アナログ・デバイセズ、二重の省電力機構を備えたDSP「Blackfin」を発表

  [2001/06/11]

アナログ・デバイセズは、電圧と周波数の両面から電力消費を抑える機構を備えたDSP「Blackfin」ファミリを発表した。主に動画処理能力にすぐれ、MPEG2、MPEG4などの圧縮が容易にできるようになっている。また、内部に制御機構を備えており、信号処理だけでなく、各種制御も可能という特徴を持つ。今回発表されたのは、汎用チップにあたる「ADSP-21535」で、サンプル出荷は2001年9月、量産出荷は2002年第1四半期を予定している。

この製品は、インテルと共同開発したコア「マイクロ・シグナル・アーキテクチャ」を用いている。通常、DSPは信号処理に特化している事が多いが、同チップは信号処理と制御処理を同一チップ内で行うことを前提として開発されており、MCU(マイクロコントローラユニット)も内部に組み込まれている。USBやPCIへ接続するためのインタフェースも備えており、ワンチップ上で小型のマイクロコンピュータの仕組みが一通り実装されたようなアーキテクチャとなっている。この仕組みにより、従来ならDSPとMCUを複数組み合わせて実現していたようなエンドプロダクトも、同チップ1枚で実現可能になる。

また、同社は、同チップを使用するためのプログラムを組みやすくすることも念頭においている。今回の発表に先だって、同社のDSP制御プログラム開発ツールの「VisualDSP++ Relase 2」を新たにリリース、統合環境のもとで同製品の制御プログラムが作成できるようにしている。

Blackfinファミリは、同ツールとの組み合わせで「パフォーマンス・カウンタ」という機能を使えるようになっている。これは、制御プログラムのそれぞれのルーチンにおいて、必要とする処理速度を、統計的にプロファイリングしてくれるというものだ。

この機能の利点は2つ。1つ目に、平均的に大量処理を必要とするルーチンを発見できれば、効率よくプログラムのスピードアップが可能となる点が挙げられる。同チップでは、基本的にC言語やC++を用いてプログラムできる。これらは比較的速いプログラミング言語ではあるものの、アセンブラと比べれば遅い。しかし、アセンブラですべてプログラミングするには時間がかかる。そこで、基本的にはC言語でプログラムを開発しておき、特別に処理速度を必要とするルーチン部分だけアセンブラ言語で開発することで、高速なプログラムを効率よく作成することができる。

2つ目には、処理速度にあわせた効率よい電力供給が可能となる点がある。同チップは、専用の電源制御ICと組み合わせることで、周波数と電圧を動的に変化させることができるという機構を持っている。AMDのPowerNow!テクノロジの自動モードに近い仕組みだと言えるが、PowerNow!ではCPUを監視するのに対し、同チップの場合、全体の処理をプロファイリングした結果にあわせて機構が動作するようになっている。つまり、プログラムのオペレーションに必要な速度をあらかじめ算出するという方法を採るわけだ。

今後は、デジタルカメラ用チップ、ブロードバンド用チップなどを発売して「Blackfin」のラインアップを広げつつ、2002年末までには1GHzを超える動作周波数のチップを開発していく予定だ。

アナログ・デバイセズ
http://www.analog.com/

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