2つの音楽CDコピー防止技術がバージョンアップ - 著作権保護は実現するか

 

音楽業界は現在、自身が保持する音楽関連の著作権保護を進めている。特に対象は、PCなどによってコピーされる音楽CDだ。Napsterなどのデータ交換、CD-Rへのコピーなどによって音楽CDの売り上げが激減し、著作権がないがしろにされている、というのがその理由だ。IFPI(International Federation of the Phonographic Industry:国際レコード産業連盟)とRIAA(Recording Industry Association of America:米レコード協会)の試算によれば、CDの複製などによる著作権侵害の被害は、42億ドルにも達するという。

インターネットから音楽をダウンロードして販売する音楽配信事業は、著作権保護の仕組みも整いはじめたが、音楽CDのコピーはいまだ自由に行えるため、それに対処しようというのが、コピー防止技術付き音楽CDだ。PCを介し、音楽CDをCD-Rにコピーする、MP3ファイルなどにエンコードして配布する、といったことを不可能にしようという試みだ。

現在、イスラエルのMidbarや米Macrovision、米SunnCommなどがコピー防止技術を提供している。そのうち、MidbarとMacrovisionが20日、フランスのカンヌで開催されている音楽見本市MIDEM 2002において、音楽CDコピー防止技術の最新版を発表した。発表されたのは、Midbarの「CDS-200.0.4」とMacrovisionの「SAFEAUDIO Version 3」である。

SAFEAUDIOは、ソフトウェアベースの防止技術で、音質や再生機能になんら障害を与えない、というのが売りで、同社とTTR Technologiesが共同で開発する。新バージョンでは、"AudioLok"技術により、防止機能をさらに洗練させ、複数レベルのセキュリティオプションを選択することができるようになったほか、サードパーティ製のDRM(Digital Rights Management:著作権管理機能)の利用も可能になった。

MidbarのCDS(Cactus Data Shield)は、音楽CDの情報をわずかに変化させ、音質を保ったままコピーを防止する技術。最新版では、現在明らかにされている問題を解決したほか、プレイリスト作成、URLの埋め込みが簡単にできる「Skin Builder」「Info Builder」といった、コンテンツプロバイダが望んでいるカスタマイズツールを同梱した。

「CDS-200.0.4」は、同社と主要なレコード会社による一連の厳しいテストに合格しており、 CDプレイヤー、カーステレオ、ポータブルCDプレイヤー、DVDプレイヤー、PC、プロ向けのオーディオシステムなど、多くのデバイスで、ほぼ100%再生することができた、という。しかも、原音の音質も維持されているとのこと。同社の発表によれば、CDS技術を利用した音楽CDは、欧米で800万枚も市販されているという。

同時に同社は、さらに新しいバージョンである「CDS-300」を2002年の第1四半期にリリースすることを明らかにした。CDS-300では、CDS-200の機能にプラスして、インターネットを介してデータ照合を行うことにより、音楽配信などでPCやモバイル機器上にダウンロードされた音楽データの著作権を保護するDRMの仕組みが加えられている。

Midbarのセールス・マーケティング部門副社長Noam Zur氏は、「市場に出ている最新のプレイヤーでも、原盤の音質を維持したまま再生できるように研究開発を続けており、今後はDVDのコピー防止技術の開発も計画している」と話す。

海外では、米5大レーベルがこぞって音楽CDへのコピー防止技術付与に取り組んでおり、一部では実際に販売もされている。その1つであるUniversal Music Groupは、昨年末より米英にて、評価のために一部の音楽CDにコピー防止技術を組み込んで販売している。同社は、2002年に販売を予定している音楽CDのすべてにコピー防止技術を組み込む計画だという。

同社が開設したコピー防止技術付き音楽CDのヘルプサイト「MUSIC HELP ONLINE.COM」によれば、そのCDをPCで再生する場合、CPUはPentium(または互換プロセッサ) 133MHz以上、メモリ32MB、CD-ROMドライブ、サウンドカード、スピーカーが最低限必要とされ、OSにはWindows95/98/Me/NT4.0(SP4)/2000/XPがインストールされていなければならない。Macintoshについては将来対応させたい、と明示されており、現時点では再生が保証されていない。

しかも、普通のステレオを含む、すべての音楽CDプレイヤーでの再生が保証されておらず、カチッという音や雑音が入る、早送り・巻戻しが動作しない、全曲を再生できない、などの問題が起こりえる、という。こういった障害を取り除き、100%のCDプレイヤーで再生ができるよう努力を続けているというが、RETURN POLICYとして、上記のようなコピー防止技術に起因する障害が起きた場合、全額返金することを確約しており、実際の障害が起きる可能性があることを示している。

日本でもユニバーサル ミュージックがコピー防止技術付き音楽CDの販売を計画しており、現在コピー防止技術を選定中だという。また、一部報道では、そのほかのレーベル各社も防止技術付き音楽CDの販売を検討しているという。ユニバーサル ミュージックによれば現在のところ、Universal Music Groupが販売するコピー防止技術付き音楽CDは日本には輸入版も含め入ってきていない、とのことだが、今後日本でもコピー防止技術付き音楽CDが標準になる可能性はある。

音楽CDに限らず、デジタルコンテンツの複製問題は常々問題になっており、利用者のモラルだけでは解決できなくなっている。コピー防止技術によって、アーティストなどの著作権やレーベルの利益が保護される必要はあるが、それによって自分好みのCDを作る、といった楽しみ方や、CDコピーの利便性を、公正に利用するユーザーから奪ってしまう可能性もある。コピーを防止する、それが破られる、などといった技術のいたちごっこも考えられ、音楽CDのコピー防止技術が今後どのように運用されていくか、注目される。

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MIDEM 2002
http://www.midem.com/

Midbar
http://www.midbartech.com/

Macrovision
http://www.macrovision.com/

SunnComm
http://www.sunncomm.com/

Universal Music Group
http://www.umusic.com/

MUSIC HELP ONLINE.COM
http://www.musichelponline.com/

ユニバーサル ミュージック
http://www.universal-music.co.jp/



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