Xboxの稼働中に、背面のファン通気口に手をかざすと、「一体、中では何が……」と思うほどの熱気が排出されている。という訳で、今回はトルクス・ドライバー2本を手に、Xbox解体記である。
Xboxがあれだけ大きなデザインになっているのは、冷却を重視しているからだろうなと思っていた。つまり、中身はスカスカだろうと思っていたのだ。ところが上ぶたを開けてみると、まるで、小型のベアボーン製品の中身のようにびっしりと、一切の無駄なくつまっている。底部にマザーボード、その上にDVDドライブとWestern Digital製のハードディスクがトレイに乗って設置されている。
では、Xboxのスペックを再確認しよう。
基本システム:Windows 2000カーネル、DirectX API
CPU:Intel Pentium III 733MHz with Streaming SIMD Extensions
メインメモリー:64MB DDR SDRAM
グラフィクス:250MHz カスタム3D nVIDIA NV2A
サウンド:カスタム3D オーディオ・プロセッサ、256チャンネル、3Dオーディオ・サポート、Midi/DLS2サポート
メモリーバンド幅:6.4 GB/秒
ストレージ:2-5x DVD、10GB HDD、8MB メモリーカード
ネットワーク:10/100Base-TX
ポート:4 USB(コントローラ)
Xboxのアーキテクチャーは、MicrosoftとnVIDIAが共同開発したメモリーコントローラ+ビデオチップ「XGPU」を中心にCPUであるPentium III 733MHz、DDR SDRAM、「MCPX」へと広がっている。MCPXは、nVIDIAが開発したサウンド、ATAインタフェース(DVD、HDD)、Ethernet、USBコントローラなどを集積したチップだ。XGPUとMCPXの間は、400MHz/秒で全二重のバスで結ばれており、相互にスムースなデータ送信が可能になる。
CPUとXGPUの上には大きなヒートシンクが置かれ、XGPUの上には冷却ファンが設置されている。一見すると、無造作にパーツをつめ込んでいるようにも見えるが、CPUとXGPUの2つが並び、さらにすぐ上にハードディスクを設置している。熱を発するパーツを1カ所にまとめることで、一つの大きなファンで効率よく熱を排出している。この構造ならば、通風口から熱風がふき出ていても納得である。
何か障害が起きた時にXboxはどのような反応をするのかと思い、試しにいくつかのパーツを省いて起動させてみた。すると、ATAデバイスに問題があると、デバイスの読み込みを行った後、「カスタマーサポートに連絡するように」という画面が現れる。しかし、ファンが動かなくても、そのまま起動してしまうので、ファンの寿命に気づかないと、そのままXboxの寿命となってしまうかもしれない。
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| パーツに不具合があれば、この表示が登場。意外と親切 |
○Xboxはお茶の間制覇のためのトロイの木馬
短い時間で色々と試してみて、まず個人的に評価できた点は、Rezn8(
ハードディスクは、ゲームではメモリーカードの代わり程度でしか利用されていないが、今後ゲームの可能性を広げる可能性は高い。外付けとは違い、内蔵でユーザーが確実に8GBのハードディスクを持っていると分かっているため、ゲーム開発者の取り組みも違ってくるだろう。ただし、内蔵というのは、メリットもデメリットもある。ゲームのデータ保存のためだけならば8GBは十分な容量だが、Xboxを音楽サーバとしても積極的に使いたいという人には物足りない。今後、Xboxがゲームと音楽サーバ以外にどのような役割りをこなすようになるかは分からないが、現時点でもユーザーに使い方次第でHDDの容量に対する要求は変わっている。そうなると、できればユーザーが購入時にHDDの容量を選べるか、またはHDDを手軽にアップグレードできた方が親切だろう。
XboxがHDDを内蔵し、ブロードバンドにも対応することから、Xboxが.NET構想におけるリビングルームの重要な端末となるという声があるが、発売されたXboxを見る限りではMicrosoftが主張する通り、その位置づけはゲーム機以外の何者でもないと思う。100%ゲーム機としての成功を目指して開発されたという感じがする。それは、XGPUを中心としたアーキテクチャーにも感じられることだ。
だが、Xboxがゲーム機だとしても、.NET構想の中で重要な端末であることに変わりはない。Xboxの役割は、MicrosoftのOSをリビングルームに持ち込むための一穴を開けることだ。Xboxで大穴を開ける必要はない。Xboxに続くデバイスが入ってこれるだけのスペースを作れば良い。例えば、英PCFormat誌は、10月号でMicrosoftが開発しているというHomeStationのスクープ記事を掲載している(
HomeStationの真偽はともかくとして、MicrosoftがXboxの流れで、本当にHomeStationのような製品を出してきても驚かない。実際、すでにHewlett-Packardは56Kモデムを備え、ブロードバンドにも対応するデジタル・エンターテインメント・センター「de100c」を発表しているのだ。Xboxが成功したとしても、それはゲームというお茶の間家電の一角でしかないのだし、Microsoftが目指すお茶の間制覇には、Xboxに続くデジタル家電の成功が必要になる。
「とにかくリビングルームに入り込む」という使命を抱えたXbox。それも299ドルというアグレッシブな価格設定の理由の一つだろう。次のステップはネットワークである。Xboxでリビングルームでのネットワーク・コミュニケーションを実現しておけば、Xboxに続くお茶の間端末を引き込みやすくなる。そのためにはブロードバンド接続の普及、コミュニケーションのためのインタフェース、実現を促すタイトルの登場などが必要になる。順調なデビューを果たしたXboxだが、まだまだ課題は山積みなのだ。
(Yoichi Yamashita)
※Xboxの分解はメーカー保証外の行為です。実際に分解などを行って生じた被害について、編集部および著者は責任を負いません。また、内部構造などについて、全ての製品で同一であることを保証するものではありません。
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Xbox
http://www.xbox.com/
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