【レポート】NTTドコモ、FOMAの試験サービスと今後の展開についての詳細を発表

      [2001/04/26]

    既報のとおり、NTTドコモは次世代移動通信サービス「FOMA」の本格サービス開始時期を10月1日からとし、5月30日から9月30日までは4,000契約限定の試験サービスとすることを正式に発表した。この試験サービスや、今後のFOMAの動向について、発表で明らかになった部分を詳しくお伝えしたい。

    発表を行う立川社長
    今回発表された端末。左からFOMA N2001の2モデル、FOMA P2101V、FOMA P2401

    今回、従来の発表内容とは異なり、5月30日から本サービスではなく試験サービスを行うこととなった。この背景には、iモードサービスで頻発したネットワークのダウンなどの問題や、503iシリーズでの不具合があるという。新しいサービスを開始するにあたって、こういったネットワークや端末などでさまざまな不具合が生じることは十分にありえることで、IMT-2000のサービスを世界に先駆けて開始するドコモにとって、安定したサービスを円滑に、かつ確実に導入するためには、試験サービスが不可欠であると判断した。その目的としては、システムの運用実績、ユーザーの利用意見などを踏まえたサービス品質の改善、操作性に関する評価などの把握を通じた、サービス内容の充実といった2点が挙げられる。

    同社によれば、すでにサービスエリア内における約200局の基地局やネットワークなどの設備構築は終えているが、回線交換機や端末などのソフトウェア的な不具合(バグ)があり、試験サービス開始までにそれの解消を図るとともに、実際の利用によって新たな不具合が表われてこないかを見極めていくという。

    試験サービスでは、現行提供されているサービスの多くは利用できる。基本サービスとしては、音声通話、TV電話、64Kデジタル通信、パケット通信、ショートメッセージ、マルチアクセス。付加サービスとして、iモード、映像配信、mopera、留守番電話などのサービスが用意される。気になる通信料は、試験サービス期間の通信料については、例えば通話モードで携帯電話にかける場合、平日昼間は14.5円/30秒など。64Kデジタル通信モードでは26円/30秒などとなっている。パケット通信は1パケット(128バイト)あたり0.05円と、現行のパケット通信料0.3円/パケットの10分の1近くに下がる(表1)。また、料金体系は、本サービス時には料金プランをいくつか用意し、さらに定額制も導入するという。この価格について、同社代表取締役社長・立川敬二氏は「(試験サービスでの)利用者からの需要によっては、価格の変動があるかもしれない」と述べる。

    表1
    FOMA発信時(円/30秒)
    着信先・ドコモ及び他事業者の携帯電話
    ・FOMA
    固定電話ドコモ及び他事業者のPHS
    通信モード距離区分標準タイムお得タイム標準タイムお得タイム標準タイムお得タイム
    通話モード同社営業区域内14.510.013.09.019.013.0
    同社営業区域外16.011.014.510.0
    64Kデジタル通信モード同社営業区域内26.018.023.516.534.023.5
    同社営業区域外28.520.026.018.0
    ※標準タイムは平日午前0時~午前1時、午前8時~午後12時、お得タイムは平日午前1時~午前8時、土日祝の終日
    ※他事業者の携帯電話への着信は、「営業区域外」の通信料が適用される。 ※「営業区域内」には営業区域隣接県を含む。
    FOMA着信
    現行携帯電話、固定電話及びPHSからFOMA着信の通話は、現行の通話料が適用される。また、これらからFOMA着信の64Kデジタル通信については、現行の通話料の約1.8倍の料金が適用される。

    FOMAの最大の特徴は、上り64Kbps、下り384Kbpsという高速な通信速度。それを存分に利用するため、ドコモではFOMAにおいて各種サービスを提供していく。

    例えばiモードでは、メールに静止画や音楽を添付可能になり、送信メール文字数が最大全角5,000文字まで拡張される。また、503iシリーズで好評のiアプリも利用可能。TV電話では、多少通話料の高くなる64Kデジタル通信モードによって行われるものの、ビジネスや個人で、いつでもどこでも相手の顔などを見ながら通話ができるようになる。

    また、通話しながら同時にパケット通信が可能な「マルチアクセス」も大きな特徴だ。イヤホンマイクなどで通話を行いながら、iモードで各種コンテンツを閲覧することができるのだ。そのほか、映像配信サービスでは、PHSですでにサービスが開始されている「M-stage visual」が提供される。

    今回の発表について立川社長は、事実上の延期ではないかという記者団の質問に対し、繰り返し「延期ではない」と答えている。これは、前述のように、内容を限定した試験サービスの提供は、新サービス開始直後の不具合を避けるためには不可欠であるという理由からで、「こういった新サービスを導入するときの新しい方法で、今後は、他のキャリアにも教えてあげたい」(立川氏)と、その有効性を強調し、延期ではなく、展開の段階を分けた、という認識を示す。

    展開の段階について、同社のロードマップによれば、5月30日から10月1日までが試験サービス(「導入期サービス」)で、2001年10月1日からの「拡大期サービス」では、国道16号線圏内でサービスを提供し、その後2001年12月からは「全国展開期サービス」で、はじめに名阪地区でサービスを提供し、2002年3月には全国主要都市で展開していくとする。この2002年3月の段階で、人口カバー率は60%、契約数は低く見積もった数字で15万契約を予定している。

    サービス開始後3年となる2004年3月には、人口カバー率97%、600万契約が目標。この間の設備投資は、目標契約数に対し1年前倒しで増強を続け、3年間で1兆円程度の投資を行い、2004年3月には、契約数が1,500万でも堪えうる程度まで増強していくという。

    また、サービスとしては、iモードによる映像のクリッピングサービス「iモーション」、音楽配信サービス「M-stage music」、同一番号で、現行のPDC携帯電話とFOMAを使い分けることのできる「デュアルNW(ネットワーク)サービス」、IMT-2000の特徴でもある「国際ローミングサービス」が予定されている。

    このうち、国際ローミングサービスは、イギリスやアメリカでW-CDMAのサービス開始を予定している2002年以降になるという。韓国については、日韓で共同開催されるサッカーのワールドカップまでにサービスを開始するようドコモとしては求めているというが、今のところ開始時期はわからないとのこと。また、当初提供されるFOMA端末には、国際ローミング機能はない。

    同社では、このFOMAサービスを「データ通信を多く使うユーザーに最適」とし、特にサービス開始当初は法人をメインに想定しており、発表会で放映されたFOMAのビデオでも、ビジネス利用を強く意識したソリューションが提案されていた。

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    NTTドコモ
    http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/01/whatnew0426.html

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