【レポート】注目度集まるアジアの最新動向 - CeBIT Asia2001

      [2001/08/20]

    8月8日から11日までの4日間、2001年亜州信息技術博覧会(CeBIT Asia2001)が、上海光大会展中心(Shanghai Everbright Convention & Exhibition Center)で開催された。主催はドイツハノーバーメッセ協会(Deutsche Messe AG)、中国の漢諾威展覧会有限公司(Hannover Fair China Ltd.)、中国側は中国国際貿易促進委員会電子信息行業分会の3団体。23の国と地域から、521社が参加して行われた。

    CeBITAsia会場入り口。地下鉄の駅から歩いて7~8分ほどの便利な場所

    開催地の上海は、中国における経済・金融の中心地。ここ数年、上海周辺にはハイテク工業団地が次々に建設され、海外からの投資や企業誘致に積極的だ。上海は改革開放政策のシンボルとして急速な発展を続けていると同時に、多くの人口を有する未開拓の有望な市場としても大きな注目を集めている。今回、上海で開催されるCeBIT Asiaは、展示会の運営では大きな実績を持つハノーバーメッセ協会が、その威信をかけてアジアで開催する最初のビックイベントである。

    台湾場ビリオン周辺。出展企業の3分の1が台湾企業。176社が出展
    ドイツ企業出展区画。ドイツハノーバーメッセ協会の威信が感じられる

    会場の上海光大会展中心は、上海の中心部から地下鉄で15分ほどのロケーション。中心部から外れるが、交通は非常に便利な場所だ。出展面積は11,501平方m、今回のCeBIT Asiaは3階立ての展示会のほぼ全館を利用して開催された。また、隣接するホテルでは8月8日と9日の2日間、CeBIT Asiaフォーラムが開催されている。

    本来、CeBIT Asiaは、現在建設中である上海新国際博覧中心(Shanghai New International Expo Center)で開催される予定だった。この展示場の建設は、ハノーバー、デュセッルドルフなどドイツで展示会を主催する企業と上海市の浦東新区土地開発公司との共同プロジェクト。完成すると17の展示会場とタワーが建設され、総展示面積は20万平方mの巨大な展示場となる。

    韓国パビリオン。韓国企業ではサムソンが大きなブースを出展していた
    レジェント(聯想)ブース。こちらも中国トップメーカーの威信

    この上海新国際博覧中心は上海の東、浦東新区という開発区にある。この地域は黄浦江の東側、時計台で有名な所謂バンド(外灘)と言われている地域の対岸になる。浦東新区は数年前までは一面に畑が広がり、開発が遅れた地域だったが、今では「1年行かないと風景が変わる」といわれ、テレビ塔や高層ビル群が立ち並び、急成長を遂げている上海を象徴する地域だ。残念ながら今年のCeBIT Asiaには間に合わなかったが、9,900万ドル(US)を投資した第一期工事が進行中。総展示面積45,000平方mなる4つのホールが11月に完成する予定だ。

    さて、第一回目となるCeBIT Asiaは、予想通りに国際色豊な展示会となった。その中でも特に台湾からの出展企業の多さが目立つ。出展企業数全体の3分の1にあたる176社が台湾企業の出展。中国企業の117社より多い。VIA、SiSなどのチップセットメーカーをはじめ、パソコンシステムの大手のマイタック、LCDモニターのADI、CD-ROM、DVDなどメディア関連製品のライテックやCMC、オフィス用品で台北では量販店を展開するオーロラなどが大きな独立ブースを構えていた。また、1階と2階には台湾企業のパビリオンが設けられ、多くの中小企業が出展。ブースの装飾や看板などを存在感のあるイメージで統一し、元気な台湾IT産業をアピール。1階にある台湾パビリオンは、フロアの半分近くを占有するほどの勢いだ。

