米ワイアレス市場をめぐるマイクロソフト vs AOLの競争

  [2000/02/29]

携帯電話や携帯情報端末からワイアレスを使ってインターネット情報を入手するためのプロトコル「WAP(Wireless Application Protocol)」でのサービス提供を目指して、マイクロソフトとAOLがそれぞれに企業提携を発表した。

マイクロソフトのビル・ゲイツCSA(Chief Software Architect)は、CTIA Wireless2000において、WAP対応の携帯電話を用いて「MSN Mobile2.0」をデモンストレーション。NextelとAirtouch CellularとMSN Mobile2.0を利用したワイアレス・サービスでの提携を発表した。

MSN Mobileは、昨年6月に1.0が発表され、ページャーを利用して、ニュースや天気予報などを受け取れる文字情報サービスを提供していた。10月の1.5では金融の個人情報にログインできる機能が盛り込まれた。今回デモンストレーションされた2.0は、ブラウザ内蔵の次世代型携帯電話への対応がうたい文句だけに、MSN Hotmail、MSN MoneyCentral、Expedia、MSNBCなど幅広いインターネット・サービスが利用できるようになっている。

ゲイツCSAはこの日、「コミュニケーションとは、端末と端末のつながりではなく、人と人の結びつきである」と述べ、個人の情報やインターネットからの情報は手軽でスマートに管理できるようになるべきだと主張した。また、Palm OS内蔵の携帯電話を発表しているQualcomとも戦略的な事業提携の準備があると発表した。

いっぽうAOLは、「AOL Anywhere」戦略発表会で、WAP Forumへの参加と「AOL Mobile Messenger」を発表した。AOL Mobile Messengerは、携帯電話版のAOL Instant Messenger。Nokiaとの共同開発でサービス開始を目指すと発表している。

携帯電話でメッセージを送る場合、タイピングが問題となるが、入力文字を端末側が予測してくれる入力メソッド「T9」の採用で入力の手間を省く。すでにT9に対応しているNokia7100シリーズが最初のAOL Mobile Messenger対応機種となる予定。AOLは「デバイスやサービスに縛られるのではなく、どこに移動しても同じサービスが得られる自由さをユーザーに提供する」のが「AOL Anywhere」戦略のポイントとなると発表している。

場所は違えども、同じ日に同じような戦略をマイクロソフトとAOLが発表したことで、今後の米ワイアレス市場における両社の競争は一層激しさを増しそうだ。

(山下洋一/N.Y.)

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