【レポート】史上初の2足歩行ロボット大会 第1回ROBO-ONEがお台場で開催!

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【レポート】史上初の2足歩行ロボット大会 第1回ROBO-ONEがお台場で開催!

  [2002/02/04]

○ロボットによる格闘技大会!

会場は大勢の観客とメディアが詰めかけ、おおいに盛り上がった

2日と3日の両日、東京・お台場の日本科学未来館においてロボット競技会「ROBO-ONE」の第1回大会が開催された。ROBO-ONEはその名称からもわかるとおり、2足歩行ロボットによる格闘技大会。これまでのロボット競技とは異なり参加資格を2足歩行ができる機体と定めた点が新しく、もちろん世界初の試みだ。

もともと個人の趣味としてロボットを製作を楽しんでいたアマチュア愛好家らが既存のロボット競技会に飽きたらず、自分たちがやりたい新機軸の競技会を企画したのが始まり。加えて会場に足を運ぶ観客も一体になって楽しめる夢のあるイベントに発展、ロボットやハイテク関連の企業が賛同して準備委員会を設立し、今回のイベント実現にこぎ着けた。

「そんなアマチュアに2足歩行ロボットなんて作れるのだろうか」と思った人もいるだろう。もちろんASIMOのようなものを想像してもらっては困るが、PINOやmorphサイズのものなら実現不可能というわけではない。市販のラジコン用サーボモータを各関節のアクチュエータとして利用できるため、あとはアイデアと技術力次第。もちろんしっかり歩くモノを創るのは難しく、今回の大会でもちゃんと足をあげて歩行できたものは少なかった。それでもサーボモータを20個以上搭載する本格的なヒューマノイドもあれば、簡略化した脚機構しか持たないシンプルなロボットもあるなど実にバリエーション豊かな2足歩行ロボットが集まった。

○パフォーマンス披露による予選審査

中国の2足歩行ロボット「先行者」の開発陣がゲストとして登場。外観は実にシンプルなものながら17軸の自由度を持ち、階段の昇降も可能な性能を持つ、中国では最新のロボット。今回実物の展示も企図されていたが「国家機密」との理由で実現しなかった

競技は2足歩行ロボット同士の対戦。2m四方大のリング内で5ラウンドのノックアウト制で戦う。歩行技術が重視されるため2歩以上歩いたあとでないと相手に攻撃を仕掛けることはできない、ロボットの操作はラジコンや無線で行う、相手を破壊するような武器の禁止などのレギュレーションがあるが、今回は第1回ということでかなり緩やかに運用されていた。試合だけでなく、ロボットの技術力や機構、アイデアなどの審査ポイントや、試合前に行うパフォーマンスもポイントに加算、試合結果と合算した上で勝者が決まる仕組みだ。

今回の大会には当初38台のエントリーがあったが、この日実際に参加したのは29台。初日に全ロボットによる予選が行われ、単機でのパフォーマンスを披露して審査による順位が決められた。中には製作途中のものも多く、設計通り満足に動かないロボットも見られたが、その一方で完成度の高いロボットもあり、会場に詰めかけた観客の目を惹きつけていた。結果、16台が予選を通過し、翌日の決勝トーナメントに進んだ。

参加ロボットの中にはレベルの高いものも見られた。予選トップで通過した吉村浩一さんの「R-BlurIII」は28自由度という精密な機構を持つ本格的なヒューマノイド。パフォーマンスでは、安定した2足歩行のほか、腰をひねっての左右のパンチを披露。観客の目を釘付けにしていた。またLEGO MINDSTORMのHP作者として知られているJin Satoさんはカナダから「JSRF M-1」で参戦。ベルト駆動の本格的ヒューマノイドだったが、運動ソフトウェアの開発が間に合わず、パフォーマンスを発揮できずに残念ながら予選敗退に終わった。その一方で岡本圭一さんの「バルキー」や佐藤豊さんの「毘夷零号機」などのレトロな外観とアクションが特徴のロボットもシンプルゆえに確実な動きで歓声を浴びていた。

ロボットはメカを製作したあとのソフトウェアの開発が重要であり、しかも時間がかかる。この日の参加者も時間ギリギリまで作業に追われるなどかなり疲れていた様子だったが、そこは待ちに待ったイベントでもあり楽しく作業していた。

○白熱した決勝トーナメント

決勝に残ったロボットたち

翌日の3日は最悪の天候ながら多くの観客が詰めかけて決勝トーナメントが行われた。試合前にそれぞれのパフォーマンスを披露したあとで試合開始。第1試合は前述の「R-BlurIII」と菅原雄介さんの「A-Do」の対戦。ここで史上初の2足歩行ロボット同士のバトルの歴史が始まったことになる(やや大げさだが)。本格的ヒューマノイドのR-BlurIIIに対し、A-Doはシンプルな小型ロボット。前日の予選では音声コマンドによる歩行や猪木パフォーマンスで湧かせた。試合はお互いのパンチが炸裂する熱戦となったが結局R-BlurIIIが勝利した。

