【PC EXPO 2000レポート】「Palm vs Handspring」-- ハンドヘルドExpoと化したPC Expoの勝者は

      [2000/07/03]
    デザインで目立っていたGPSのスプリング・ボード

    いきなり結論から言うと、今回のPC Expoで最も存在をアピールしたのはHandspringだ。なかなか製品がそろわなかった「Visor」用の拡張ボードであるスプリング・ボードだが、今回のExpoではワイアレス通信、ゲーム、GPS、コンテンツ・サービス、デジカメ、MP3プレーヤーなどが勢ぞろい。スプリング・ボードを開発するコミュニティーの広がりを感じた。特に月々39.99ドルで無制限のワイアレス・インターネット接続を可能にするOmniSkyが「Visor」対応を発表したのが、「Visor」にとっては追い風となったと思う。Handspringもスプリング・ボードの可能性に焦点を当ててデモを行っていたが、それがそのまま「Visor」の可能性となっているように感じた。

    秋にサービスが開始されるOmniSkyのスプリング・ボード
    OmniSkyのスプリング・ボードの背面


    PalmのGPS製品

    一方のPalmは迷走している感じだ。例えばプレス向けの発表会では、COOのアラン・ケスラーが「The Palm Mobile Internet Kit」を発表した。これはPalmOS3.5搭載機をワイアレス・モデムまたは携帯電話と接続し、PalmVIIで利用できるウェブ・クリッピングを使えるようにするソフトウエア・キットである。価格は50ドル以下を予定している。これが、ちょっとした混乱を招いた。ちょっと説明されただけでは、何が新しいのか分からないからだ。ケスラーはクアルコムの携帯電話と「Palm」を接続してデモンストレーションを行ったが、携帯電話に接続するだけなら今でも可能である。かといってBluetooth対応が発表されるわけでもない。よく「The Palm Mobile Internet Kit」の中身を見てみると、ウエブ・クリッピング・ソフトを提供する代わりにPalmOS3.5へのアップグレードを促しているだけなのだ。年内の全機種ワイアレス対応を発表した手前、とりあえずソフトウエアをまとめてみましたという感じがする。せめて携帯電話への接続コードなども提供して、「これだけでワイアレス接続はバッチリ」というぐらいに分かりやすいキットにした方が良かったのではないだろうか。また、全機種対応ではなく、機種を絞り込むことになっても、もっとはっきりとしたPalmのワイアレス戦略を打ち出した方が良いのではないかと感じた。

    「モバイル」「インターネット・サービス」などテーマごとに分かれていたPalm のブース
    新発表の「The Palm Mobile Internet Kit」


    出展はされていたが、まだ発売されていないスプリング・ボードが多いため、現時点では「Visor」よりも「Palm」の方が多くの機能を提供している。だが、秋から年末にかけてのスプリング・ボード発売ラッシュで「Visor」は「Palm」に追いつくだろう。そして、かなりの「Palm」ユーザーを取り込むだろうと思わせる勢いを「Visor」からは感じた。一方のPalmは、拡張性の乏しさからハードウエアの限界が伝わってきた。全機種ワイアレス対応を謳っているが、ワイアレス・インターネット・データ端末として期待できるのはSDカードに対応する次期OS搭載機からになりそうだ。

    Handspring
    http://www.handspring.com/

    Palm
    http://www.palm.com/

    (Yoichi Yamashita/N.Y.)

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