆69億円(前年比8.7%減)、営業損益がマイナス744億円、経常損益がマイナス1,571億円、当期純損益がマイナス3,825億円と、初の赤字決算となった。「通信およびデバイス分野において、需給バランスが崩れるとともに、価格下落が影響して収益性が悪化したのが赤字の原因」(富士通・高谷卓副社長)としている。

部門別では、通信部門が前年比19.0%減の6,298億円、営業損益では724億円の赤字。北米向けの伝送装置の需要停滞が響いた。また、電子デバイス部門は、前年比28.1%減の5,465億円、営業損益は1,093億円の赤字となり、この2部門の低迷が大きく響いた。これに対して、情報処理部門は前年比11.9%減の1兆3,853億円、営業利益では前年比23.0%減の1,456億円と減収減益となったものの、ソフトウェア・サービス事業が、国内SI事業の堅調ぶりに支えられて、前年比3.5%増の2兆858億円、営業利益が22.6%増の1,578億円となった。

日立製作所は、売上高で前年比5.0%減の7兆9,937億円、営業損益がマイナス1,174億円、税引前当期損益がマイナス5,860億円、当期純損益がマイナス4,838億円と、こちらも大幅な赤字決算だ。主要部門別の売上高は、電子デバイス部門が同26%減の1兆4,872億円、営業損益がマイナス1,636億円となった。半導体事業が売上高で39%減の5,069億円、営業損益がマイナス1,335億円と赤字になったことなどの影響を受けた。デジタルメディア・民生機器は、売上高で11%増の1兆1,707億円となったものの、営業損益でマイナス146億円となり、収益悪化につながった。それに対して、情報通信システム分野は、売上高で前年比2%増の1兆8,296億円、営業利益が357億円、電力・産業システムが売上高は2%減の2兆2,668億円となったが、営業利益は550億円となった。

松下電器産業、ソニーの家電2社は、明暗が分かれた。ソニーは、売上高で3.6%増の7兆5,783億円で過去最高を記録、営業利益は40.3%減の1,346億円、税引き前利益は65.1%減の928億円、当期純利益は8.6%減の153億円となった。
 
エレクトロニクス部門は、この分野の市場低迷、価格競争激化などにより、3.0%減の5兆3,104億円、営業損失が82億円となったが、プレイステーション2を擁するゲーム部門が売上高で51.9%増と大きく伸張、初めて1兆円を突破したのが売上増に好影響した。営業利益でも、ゲーム部門は1,340億円の増益となる829億円と大幅な黒字を計上、大きく貢献している。そのほか、音楽部門の売上高は、5.0%増の6,428億円、営業利益は1.6%減の202億円、映画部門の売上高は14.5%増の6,358億円、営業利益は前年比7.2倍の313億円。金融部門は、7.0%増の5,122億円、営業利益は27.0%増の221億円となった。

これに対して、松下電器産業は、売上高で前年比10%減の6兆8,767億円、営業損益がマイナス2,118億円、税引前当期損益がマイナス5,480億円、当期純損益がマイナス4,310億円の赤字決算となった。

部門別では、AVCネットワーク分野の売上高が前年比5%減の4兆519億円(うち映像・音響機器が2%増の1兆7,969億円、情報・通信機器が11%減の2兆2,549億円)、営業損益がマイナス517億円となったほか、アプライアンス(白物家電など)分野は、同じく10%減の1兆1,792億円、営業利益が381億円、インダストリアルイクイップメント(産業機器)分野は同じく38%減の2,957億円、営業損益がマイナス445億円、デバイス(半導体・電子部品・電池など)分野は20%減の1兆9,728億円、営業損益がマイナス960億円となった。全体としては、特に、国内の売上高が17%減の3兆3,484億円と大幅に落ち込んでいるのが目立つ。

(中上真吾)

【レポート】電機大手の決算は、ほとんどが大苦戦 - 02年度は"V字型回復"目指す(2)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/05/08/06.html
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【レポート】厳しさ、浮き彫りに、国内大手電機メーカー7社の中間決算(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/11/08/23.html

【レポート】厳しさ、浮き彫りに、国内大手電機メーカー7社の中間決算(2)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/11/08/24.html

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