このあとも白熱した試合が続出。組み合わせの妙かロボットの個性か、思いがけぬ好カードが続き、会場は盛り上がっていた。ちなみに会場となった科学未来館館長の毛利衛さんも観戦、おおいに楽しんでいた様子だった(H2Aロケットの打ち上げが延期になったことも理由?)。

途中、本命と目されていたR-BlurIIIが敗退したものの、確実に動き倒れにくいロボットが上位に進出し(倒れた時点で起きあがれず1ラウンドを失うことが多いため)、激戦の結果、かわさきロボット競技会にも参加している藤野裕之さんの「TA-17」が第1回大会を制した。準優勝は片迫春夫さんの「YRCドム」、3位に「毘夷零号機」、4位が「R-BlurIII」という結果になった。優勝したTA-17は1基の大型モーターで2足歩行を行う独自メカが特徴のロボット。熟成されたメカと姿勢や重心の低さによる安定感、両腕の模造刀を振り回す攻撃力の両面で危なげなく勝ち進んだ結果だった。YRCドムも安定した動きで順調に勝ち進んだが、決勝戦では会場のストロボフラッシュによる誤動作によってトラブルが発生。不完全燃焼のまま終わった。

アマチュア愛好家の手弁当による運営や第1回大会ということもあってイベント進行に不手際も目立ったが、こういうイベントはとにもかくにも第1回をこなしたことが重要だ。続けなければノウハウも技術の発展もないからだ。バラエティに富んだロボットが思いがけず見事なパフォーマンスを見せたことで大会は非常に盛り上がり、観客の多くも満足した様子だったし、もちろん参加者の表情も明るかった。新しいチャレンジイベントとして今後、定着するといいのだが……と思っていたら、大会の最後には第2回大会の開催を検討中というアナウンスもあった。いまから楽しみなところだ。

優勝した「TA-17」は完成度の高いロボット。安定した動きと操縦テクニックが勝因だ。武器は固定されているので腕の延長として解釈された
準優勝のYRCドム。腰のスイングと足首を直接回転させる独特のメカで歩行する。バズーガの先が飛び出して相手を倒す
3位に輝いた佐藤豊さんの毘夷零号機はレトロ感あふれるデザイン。足首と腿のモータによる微妙なアクションが特徴だ
「アニメイダー」は見たとおりのビジュアルが特徴。残念ながら満足なパフォーマンスは発揮できなかったが、有線型ロケットパンチなどアイデアは満載
ヒューマノイドとしての完成度の高さでは大会一と評判だった「R-BlurIII」は4位
倒れても起きあがる機構を持つ唯一のロボット「Petapy」。起きあがった瞬間、会場がどっと沸いた
予選を4位で通過した「RC-GUNDAM」。スケールプラモをそのまま流用した「誰もがやりそうでできない」スタイルに挑戦、見事な2足歩行を披露した
カナダから参加のJin Satoさんのヒューマノイドは調整不足からカナダ国旗を振るだけのパフォーマンスに終わった
TA-17とYRCドムの決勝戦。YRCドムにトラブルが発生してTA-17が見事に大会を制した
R-BlurIIIとA-Doの対戦。腰を落として防御態勢に入ったA-Doに有効な攻撃を加えられないR-BlurIIIという構図
MPEG1(1325KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
倒れても立ち上がることができるPetapy。2足歩行ロボットでは珍しい
MPEG1(1683KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
ガンダムプラモをそのまま流用したRC-GUNDAM。マイクロサーボを利用してかなり安定した歩行ができる。両手と首も稼働する
MPEG1(747KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
STARWARSのスカウトウォーカー風な動きが楽しいMK-21R-1。決勝に進出した

MPEG1(2369KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます4位に終わったR-BlurIIIのパフォーマンス。歩行と連続パンチ、パラパラダンスなどを披露した

MPEG1(1517KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
準決勝の闘い。双方ともラジコンによって操縦されている。操作方法によって動きの雰囲気がガラリと変わる
MPEG1(1461KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
3位決定戦。微妙なタイミングで毘夷零号機がR-BlueIIIを倒した瞬間
MPEG1(1459KB) *画像をクリックすると動画をご覧になれます
決勝戦のヒトコマ。動きのいいTA-17がYRCドムを押し倒した瞬間

(浅野純也)

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http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/12/21/20.html

ROBO-ONEホームページ
http://www.robo-one.com/

日本科学未来館
http://www.miraikan.jst.go.jp/calendar/17.html

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