【Internet Conference レポート】音楽も演奏できるウェアラブルコンピュータや期待のテクノロジの発表が相次ぐ

      [2001/11/05]

    前回に引き続き、11月1日から2日にかけて大阪市立大学で行われた『Internet Conference 2001』の2日目の模様をレポートする。

    招待講演で説明を行う塚本氏。頭についているのはウェアラブルコンピュータ用のヘッドマウントディスプレイ

    まず最初に行われたのは、招待講演の『ウェアラブルコンピュータの実践』。講師の大阪大学・塚本氏は「ウェアラブルコンピュータの伝道師」として『週刊宝島』『DIME』など一般誌にもしばしば登場する有名人だが、今回も同氏は、現在利用中のウェアラブルコンピュータを装着した状態で登場。そんな同氏がこれまで実際に試作・使用してきたウェアラブルコンピュータの数々について、製作時の苦労話や実際に使ってみての体験談などを語ってくれた。

    また今回注目したいのが、現在同氏が使用中のウェアラブルコンピュータ3号機(CASSIOPEIA FIVA 206VLベース)で使用されている『ダブルリング』という指輪型のポインティングデバイス。これは指輪にTrackPoint状のポインティングデバイスを取り付けたもので2個1組で使用するのだが、2個のリングそれぞれが「行+段」を別々に方向で指示する(例:「さ行」+「お段」=「そ」)ことで高速なかな入力が可能。習熟した学生の中には毎分100字を超える入力を行う人間もいるという。

    この『ダブルリング』を利用し、「ベース音+和音の種類」という組み合わせで音楽演奏を行えるようにするシステムも開発中であり(既にWonderSwan上では動いているとのこと)、これから音楽業界等への売り込みも図っていきたいということなので、興味を持った方はコンタクトを取られると良いかもしれない。

    指輪型のポインティングデバイス・『ダブルリング』の説明画面
    ダブルリング』の使い方を説明している画面。画面右の中ほどにある2つの円が『ダブルリング』を使った文字入力画面

    続いて11時からは『Work In Progress』と題した、現在開発中の技術に関する中間発表とでもいうべき報告が行われた。

    中でも注目は『外国人等のための仮名訳機能つきHTTPプロキシおよびPOP3プロキシの開発』を発表した静岡県立大学・石川氏。自身が全盲の障害者でもあるという同氏は、自分が必要とする自動点訳システムの開発の一環として、仮名訳機能を持つProxyを開発したという。日本の点字は全てかな文字・表音表記ベースのため、今回発表された仮名訳機能は現時点では、表音表記主義となっている(例:「情報」は「じょうほう」ではなく「じょーほー」と変換される)。

    今後は日本語の学習を目指す外国人や、幼児や小学生向けに「一部の当用漢字を変換せずにそのまま表示する機能」や「表音表記ではない通常の仮名表記で変換する機能」などの開発を目指しつつ、その一方では公共機関などにより同機能を実装したProxyサーバを障害者向けに提供していくよう働きかけたいとしている。

    Yahoo! JapanのTOPを実際に仮名訳プロクシを通して変換してみたところ

    その他には次世代マルチキャストプロトコルとして開発中の『XCAST』や、無線ネットワーク向けのTCPプロトコルの改良案、DV映像の蓄積転送システムなどに関する発表が行われた。

    午後に入ると大規模WWWシステムの構築やトラフィック分析に関する発表が行われた。大規模WWWシステムに関しては、「リバースプロクシを拡張してコンテンツ公開の同期を取る」「DNS情報をフィルタリングすることでリクエストを振り分ける」「サーバ間相互でマルチキャストを使用しサーバ状態を交換、トラフィックを振り分ける」といった手法が紹介された。

    トラフィック分析では、今回の論文賞を受賞した『Detection of Network Faults and Performance Problems』が秀逸。これはネットワークトラフィックを数値解析して、ネットワークにトラブルが生じた場合にその問題を自動的に認識・警告を行うというもの。ネットワーク障害に対する迅速な対応を可能とするこの研究成果はぜひ今後の機器開発に生かしてほしい。

    また論文発表の最後を飾ったソニーCSL・西田氏の『TCPトラフィックの能動的な解析』では、現在米国に滞在中のご本人が、米同時多発テロの影響で帰国・出席できなくなるというアクシデントがあった。とはいえ発表はご本人の録音された音声とスライドで無事行われ、Win98/2000、linux 2.2.14、FreeBSD 4.3-RELEASEのそれぞれについてTCP/IP実装の解析を行い、その結果判明した問題点などが紹介された。

    最後には各賞の発表ならびに表彰が行われ、1日に発表済みの論文賞に加え、プレゼンテーション賞には奈良先端大・朝日放送・科学技術振興事業団のグループによる『WWWクラスタにおける同期を考慮したコンテンツ更新機構の設計と実装』が、デモ賞には上記でご紹介した静岡県立大学・石川氏の研究がそれぞれ選出された。

    デモ賞を受賞した静岡県立大学・石川氏
    プレゼンテーション賞を受賞した奈良先端大・西馬氏

    論文賞を受賞した埼玉大学・Hassan Hajji氏
    デモ賞の表彰の様子。右はプログラム委員長の寺岡氏

    また来年のInternet Conferenceが、東京大学弥生講堂において10/31・11/1の2日間開催される予定となっていることも合わせて発表された。

    (佐藤晃洋)

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    【Internet Conference レポート】宇宙ステーションとTCP/IP通信 - インターネットテクノロジの最新動向
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/11/02/07.html

    Internet Conference
    http://www.internetconference.org/

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