【レビュー】"世界最速ブラウザ" Opera 6.0 β1 レビュー

      [2001/11/19]
    Operaの起動直後の画面

    この度ノルウェーのOpera Software ASAから、同社のWebブラウザの最新版である「Opera 6.0」のβ1がリリースされた。OperaといえばHTMLレンダリングの速さや軽さなどから欧米ではマニア層を中心に一定の人気を得ており、またMDIベースのウィンドウスタイルはいわゆる「タブブラウザ」スタイルとして、他のブラウザにも大きな影響を与えた。ただそんなOperaも、従来のバージョンではShift-JIS以外の日本語ドキュメントが表示できない、ダイアログ内の日本語が文字化けするなど、日本語対応が大きく遅れており、そのため日本国内ではなかなかユーザを獲得することができなかった。そのOperaが今回のバージョンで内部が完全にUnicode(UTF-16)化され、その結果ついに日本語に正式対応したというので、日本語への対応状況などを中心にOperaの機能をレビューしていきたい。

    ○対応環境について

    今回公開されたのはあくまでもβ版で、対応するOSとしてはWindows95/98/ME/NT4.0/2000/XPの名前がアナウンスされている。とりあえず筆者の手元にあったWin98SEとWinXP(Professional)の環境にインストールしてみたが、どちらでも問題なくインストールが完了、動作することが確認できた。なお、以降の記述は基本的にWinXP Pro環境でテストした結果を元にしている。

    起動時に表示されるMDI/SDIの選択画面

    目を引くのは何といってもそのファイルサイズの小ささだ。現在公開されているのはJava RunTimeを含まないタイプのものだけなのだが、そのサイズは何と約3.3MB。この中にWebブラウザやメーラー、ニュースリーダー、そしてインスタントメッセージング機能が含まれるのだから、この点はどんどん肥大化してゆく他のブラウザも見習って欲しい。

    あと気をつけたいのは、Opera 6.0は確かに無料で利用できるが、それはあくまでバナー広告がウィンドウ内に表示される「広告付きバージョン」であるということだ。もしバナーが表示されるのが嫌なら、39ドルを支払って解除コードを入手する必要がある(なお、6.0正式版の公開時には日本円での支払いも可能になる見込み)だ。

    ○気になる日本語化はまだ発展途上

    さて、まず気になるのは、Operaの日本語化が果たしてどの程度のものか、という点だが、これは今のところ「設定さえきちんとすれば表示はできる」というレベルだ。

    設定画面を表示したところ。画面に出ているのは「Fonts and colors」の設定 ニュースリーダーの画面。題名表示部が文字化けしている

    最初に漢字コード(JIS/Shift-JIS/EUC)の自動認識だが、デフォルトの「Automatic Detection」ではどうやらHTMLの<META>タグによるcharset指定などに頼りきっているようで、筆者がテストした限りでも、charset指定がないHTMLを表示させた場合に文字化けを起こす現象が何度か見られた。ただこれはメニューの「View」→「Encoding」で「Japanese」→「Automatic Detection」を選ぶことでほぼ回避できるので、通常使用する分にはこちらの状態で使用したほうが良いだろう。

    また表示に使用するフォントも、デフォルト状態では英字フォントが設定されているため、特にフォームやボタンなどの表示部分で文字が汚く表示されたり、一部文字化けが発生したりする。これもメニューの「File」→「Preference」→「Fonts and colors」で日本語のフォントに設定しなおしてやることで回避できる。

    また筆者が試した限りでも、Personal Barに表示される検索窓で日本語が通らない、メールの題名に日本語を使用した場合に末尾の文字が抜け落ちる、ニュースリーダーの発言一覧で日本語の題名がうまく表示できないなど、いくつか不具合も確認されている。

