Pinoの親が手塩にかける新型ロボット「Posy」

      [2001/09/18]
    新型ロボット「Posy」

    9月18日、東京・青山で開催された3Dデザインツール「Autodesk Inventor 5」の記者発表会において、松井龍哉氏のデザインによる新型ロボット「Posy」が披露された。

    松井氏は、科学技術振興事業団「ERATO 北野共生システムプロジェクト」で2足歩行ロボット「PINO」のデザインを担当。現在は今年1月に設立した特定非営利団体「IRoDA 国際ロボットデザイン委員会」の代表を務めるロボットデザイナー。その松井氏が現在取り組んでいる人型ロボットがPosyだ。

    Posyは、3歳くらいの女の子をイメージしたという人型ロボット。2足歩行タイプではなく駆動部をスカートで覆った車輪タイプ。具体的には、教会での結婚式で花束を渡す少女(フラワーガール)をモチーフにしており、このデザインのために松井氏自身も何度も教会に足を運んだという。スカートといっても、テムザックIVのような外装タイプではなく、ファッションディレクターによるやわらかな繊維のワンピースをロボットに着せたかたちとなっている。服・ボディとも純白だが、その中で頭の周りの花飾りが強調されている。

    Posyは、松井氏をはじめとするPosy Projectが、最小限の人数で2カ月前に開発に着手したとのことで、現段階ではまだ完成形ではない。ほとんどの基本設計は「Autodesk Mechanical Desktop」など既存ソフトで行ったが、統合には新ソフトAutodesk Inventor 5を用い、設計をつめた。立体で、かつ、フォルムを変える動的なもの、すなわちロボットのデザインには、従来ちょうどよいソフトがなかったという。松井氏は「いまデザイナーは、設計の合理化、スピード化、コストダウンを重視しており、デザイナー同士の会議などではしばしば使用しているソフトウェアが話題になる」とロボットデザインにおけるソフトウェアの重要性を説いた。

    Autodesk Inventor 5の特徴としては、アセンブリ操作性の向上、動作ビュワーとの連携、大規模アセンブリのサポートなどが挙げられる。デモンストレーションでは、Pogyのデータに動作をつける具体的な手法が紹介された。アセンブリの段階では、設計に無理が生じ、デザイナーとエンジニアが衝突するのが常だが、同ソフトではトライアル&エラーで早期に無理を発見することができるという。動作の部分でもそうだが、今回は衣服の素材が透けて内部が見えすぎてしまうため、早期に手を打つことができたとも言う。

    Posyと松井龍哉氏
    ブルーの立体の曲面上を手首の赤い球部分がなぞるように動作する

    実際のPosyのデモンストレーションでは、Posyが移動するところが披露された。先日オーストリアで、人間のダンサーと競演したショーが催されたように、すでに腕部(3自由度)や頭部も動作可能だが、まだ制御系の調整が済んでいないとのことだ。また、設計にまだ無理な部分があるため、Autodesk Inventor 5で再設計を行い、現実的なロボットにしていく予定。受付から会議室に案内するようなアナライジングロボットとして来年初頭の完成を目指す。松井氏の夢はさらに彼方、「30年後には、パリのオペラ座でプリマドンナとして人間とバレエを躍らせたい」と語る。基礎・応用・実用から産業にいたるプロセスで登場したデザインという切り口で、今後どのようなロボット文化が花開いていくのか楽しみだ。

    フラワーガールをモチーフにしたPosy

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