ホーキング教授のための新しい音声合成装置「ホーキング・コミュニケーター」

      [2001/07/31]

    インドのTimes Computing Online( http://www.timescomputing.com/ Indians poised to create Hawking Communicator )によると、ムンバイ(ボンベイ)にあるネット・ラジオフォニー・インド社(Net Radiophony India) は、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング教授のために音声合成ソフトを開発している。

    ホーキング教授は筋萎縮性側索硬化症(ALS:筋肉に血液を供給する神経が侵され、筋肉が衰えていく)にかかっており、1985年に肺炎を患った際、気管切除によって声を失った。そうした困難にも拘わらず、ホーキング教授はDOSベースのコンピュータによる音声合成装置を使い、宇宙についての深い洞察を語り続けている。

    同記事によるとホーキング教授が1月にムンバイで行われたStrings 2001 Conferenceに出席し、またデリーでアルバート・アインシュタインについての講義を行った際、アッルーン・メータ教授とビクラム・クリシュナ氏という二人のソフトウェア・エンジニアと知り合うことになった。それがきっかけとなりネット・ラジオフォニー・インドがホーキング教授のための新しい音声合成装置(ホーキング・コミュニケーター)を開発することとなったという。

    開発元のネット・ラジオフォニー・インド社のリリース( http://www.radiophony.com/hawking.html )によると、従来の音声合成装置の場合、利用者がまずコンピュータにテキストを入力し、それを音声で再生する方式がとられている。しかしこの方式では利用者が直面する入力の困難さや操作の困難さを克服するものではない。

    障害を持ったユーザーにとってキーボードやペン、そしてマウスといった周辺機器は事実上ほとんど役に立たない。この問題を解決するためには、単純にクリックのみで操作可能な(単純なオン・オフのみで操作可能な)デバイスを用い、より簡単に文字入力が可能とならなければならない。加えてスクリーンに表示されるコマンドを用いて入力作業を行えるようにする。これによって、現在の1分間あたり12単語よりもすばやい入力が可能になるという。

    ホーキング・コミュニケーターの開発は現在GPLライセンスに基づいて行われ、sourceforge.netで取り上げられている。つまり世界中から、インターネットを通じてホーキング・コミュニケーターの開発への参加が可能であるということだ。インドでのホーキング教授とソフトウェア・エンジニアたちとの出会いが、世界に広がり、また同様の障害を持つ人たちへの希望へとつながっていくのだ。

    Times Computing Oneline
    http://www.timescomputing.com/

    Net Radiophony India
    http://www.radiophony.com/

    (桐生霧)

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