【レポート】AssistOnから始まる未来生活(2)

      [2000/10/03]
    ○未来へのイメージが爆発した1980年代

    2000年で35歳になる大杉さんは、大学では薬学を専攻していた。ショップ経営とは、まったく異なる分野である。1980年代後半に、「いろいろなメディアが集まってくる」コンピュータや、「コミュニケーションが変わりつつある」という刺激を受け、なにか新しいものが生まれてくるのではないか、とワクワクした時代を過ごしていたという。

    当時マッキントッシュでは随一との評判もあった、秋葉原のイケショップに勤めていたのだそうだ。イケショップでは、アップルが発売したNEWTONを扱った。

    ○NEWTON、道具、そしてAssistOn

    道具が手元に近づいてくる、というイメージを、NEWTONはPDAというコンセプトで具現化した。「NEWTONは、パーソナルな道具として使えるんじゃないか」と大杉さんは感じた。

    だが、マッキントッシュを扱うイケショップでは、NEWTONでさえ扱いにくい。そこで、独立した大杉さんは、NEWTONを扱うNEWTONショップを開く。「AssistOnは、NEWTONショップの延長線です」、と大杉さんはいう。AssistOnには、おもちゃから鞄、アジアングッズまで幅広い商品がセレクトされている。これらは、「いろいろなものがクロスオーバーしてくる」楽しさを満喫できるように選ばれている。

    BOBLBE-E。スウェーデンからやってきた、アーバンバックパックシステム。ノートコンピュータを入れるのに最適。荻窪圭さんも使っていた。
    Climb@Tron(壁のぼりロボ)。動きのおもしろさで、つい買ってしまった吸盤の力で壁面を登るロボット。吸着可能であれば天井も歩く! ホンダのP3も圧巻の2足歩行である。そういえば、昔のおもちゃロボットも、2足歩行していたなぁ。


    ○触って楽しめる商品

    商品が箱から取り出されて展示され、触って楽しめることもAssistOnの特徴だ。本ならじっくり立ち読みができるとうれしいものだが、AssistOnなら商品を触ってから購入できる。

    たとえば、「LEGO Mindstorms ROBOLAB」という商品がある。LEGOをMacやWindowsとつないでコントロール!して楽しめるという商品だ。だが、これを実際にiMacにつないで、いつでも使えるようにしてあるショップというと、日本でここしかない。名前は有名な「Mindstorms」を手にとって見られるのは、楽しいものだ。

    と、その隣にあるiMacには、革のカバーがつけられている。AssistOnを開いてから、この革カバーを持ち込みされて、それを展示しているのだという。オーダーメード製品。

    イギリス製の電子版「レゴブロック」ともいえるロジブロックス。別のコーナーには、WindowsやMacとつながるレゴもあった。
    受注生産の革のケースのついたiMac。背中についているのは、放熱対策のためのファン。

     

    メーカーなどの持ち込み品も多い。アームレストは富山の技術者が作ったコットン製。手触りが非常によい。

    コンピュータの周辺機器(?)コーナー。壁掛けで、全部手にとって見れる。右端にある細長い棒が、EarthFieldのアームレスト。上品な色で肌に馴染む布地を使った、キーボードの手前に置いて使う腕まくら。富山の技術者が作った。
    100%ペットボトルで作られた大型のゴミ箱。色や素材感もいいが、コンピュータを使うと紙が大量に出るもので、このサイズも使い勝手がよさそう。
    シリコン製のマウスパッド。使い心地が最高に心地いいらしい。

     

    作者の思い入れが示されているような商品が、AssistOnには、多い。革やコットンなどのように、素材自体が、従来のコンピュータにはなかったものも多い。素材のバラエティさに、未来生活の一端を感じてしまう。未来のコンピュータが、いつまでもプラスチックと金属でできているはずがないからだ。

    買いに来るユーザーにも、リピーターが多い、という。ユーザーをつなぐメールニュース紙を発行していて、そこから出てくるユーザーの声を反映した商品選びも行われている。

     

    ○自分のスタイルというコンセプト

    折り畳みの自転車まであった。

    デパートやスーパーのように、大量に仕入れて大量に売る店があってもいい。そのいっぽうで、AssistOnのように、「目利き」が選んだ厳選した品を、じっくり売る店があってもいい。

    コンピュータだからといって、特別にかしこまって売るのではなく、機能だけで売るのでもない。マグカップと同じスタンスで買えるコンピュータがあるのなら、マグカップと並べて売ってもいい。それが、AssistOnのスタイルなのである。

    AssistOnのスタイルは、秋葉原に違和感を感じるけれど、自分なりのスタイルをもってコンピュータを使いたい、というユーザーにとっては、しっくりくるコンセプトなんじゃないかと思う。



    順天堂大学の平松啓一教授は、「サイエンスでは、コンセプトがもっとも大きな価値があるのです。新しいコンセプトを提供する論文が最も価値の高いものであり、従来のコンセプトに合ったデータを提供する論文は、あまり重要でありません」と語っている。

    新しいコンセプトが必要とされるのは、サイエンスだけではない。コンピュータショップにおける新しいコンセプト「生活にとけ込むコンピュータ」は、未来生活の第一歩だ。

    原宿、東郷神社、明治通り、そこがAssistOnである。コンピュータを秋葉原で買うことに、どうも違和感を感じてしまう女のこたちには、ぜひ足を伸ばしてみてほしいショップだ。日本の未来は女のこが握っているからだ。


    (美崎薫)

    関連記事 - 【レポート】AssistOnから始まる未来生活(1)
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/10/03/15.html

    AssistOn
    http://www.assiston.co.jp/

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