【レポート】ウィンドウとパーソナル・コンピュータの父来日! C&C振興財団シンポジューム「アラン・ケイ博士と語る『教育とデジタル・デバイド』」(1)

 

○C&C受賞のアラン・ケイ博士来日

 

NECの掲げるコーポーレートアイデンティティであるC&C(Computer技術とCommunication技術)を掲げた「C&C振興財団」は、NECの出捐(しゅつえん/寄付のこと)で1985年3月20日に設立された。設立以後、情報処理技術と通信技術の科学技術の奨励・助成を通じて、社会に寄与してきた。

2001年のC&C賞は、「Dynabook構想」で、パーソナル・コンピュータの現在と未来をさししめしたアラン・ケイ博士が受賞することになった。

受賞者であるアラン・ケイ博士が来日。C&C振興財団のシンポジューム「アラン・ケイ博士と語る『教育とデジタル・デバイド』」が、10月30日に、東京・青山にある国連大学のウータント・ホールにおいて開催された。

○アラン・ケイ、知ってるよね?

アラン・ケイ博士は、すでに相当著名だと思われる。パーソナル・コンピュータに関連する人間で、「アラン・ケイ」の名前を知らなかったら、相当なモグリだろう。と思っていたのだが、最近では、パーソナル・コンピュータは、通信能力をもち、より小ささを増し、携帯して片方の手で扱えるようになっている。

携帯電話で充分ということになると、当然、キーボードとディスプレイを備えたパーソナル・コンピュータなどというのものは、「過去の遺物」になりかけているといってもよいかもしれない。余談だが、TRONの坂村健教授は、「TRONにはパーソナル・コンピュータはない。コミュニケーション・マシンがあるだけだ」といっている。ということは、筆者はすでにパーソナル・コンピュータは使用していない、ということになる。

パーソナル・コンピュータが過去の遺物になってしまえば、過去の遺物を作ったのがだれか、などということは、誰も気にしなくなってしまうから、もしかすると「アラン・ケイ」を知らないという人もいるかもしれない。というわけで、ごく簡単にアラン・ケイ博士を紹介しておこう。

 

アラン・ケイ。1940年アメリカマサチューセッツ州生まれ。1966年コロラド大学にて数学と分子生物学の学位取得。1968年ユタ大学から電子工学修士、1969年コンピュータサイエンス博士号取得。ゼロックスパロアルト研究所、アタリ、アップルコンピュータ、ディズニーを経て、今回NPOのViewpoints Research Instituteを設立。

まず、このパロアルト研究所がすごい。

「SmallTalkを手がけ、アップルコンピュータに移ってからはマッキントッシュを手がけたアラン・ケイのほか、スター(ワークステーション)の前身アルト(1974年)のワープロを開発、マイクロソフトに移ってからはマルチプランやワード、エクセルを開発したチャールズ・シモニー、イーサネットを開発、その後スリーコムを設立したボブ・メカトルフ、アドビを設立し、ポストスクリプトを開発したジョン・ワーノック、携帯型コンピュータへの道を開いたグリッド・システムズのジョン・アレンビーなどがいた」(マイクロソフトの真実/宍戸周夫、中村悦二/発行元 にっかん書房/発売元 日本工業新聞社)。

つまり、現在のコンピュータのほとんどすべては、パロアルト研究所から生まれたといっても過言ではないくらいの研究所だったわけである。

1979年、次のコンピュータについて考えていたスティーブ・ジョブズは、ゼロックスのパロアルト研究所に見学に行く。そこでジョブズは、「アルト」と呼ばれるワークステーションで研究を行っていたアラン・ケイと出会い、アップルコンピュータにスカウトするのだ。

「未来を予測する最良の方法は、未来を発明することである」「マッキントッシュはダイナブックではない。しかし、初めて評価に足りるマシンが出てきた」など、アラン・ケイは、たびたびコンピュータの未来について語ってきた。

しかし、驚くべきことに、アラン・ケイ本人は、自分の言葉を本に残すことはしていない(論文集やインタビューを集めて一冊の本にしたものが、アスキーから、「アラン・ケイ」として1992年に発行されているだけである。

この話は、同じように本を書かなかったソクラテスやキリストを思わせる。本を書くのではなく、弟子や使徒を魅了することで、言葉だけではない感動や思考の深さを共有するのである。

現在、アラン・ケイが教育や音楽に熱心であることを考えあわせると、ますますアラン・ケイ=ソクラテス的なイメージが強調される。

寄り道が長くなった。

このアラン・ケイ博士が、現在、なおコンピュータの未来を示すことができるのかどうか、ということは、たいへんに興味深いものであった。携帯電話やデジタルカメラ全盛の現在にあって、さらなる未来とはどんなものか。

○コンピュータ革命はどこにあるか

アラン・ケイ博士の講演は、「The Computer Revolution Hasn't Happend Yet!」、つまりコンピュータ革命はまだ起こっていない、という演目で行われた。1400年ごろからのメディアの歴史(写本に始まり、グーテンベルグの活字印刷の発明、1950年代から起こったコンピュータなど)を簡単に振り返った上で、「真のコンピュータ革命は21世紀のいつか起こることであって、現在生きているわれわれはそれを体験することはないだろう」というのだ。

つまり、未来は子どもの中にある。

(美崎薫)

【レポート】ウィンドウとパーソナル・コンピュータの父来日!(2)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/10/31/18.html
に続きます

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【レポート】ウィンドウとパーソナル・コンピュータの父来日!(3)
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C&C振興財団
http://www.candc.or.jp/

ThinkQuest
http://www.thinkquest.org/

シンククエスト
http://www.thinkquest.gr.jp/



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