    レジェントのデスクトップ。文字入力パネルとダイヤル式の入力デバイス
    マイタックは台湾ではエイサーに次ぐ大手パソコンメーカー。OEM企業でもある

    台湾以外では、CeBITらしくドイツ企業の多さも目立つ。海外からの出展企業数では2番目に多い41社が出展している。シーメンスなど大手企業をはじめ、台湾パビリオンと同様、ドイツ企業の出展区画が設けられていた。他にパビリオンを出展していたのは、韓国、香港、シンガポールなど。いずれも中小企業が中心。日本企業では、京セラ、松下などが出展。1階の中央に設けられた松下のブースでは、携帯電話、液晶テレビ、デジタルビデオ、DVDステレオなどが展示。特に、ヘッドホン型ステレオ、MP3プレーヤー、プロジェクタ、SDカーステレオなど、SDを使った関連製品を紹介するコーナーは関心が高かったようだ。また日本企業の場合、中国や香港に設けた法人名義で出展している企業も少なくなく、これらは日本企業としてカウントされていない。

     
    SiSは天使コスチュームのコンパニオンが会場内を歩き回っ て団扇をプレゼント。一方VIAはにぎやかなステージパフォーマンスで対抗

    中央入り口の左手で、多くの人を集めて常に混雑していたのがレジェンド(聨想)のブース。レジェンドは中国でトップシェアを持つ大手パソコンメーカーだ。デスクトップ、ノートブック、PDAなど、トップメーカーらしく充実した出展内容。特に、手書きボードとジョグダイヤルをキーボードに備えたデスクトップパソコンやGPS機能を搭載したPDAに関心が集まっていた。中国全体のパソコンの市場規模は、およそ1,000万台。台数では日本の国内市場に匹敵する。しかし、ノートブックパソコンは、コンシューマにとってまだまだ高嶺の花。市場はデスクトップが主流だ。展示会でもこうしたデスクトップの新製品に注目が集まる。

    主催者側の発表だと、4日間の会期中の来場予定者数は85,000人。初日はオープニング直後から人でいっぱいになり、昼過ぎからはさらに来場者が増え、会場はひじょうに活気に溢れていた。3時過ぎに激しい雷雨があったにも関わらず午後も多くの来場者で賑わい、その人出は夕方まで続いた。コンシューマらしき来場者は比較的少なく、来場者のほとんどがビジネスマン風。

    初日は一日中たいへんな人手だった

    また、外国人来場者も多く、日本から視察にきている人も多く見かけた。ドイツ産業見本市日本代表部代表の佐々木氏によると、「日本パーソナルコンピュータ協会がミッションを組んで視察。他にもたくさんの日本人が来ている」とのコメント。残念ながら中国人と台湾人を見分けることは難しかったが、台湾から来ているビジネスマンも多かったはず。上海で合流した友人は「上海行きの飛行機は、ここ数日ほぼ満席の状態。予約が難しかった」と話す。会場でもいたるところで台湾語が飛び交っていた。

    台湾電子時報の記者によると「中国がWTOに加盟すると5年以内にはアメリカに次いで世界第二位のIT市場になる。2010年には世界第一にIT市場となるだろう」と予測。市場としての可能性を模索していく上で、またIT関連製品に限らず「世界の生産工場」になった中国の動向を知る上で、CeBIT Asiaは内外から非常に注目されている展示会であるということが言えるだろう。

    (吉村 章)

    Deutsche Messe AG
    http://www.messe.de/

    ○参加企業数
    国名 出展企業数 出展面積(平方m)
    台湾 176 3109
    ドイツ 41 1595
    香港 34 742
    イギリス 32 483
    シンガポール 26 332
    アメリカ 18 362
    韓国 17 273
    イスラエル 13 9
    タイ 13 112
    スペイン 10 204
    日本 7 304
    オーストリア 5 84
    スウェーデン 3 81
    インドネシア 1 90
    イタリア 1 80
    ベルギー 1 35
    オーストラリア 1 30
    スイス 1 12
    スロベニア 1 11
    インド 1 9
    マレーシア 1 9
    オランダ 1 9
    上記外国企業合計 404 7975
    中国(国内企業) 117 3526
    出展企業合計 521 11501

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