【レポート】大きく変わるプリンタの位置付け--パソコンの周辺機器からの脱皮が始まる(1)

      [2001/03/28]

    プリンタメーカー各社が、プリンタの新たな利用方法の開拓に乗り出そうとしている。ここでいう新たな利用方法とは、これまで、パソコンの周辺機器のひとつとしての役割を果たしていたプリンタが、パソコンを介さずに、様々な機器と接続するという使われ方に広がってくるという意味を指す。

    すでに、一部メーカーでは、デジタルカメラとプリンタを直接接続するといった使い方を狙った製品が登場しており、業界団体でも「今後はパソコンと接続しないプリンタの利用が広がることになる」と予測している。

    本題に触れる前に、現在のプリンタ市場の規模を見てみよう。先頃、コンピュータ産業の業界団体、電子情報技術産業協会が明らかにした情報端末装置に関する市場調査報告書によると、プリンタ市場は、全世界で8,690万台(同20%増)、金額では4兆2,607億円(同9%増)。国内では、805万6,000台(同30%増)、5,601億円(同14%増)となった。方式別で最も大きな比重を占めているのは、インクジェットプリンタで6,369万台、前年比24%増。これに対して、ページプリンタは、1,169万台(前年比2%増)、MFP(マルチファンクションプリンタ)で747万台(19%増)、ドットマトリクスが410万台(5%減)となっている。

    ページプリンタのなかではカラープリンタの販売比率が注目されるが、前年比32%増の71万台と伸び悩んだ格好だ。安価な新製品の投入によって、市場拡大が期待されたものの、カラー用途やカラーコーディネイトの方法などの用途提案が浸透しなかったことが伸び悩みの原因としている。

    一方、最も比率が高いインクジェットプリンタは、コンシューマ利用だけに留まらず、企業での利用も増加しており、国内で641万4,000台(同37%増)と、最も好調な動きをみせている。だが、金額ベースでは、22%増に留まり、「世界各地の動向と比較しても、日本におけるインクジェットプリンタの価格下落は最も激しい」(同協会)という状況だ。

    こうした数値を見る限り、プリンタの需要は堅調な伸びを示しているといえる。だが、こんな数値も出ている。パソコンショップの売上POSデータを直接集計しているBCN総研の調べによると、パソコンの販売台数に比較して、プリンタの販売台数は減少傾向にあるのだという。同社の調べによると、99年には、パソコンの販売台数に100に対して、プリンタの販売台数は60-70で推移していたという。ところが、2000年では50-60と減少傾向を示し、パソコンの販売台数の増加に比例していないということがわかった。これは、パソコンを買ってもプリンタを購入しないといったユーザーが増加していることを示しているのではないだろうか。

    インターネットを使用することを目的としたパソコン購入が増えているだけに、プリンタまではいらないといったユーザーが増えているのかもしれないし、パソコンは買い換えても、プリンタは買い換えないというユーザーが出ているのかもしれない。また、企業などでは、1台のプリンタに複数のパソコンを接続して利用するといった使い方が一般化しているが、個人においても、同様の使い方が出てきたという見方もできる。

    事実、プリンタの買い換えサイクルは、メーカーなどの調べによると、欧米の2.2-2.4年に比較して、日本は2.8年とやや長い。米国ではインクジェットなどで1万円以下のプリンタが主流になっているに対して、日本は2万円台が中心だ。なかには、定価5万円台のプリンタが品薄を起こすという高級指向ぶりもみられているほど。日本は欧米に比べて、高機能モデルを長く使うという傾向があるといえるだろう。

    いずれにしろ、パソコンの周辺機器という位置づけだけでは、プリンタの販売台数の伸びは、頭打ちになってくるだろうとの判断が、メーカー側でもなされているようなのだ。そこで、各社が目をつけているのがパソコン周辺機器としてのプリンタからの脱皮ある。つまり、パソコンを介さないで、プリンタを利用してもらうという新たな利用シーンの提案ということになる。

    (中上真吾)

    【レポート】大きく変わるプリンタの位置付け(2)に続きます
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/03/28/09.html

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン