IPA、2001年のウイルス被害状況を総括 - キーはセキュリティホールと初心者

      [2001/12/18]

    情報処理技術などの振興を図る政府関係機関である情報処理振興事業協会(IPA)のセキュリティ対策部門セキュリティセンターは、2001年のコンピュータウイルスに関して総括し、発見・被害報告が過去最高となるなど、ウイルスの蔓延が確実に広がっていることを報告した。特に(1)セキュリティホールを悪用したウイルスが01年の主流である(2)初心者ユーザーの感染が増加している―という2点を大きな特徴として挙げた。

    01年の1年間(1月1日~12月14日)にセキュリティセンターに届出があったウイルス感染・発見報告は、22,516件で、2000年の11,109件と比べて倍増した。1年間を通して、主に前半には「Hybris」「MTX」「Sircam」、後半は「Nimda」「Aliz」「Badtrans.B」という強力なウイルスが立て続けに猛威をふるい、被害を拡大させた。

    1年間で最も届出が多かったウイルスはHybris。発見日が2000年12月と古いにもかかわらず、4,826件と最多であった。以下Sircam(2,971件)、MTX(2,900件)、Badtrans(亜種を含む、2,150件)と続く。

    1990年以降の届出件数の年別推移。一つのターニングポイントはマクロウイルスが登場した97年だ、という
    01年届出ナンバーワンのHybrisの特徴。送信者欄が空欄のため、誰からウイルスメールが届いたのか分からない。そのため、現時点でも感染に気づいていないユーザーがいるのでは、とも考えられる

    ウイルスの傾向としては、特にNimda以降、メール機能を悪用して感染するだけでなく、さらにInternet Explorer(IE)のセキュリティホールを突いて感染を広げる、というものに変わってきた点が挙げられる。01年9月のNimda登場の際は、米国同時多発テロとの絡みで、IEのセキュリティホールともども大きく報道されたが、その後も同じセキュリティホールを悪用したAliz、Badtrans.Bといったウイルスが蔓延し、問題の根深さを物語っていた。

    セキュリティセンターも指摘するのが、インターネット/Eメールだけを目的としてPCを始めた初心者の増加で、センターへのウイルス相談事例でも、ウイルスに感染しても、感染ウイルスがなんというウイルスか、また、どのように対処したらよいかまったく分からないユーザーが比較的多いという。

    そうした点を踏まえてセキュリティセンターが強調するのが、(1)ウイルス被害は起きるものであり、危機意識を持つこと。決して他人事ではない(2)予防が一番大事(予防には高度な技術は必要ないが、感染後の修復は高度な技術が必要となる)(3)インターネットでは自己責任・自己防衛が基本で、他人が守ってくれるわけではない―という、ある程度のベテランユーザーなら当然だが、初心者には多少厳しい指摘だ。しかし、昨今のウイルスの感染被害を考えれば、初心者といえども一定の備えはしておくべきであろう。それと同時に、PCメーカーやソフトウェアベンダ、IPAなどがいっそうの啓蒙活動などを行い、初心者でもウイルスへの構えができるような取り組みを進めるべきだ。

    またセキュリティセンターでは、01年12月の届出件数急増を受けた臨時の警告を発している。12月1日~14日までで、2,155件の届出があり、過去最高であった01年8月の2,809件を越え、3,000件を突破する見込みだという。12月という時期は、クリスマスや新年のお祝いメールに乗じたウイルスが登場する危険性が高く、見知らぬアドレスからのメールや、不審な添付ファイルには特に注意が必要だ。

    ウイルス対策は、少しのお金(ウイルス対策ソフトの購入)と少しの手間(ウイルス定義ファイルを毎日更新、IEなどのセキュリティホールをふさぐ)、そして不審なメールや添付ファイルに注意する、といったことでほとんどを防ぐことができる。ウイルスに感染すると、自分への被害だけでなく、知人や仕事の関係先、果ては世界中のネットワークに悪影響を及ぼす可能性もある。ユーザーは心してウイルス対策に努める必要があるだろう。

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    情報処理振興事業協会セキュリティセンター
    http://www.ipa.go.jp/security/

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