【レポート】携帯電話の用途を拡大せよ、8,000万台の壁に挑む、通信業界のあの手この手(2)

  [2001/08/08]

NTTドコモによると、現在、国内には7,000万台の自動車があるが、そのうち一般乗用車は5,000万台。同社は、その8割にあたる4,000万台がテレマティクスのターゲット市場と考えている。8,000万台の普及飽和点が、これによって1億2,000万台まで拡大するという試算なのだ。また、電気通信技術審議会の答申では、ITS(テレマティクス)の市場規模は、2000年には9,000億円だったものが、2015年には7兆3,600億円にまで拡大すると予測、同時に107万人の雇用創出も実現するとしているのである。

このテレマティクス普及には2つのポイントがあるという。ひとつは、あまり検索に時間をかけなくても、趣味、嗜好にあわせた情報を快適にタイムリーに、そしてリーズナブルに得られる仕組みが必要だという点だ。通信技術としては、iモードで採用したパケット通信技術を採用、さらに、FOMAの高速データ通信技術を組み合わせることで、ブロードバンド型のコンテンツの伝送も可能になる。あとは、コンテンツの充実と、検索方式などの改善ということになるだろう。

もうひとつは、iモードとカーナビとの接続をいかにシームレスに行うかという点だ。平日は携帯電話として利用し、自動車を利用する週末はカーナビとして利用するという仕組みづくりも必要で、これにより、携帯電話の1-2年という買い換えサイクルと、自動車/カーナビの5年以上の買い換えサイクルとのギャップを埋めるという狙いもある。NTTドコモでは、2004年にはFOMAが全国ベースで普及段階に突入することから、iモードカーナビも、このタイミングを狙った普及戦略をすすめていく考えである。

また、同社では、「カーナビ端末の価格は10万円以下、できれば5万円台が望ましい」といった点にも言及しており、「この点では、今後、メーカーと話し合いをしていくことになるだろう」という。

一方、もうひとつの次世代携帯電話への取り組みでは、今年10月にも本格サービスが開始されるNTTドコモのFOMAをはじめとする第3世代移動体通信および2010年を目標にすすめられている第4世代移動体通信、その中間ともいえる3.5世代移動体通信によるトラフィック量の増大が課題である。

NTTドコモをはじめとするキャリアの収益は、トラフィック量の拡大によって支えられてるといってもいい。NTTドコモでは、「2005年には音声と非音声の比率は50対50に、2010年には音声が20-30%に対して、非音声は70-80%になるだろう」(NTTドコモ・大星公二会長)と予測、FOMA事業で最重点課題に掲げているのが、高速データ通信を生かしたトラフィック量の増大による収益確保であるという点でも、それは明らかだ。

7月末現在のiモードの加入者数は2,608万5,000。さらに、EZwebおよびEZaccessの818万4,900、J-skyの789万6,800と合わせると4,216万6,700加入に達する。すでに、データ通信を行っているユーザーは、携帯電話契約者数の過半数を突破していることになるのだ。

現在、第3世代の移動体通信は、NTTドコモが今年10月から関東地区でサービスを開始を前に、今年5月から試験サービスを4,500人を対象に実施しているのは周知の通りだ。これが今年12月には東海、関西地区に、来年4月には全国主要地域にまで拡大する計画だ。また、J-PHONEも来年6月に関東地区でサービスを開始、来年10月には全国主要地域で利用できるようになる。また、KDDIも来年9月には関東、東海、関西地区でのサービス開始を予定し、来年3月には全国規模で利用できるようにする。

第3世代では、最大384Kbpsでの高速データ通信を可能にするが、3.5世代として、IMT-2000の機能を拡張することで、上り、下りともに2Mbpsにまでの高速データ通信を実現することを予定している。これにより、モバイルブロードバンドが本格的に実現されることになりそうだ。

また、第4世代に関しては、今年6月に情報通信審議会の答申を受け、政府が基本コンセプトをITUに提案した段階であり、実用化はまだ先の話になる。政府では、e-japan重点計画のなかでも2005年までに第4世代移動通信システムに必要な要素技術を確立し、2010年までにこれを実現することを目標としているが、早ければ2007年にも一部実用化されるとの見通しも出ている。

第4世代では、下りで50-100Mbpsの速度を実現、企業内、家庭内といった屋内や、渋谷ハチ公前、新宿アルタ前など携帯電話の集中使用が行われているホットスポットなどでは高速無線LAN技術と組み合わせることも視野に入れている。

別の側面から見れば、日本が世界において技術仕様面、ビジネスモデルの構築といった点でリードすることが可能な分野のひとつが次世代通信である。そのため、キャリア以上に、政府が力を入れて次世代技術仕様の開発に力を注ぐという図式も見られる。

だが、問題なのは、これまでほとんどなにも干渉してこなかった政府が、キャリアの次世代携帯ビジネスなどに干渉しようという動きが見え隠れする点だ。このあたりのキャリアと政府のせめぎ合いも、見逃すことができないだろう。

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【レポート】携帯電話の用途を拡大せよ、8,000万台の壁に挑む、通信業界のあの手この手(1)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/08/08/16.html

(中上真吾)



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