【レポート】ヤフー「BB Phone」モニターレポート - 気になる品質は?

      [2002/02/25]

    すでに報じられているように、ヤフーは同社のADSL接続サービス「Yahoo! BB」のユーザー向けとして、インターネット電話サービス「BB Phone」を今春開始する予定だ。現在、同社はYahoo! BBユーザーの中から数千人規模のモニターを選び、サービスの運用テストを行っている段階だが、たまたま記者もモニターに選ばれ、機材が自宅に届いたので使用レポートをお届けしたい。

    ヤフーから届いた箱の中には、「Yahoo! BBモデムコンボ」のほか、スプリッタやケーブル類などが同梱されていた。Yahoo! BBモデムコンボはA5用紙程度の大きさで、今まで使っていたADSLモデムよりは少し大きくなっている。接続はスプリッタ、Yahoo! BBモデムコンボ、電話機をモジュラーケーブルで繋いでいくだけなので、マニュアルを見れば誰でも問題なくできるだろう。ちなみに、電話機は今まで使っていたものをそのまま利用する。そしてパソコンからのLANケーブルをYahoo! BBモデムコンボに接続すれば、準備は完了だ。

    Yahoo! BBモデムコンボ、ACアダプタ、スプリッタ、モジュラーケーブル、LANケーブル、マニュアル2冊、CD-ROMが入っていた
    実際に設置した状態。壁面のモジュラ端子にスプリッタのケーブルを差し、スプリッタからのケーブルは2本ともモデムコンボに接続される。

    あとは普通に電話をかけるだけで、全国一律3分7.5円という格安の料金で通話ができるが、注意してほしいのは電話をかける相手が一般加入回線の時だけ、BB Phoneサービスを使った通話になるということだ。たとえば、090で始まる携帯電話にかけた場合などは、BB PhoneではなくてNTT回線を利用することになるので気をつけよう。BB PhoneとNTT回線のどちらを利用して通話しているかは、Yahoo! BBモデムコンボ本体の「VAC」というLEDで確認できるので、後で電話代の請求書を見て驚くことのないよう、毎回チェックするようにしたい。

    それでは早速電話をかけてみよう。市内通話では料金的にありがたみがないので、用事は特になかったが大分県の友人にかけてみた。通話の品質はどうなのか、といった点が読者も最も気になるところだろうが、あっけないほどに今までと変わらない音質だった。ノイズやエコーといった問題もなく、相手に教えなければ多分インターネット電話であるとは気がつかないだろう。更に意地悪く、通話中にパソコンを使って30MB程度のファイルをダウンロードしてみたが、音質が悪くなるといったようなことはなかった。1時間15分も話してしまったが、これだけ使っても187.5円だ。

    BB Phoneの通話とパソコンのインターネット接続を同時にやっても問題ないことは分かったが、BB Phoneの音声データのIPパケットが流れる分、多少はインターネット接続のスループットが悪くなることが予想される。そこで、ブロードバンド接続のスループットを調べるサイト「ブロードバンドスピードテスト」( http://speed.on.arena.ne.jp/ )を利用し、BB Phoneの通話時と非通話時のスループットを調べてみた。結果は以下のとおり。

    スループット比較

    項目BB Phone通話時BB Phone非通話時
    サンプル数75
    最高速度(Mbps)2.082.15
    最低速度(Mbps)1.972.03
    平均速度(Mbps)2.012.08

    平均で通話時に約70Kbps程度のスループット低下がみられる結果となった。あくまで参考程度のテストだが、ほとんどBB Phoneの通話による影響はないといえる(もっとも、電話しながらファイルをダウンロードしたり、ストリーミングを楽しむといった状況がそれ程多いとは思えないが)。このテストのためにも、大阪などわざわざ遠方に電話し、合計で1時間21分の通話時間を要した。くどいようだがこれでも202.5円と、少し得した気分になる。

    BB Phoneでは、国内のみでなくアメリカに対しても3分7.5円と、国内と同一の料金で通話できるのも大きなメリットだ。といってもアメリカには知り合いがいないので、本誌コラム「ニューヨーク通信」でおなじみの山下洋一氏に電話をしてみた。始めは少しエコーがかかっていたが、しばらくしたら気にならない程度に落ち着いた。音質も悪くなく、これには山下氏も絶賛していた。アメリカと日本の通信事情の話で盛り上がり45分も通話してしまったが、これだけ話しても112.5円というのは国際電話ということを考えれば格安だ。

    今回のモニターサービスにおいては、料金面・品質面のどちらにおいても個人的に不満は全く感じない。今までは、遠距離電話だと無意識のうちに通話時間を気にしていたものだが、BB Phoneでは全国一律の通話料金ということで、どこの誰でも同じような感覚で電話することができる。さらに、相手もBB Phoneユーザーであった場合には通話料もかからないため、利用目的は不明だが「電話の常時接続」といったものも可能だ。しかし、2002年1月現在で38万人が加入しているYahoo! BBユーザーの何割がBB Phoneを利用するか分からないが、いずれにしてもモニター期間中とは比較にならないほど多数のユーザーが利用することになるだろう。そして、その時の通話品質やトラブル対応といったものこそが、BB Phoneの成否を分けることになると思われる。

    Yahoo! BBのサービス開始時には、トラブル対応のまずさがユーザーの批判を招いただけに、今回も同様の問題を起こせば致命傷となりかねない。それは同社も十分認識していることで、今回は万全の態勢を敷いてくることと期待したい。確かにトラブルはあったものの、昨年ADSLの価格破壊がおこり、ここまで一般に普及したのは、それまでの料金を大幅に下回る価格で参入した同社の影響によるところが大きい。今回のBB Phoneの料金設定もそれと同等、またはそれ以上のインパクトを通信業界に与える可能性があり、他社も含めたインターネット電話の普及次第では、距離に応じた従来の料金体系すら変わるかもしれない。同社の健闘を期待したいところだ。

    (大塚実)

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    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/09/05/05.html

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    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/06/19/11.html

    ヤフー
    http://www.yahoo.co.jp/

    ソフトバンク
    http://www.softbank.co.jp/

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