    現段階ではメニュー等はまだ全て英語のままということもあり、率直なところ一般ユーザがインストールしていきなり使用するのは結構大変という印象だ。

    ○豊富な機能や設定項目

    Operaといえば、その軽さもさることながら、非常に多くの機能や設定項目を持つことでも知られる。Webブラウザ部分だけを見ても、[F11]キーを押すだけで切り替えが可能なフルスクリーンモードや、[F12]を押すだけで表示できる「Quick Preferences」、そしてPersonal BarにはGoogleを始め複数のサーチエンジン用の検索窓を表示させることができるし、終了時にはその時点で開いていたページの情報を保存、次回起動時に復帰させることも可能となっている。ページ上の単語を選択してダブルクリック/右クリックするとサーチエンジンや翻訳などをダイレクトに呼び出せる「Hotclick」機能も見逃せない。
    またメール機能も、複数アカウントの切り替えやPOP before SMTP、TLSによる暗号化機能など必要十分な機能が用意されているし、インスタントメッセージング機能は何と言ってもICQ互換だ。

    Personal Barの表示設定。「Show searches」ではGoogleを始めとする複数のサーチエンジンの検索窓を表示可能 [F12]を押すと表示されるQuick Preferences。サーバに送るブラウザ名をMozillaやIEとすることもできる

    設定可能な項目も多岐に渡る。Cookieの受け入れ設定もIE6.0と同程度の細かい設定が可能だし、拡張子との関連付けなども簡単。また最近のブラウザらしく、ボタンや背景などのスキンをMy Opera( http://my.opera.com/ )からダウンロードして変更することもできる。ただ逆に設定項目が多すぎて、最初は何がなんだかわからなくなってしまうかもしれないが……。

    現在の環境からの移行についても、OperaではNetscapeやIEのブックマークや、Eudora・Outlook Expressのアドレス帳をインポートする機能がついており、その気になれば比較的短時間で環境を移行することができるだろう。また今回の6.0からは、表示スタイルとして従来Operaが使用してきたMDIスタイル(1つの親ウィンドウの中に複数の子ウィンドウが開く)だけでなく、IEやNetscape同様のSDIスタイル(1つのウィンドウに1つのドキュメントだけを表示できる)も選べるようになったので、使用した際の違和感も少なくなるはずだ。なおMDI/SDIの選択は起動画面で行えるほか、設定画面でも切り替えることができる。

    ○一般ユーザは正式版を待つのが賢明か

    これまで見てきたように、Operaはさすが欧米のユーザーから一定の支持を集めるだけあって、非常に高機能かつ軽快なWebブラウザだ。サポートする規格もHTML4.01やCSS1、XHTML、HTTP/1.1などに完全準拠するほか、CSS2やDOM1、JavaScript 1.4を部分的にサポートするなど、W3C(World Wide Web Consortium)の勧告を極力忠実に実装するように努めており、その点でも安心して使用することができる。

    メーラーの画面。見た目や操作感はOutlook Expressなどに近い 「Hotclick」機能のメニュー。残念ながらまだ日本語-英語の翻訳には未対応

    ただ、今回テストしたOpera 6.0はまだβ版ということもあってか、機能的にはまだいろいろと不具合も目に付く上、メニュー等の日本語化もこれからという状況だ。今のところ日本語が通るようにするために必要な設定項目もあちこちに散らばっており、まだ一般ユーザに安心しておすすめできるレベルには達していない。一部のWebサイトの情報では、Win9x系では動作が不安定になる場合があるという報告もあり、今のところは正式版を待つのが賢明だと言えよう。しかし、先日、日本のユーザーズグループからOpera 6.0 beta対応日本語化ツールが公開され( http://www.moonstone.jp/ )、これを導入することによってヘルプを含めた言語リソースが日本語化されるので、興味のある方は導入してみるといいだろう。

    正式版ではメニュー等は全て日本語化されるということであり、また日本円での製品購入が可能になるなど、日本国内向けのローカライズが本格的に進められると思われるので、正式版の一刻も早い登場に期待したい。

    (佐藤晃洋)

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    Opera Japanese Users Group
    http://www.moonstone.jp/

    Opera Software ASA
    http://www.opera.com/

    *掲載しているスクリーンショットにつきましては、Opera 6.0 beta対応日本語化ツール( http://www.moonstone.jp/ )を導入していない、インストール直後の状態で掲載しております。

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