日本電信電話(NTT)と本田技術研究所は、自動車の走行中でもハンズフリーで、かつ快適に情報の取得や電話・メールへの応答が可能な「次世代車載情報提供システム」を共同で開発したと発表した。NTT研究所と本田技術研究所が昨年11月から共同研究を行っていた「車両・ネットワーク協調型情報流通技術」の成果であり、今後、同システムをベースにさらなる改良を行い、新たな情報流通サービスを2002年以降、順次実用化していくことを目標としている。
今回開発されたシステムはNTT研究所の最新ネットワーク技術やヒューマンインタフェース技術と、本田技術研究所の車両内情報技術を連携・融合させることにより、通信と音声対話をフルに活用した、具体的な情報提供サービスを想定してシステムが構築されている。システムに利用されている技術は「情報配信技術」「HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)技術」「情報制御技術」の3つ。また、車両とネットワークの情報のやり取りには、高速移動通信網(FOMA)が利用される。
情報配信技術では、位置・時間に応じた「地域密着型情報配信サービス」が実現される。車両が特定の位置(情報配信エリア)を通過する際、その車両は自車位置をネットワークに送信する。ネットワークの情報配信サーバは、送られてきた車両の位置情報から走行ルートを推測し、走行ルートやユーザーの嗜好に合わせたタイムリーな情報を配信する。時間や場所、走行ルートによって最適な情報が提供されるので、ユーザーだけでなく、情報配信側も無駄なく情報を生かせる。
HMI技術には、情報の利用・操作を、ユーザーがゆとりをもって行えるよう、ネットワークを活用した音声対話システムが利用される。車両とネットワーク双方には音声認識・合成エンジンが採用されており、特にネットワーク側にはNTT研究所が開発した総合的な音声認識のためのソフトウェアライブラリ「VoiceRex」と肉声品質に近い高品質な合成音声を実現する音声合成エンジン「FinalFluet」、そして音声対話シナリオが搭載される。これにより、電話経由での高精度な音声認識、抑揚のある自然な音声、会話内容によって柔軟に応答する自然な対話が実現される。それを利用して、音声による情報の検索が可能な「カスタマイズ情報検索サービス」が可能になる。同様に、運転中でもメールの受信、読み上げ、音声認識による返信といった「ドライバーズ・メールサービス」も提供できる。
さらに走行中の車両は、リアルタイムで道路状況などを先読みしており、自車の走行環境をチェックし、情報を制御する。たとえばドライバーがハンズフリーでの電話中、急カーブに接近するとドライバーと通話相手先に状況を通知、電話を一時保留にするなどといった通話制御を行い、ドライバーが運転に集中できるようにする。また、メールについても、道路環境などによっては、メール本文内の重要な部分のみを抽出して読み上げる。NTT研究所の「Intelligent BIFF」によって、重要文が抽出され、短時間でメールの要点が把握でき、運転の妨げにならない。
両社では、従来の車載情報提供システムにあった、運転中、情報の取得や利用がしにくいなどといった課題を、今回のシステムによって解決、いつでもどこでも快適に、リアルタイムな情報が得られることを目指している。
日本電信電話
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