【Seybold2000】となり合わせで火花を散らすMSとAdobeのEブック争い

 

今回のSeybold San Franciscoのメイントピックスは電子出版である。その中心がマイクロソフトとAdobe。この2社のブースはななめ向かいに並んでおり、それぞれがMicorosoft ReaderフォーマットとPDFというEブック向けのフォーマットをアピールしていた。

Microsoft Readerの諸機能を説明するMSのブース

Barnesandnoble.comに加えてAmazon.comとも販売提携を結んだマイクロソフトは、豊富な対応書籍を主張。さらにThinkPadとHPのPocketPCを用意し、クリアタイプによる読みやすさと"本よりも便利な"ソフトウエア操作をデモンストレーションしていた。

電子出版向けに改良が加えられたデスクトップ版のReaderは確かに使いやすい。「しおりをはさむ」「ハイライトをつける」など紙の書籍での読書作業がそのまま取り入れられているだけでなく、辞書機能や検索機能などEブックならではの便利な機能が盛り込まれている。辞書機能はハイライトしてクリックすれば、言葉の意味がポップアップする機能だ。辞書いらずというのは手軽であり、洋書や専門誌を読む時には重宝しそうだ。また、検索機能はワープロの検索と同じ機能なのだが、「よくちょっとだけ登場した人物が再度登場してきて、『誰だったかな?』と悩むことがあるがあるでしょう」と説明されて、なるほどと思った。

Microsoft Readerの読書画面。クリアタイプ技術が読みやすさを提供
保有している本が並ぶメインのライブラリー画面。下にはオンライン書店と書籍ガイドへのリンク

マイクロソフト自慢の「クリアタイプ」技術は文字の大きさ、書体など自在にカスタマイズ可能で、液晶画面で読むには本当に本よりも読みやすいぐらいだ。

Readerのメイン画面の選択肢は、「ライブラリー(本棚)」「オンライン書店へ」「書籍ガイドへ」の3つだけ。読書画面もクリック1つでほとんどの作業ができるなど、操作は極めてシンプル。書籍の選択、購入、読書という一連のステップがなど全ての作業がこのシンプルが操作でできるのは秀逸である。

Microsoft Readerは、ダウンロードで配布しているオーディオ・ブックのAudibleにも対応している
Microsoft Reader搭載のHP製PocketPC


Adobeのブースでは、電子出版のビジネスモデルを中心にEブックを説明

一方のAdobeは、PDFの対応機種の多さをアピール。WindowsとPocketPCだけのMicrosoft Readerに対して、ほとんどのOSとデバイスで利用できる便利さを紹介していた。マイクロソフトは、「Eブックが将来的にどのくらいのスピードで普及するか」というデータを度々引用しているように、本とEブックを切り離して考える傾向があるが、Adobeはオンディマンド印刷を視野に入れて、本との共存も考えている。オンディマンド印刷は、書店などで注文して、その場で印刷をするというシステム。Eブックの利点である短時間での流通が実現できる上、必要な分だけを印刷できるので出版コストも抑えられる。画像などを含めてハイクオリティで印刷できるというのはPDFの利点なのだ。

逆にPDFの欠点というと、Acrobat Readerの使いにくさだ。完ぺきに習得すれば、Microsoft Readerに匹敵する読みやすさを提供してくれるが、ボタンとメニューが多く、読者にとっては戸惑う原因になる。そこでAdobeは、獲得したばかりのGlassbook Readerを紹介していた。Glassbook Readerは、Microsoft Readerと同様の「読みさすさ」・「扱いやすさ」・「機能」に加えて、見開き表示やテキストの読み上げ機能などのプラスαがある。現在はWindowsのみに対応しているが、現在のAcrobat Reader並みにプラットフォームを問わないソフトウエアとなれば、Eブックの標準フォーマット争いは先行きが分からなくなりそうだ。

多様なデバイスへの対応をアピールするAdobe。Palm代表はなんとSonyのCLIE!!
Compaqの英語版PocketPCに日本語フォントを組み込み、外国語への対応しやすさをアピール


今回、ブースでの説明つきでEブック・リーダーに触れてみて感じたのは、この数ヶ月で格段に扱いやすくなったということだ。本の読書感を移植した上で、つけ加えられた豊富な機能は、本よりも便利な読書を実現している。ただし、PDAでは画面が小さいし、PCでは読書の場所が決められてしまうから、現段階で本とEブックを比べてEブックを購入するかというとまだ答えに悩む。ただし、Eブックという市場は地道に大きくなり、将来性も見えてきているので、本ぐらいに軽く、そして電子出版のビジネスモデルに即したダウンロード機能を持つ専用デバイスの開発が次の課題になるだろう。

(Yoichi Yamashita/N.Y.)

関連記事 - Adobeがオンライン書店大手と提携、PDFフォーマットEブックも普及のきざしhttp://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/08/29/10.html

マイクロソフトがAmazon.comとEブックで提携
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/08/29/09.html



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