【レポート】NTTドコモ代表取締役社長 立川敬二氏-iモードとIPサービスの展望について語る-

  [2000/02/02]

幕張メッセでは2月2日から情報システム・ネットワーク展「COM&NET21」が開催され、開催初日の2日にはNTTドコモ代表取締役社長、立川敬二氏が「21世紀の情報ネットワーク・システムを変えるモバイルIP -iモードの展望-」と題した、モバイルマルチメディアのこれからについての基調公演を行った。

○音声から非音声へ

立川氏はドコモの目指すものが、既に端末台数の増加から質的な拡大、つまりは音声から非音声へシフトしていくと明らかにした。ドコモはこれから、ネットワーク整備、端末系の整備、ネットワークサービスの拡張といったモバイルマルチメディアの展開に全力を注いでいく方針であり、音声ベースから、音声・画像・動画といったマルチメディアデータへのシフトこそが命題であるという。この流れのなかではヒット商品のiモードですら音声-非音声への拡大シフトの一環でしかないという。

○次世代携帯電話 "IMT-2000(W-CDMA)"

計画では2001年春には世界共通規格である次世代携帯電話規格"IMT-2000(W-CDMA)"準拠の携帯電話を登場させ、サービスを開始するという。この規格は高速移動中でも144kbps、静止状態では2Mbps以上という非常に高速・広帯域な可変通信速度が保証されており(現在のiモード端末の速度は9.6kbps)、登り・下りでの非対称データ転送、転送したデータ分だけ課金が可能になるパケット方式が採用される。また、サービス対象エリアについてもサービス開始時の2001年には22%の全国エリアカバー、2004年には97%のエリアカバーを狙うという。現在もドコモはポケットボードをはじめとする端末を開発しているが、IMT-2000用にも画像の扱いを大きくしたビジュアルフォンやより高速なデータ通信用の端末など、音声重視タイプ、画像重視タイプ、パソコンとのデータ転送を重視したタイプ、カーナビとの連携を図ったタイプなど様々なカテゴリーの製品をドコモ一社のみならず各社と共同で投入するという。

また、iモード端末に関しては第2世代カラー液晶が搭載され、今年中にはJAVA技術を採り入れ、取引などの際に必要とされるセキュリティを高めていくという。また、来年のIMT-2000サービス開始時には対応iモード端末を市場に投入するという。

○これからのIPサービス

iモード、moperaなどドコモが提供してる移動通信体を用いてのサービス、ついては無線を用いてのネットワークサービスについても今後の展望が示された。

歩行者ナビゲーションシステムなどサービスが開始されたものも含め、音楽配信システム、iモード使用カーナビシステム、送受信可能な静止画システム、JRAとの共同で移動端末から勝ち馬投票券が購入できるモバイルゲットなど、IPサービスを利用できる移動端末を活かすためのサービスが多数、アナウンスされた。なかでもマイクロソフトのと共同ベンチャーにて提供予定がされているデータセンターを利用したサービスでは携帯、PHSのみならずPDAやパソコンなどIPを扱える全ての端末から無線を利用して企業のイントラネットにアクセスし、データの共用化を図るなどのビジョンが示され、立川氏はIPサービスについて「ドコモ一社のみならずISPやソフトベンダー、ソフトベンダーなど多数のパートナー、全ての人が商社になるような関係でビジネスを築いていきたい」と述べた。

移動通信のキャリアとして認識されてきたドコモであるが、今回の講演はインターネットという通信網を利用してのサービス提供をハード・ソフト共々行っていくという姿勢をより一層明確にしたものといえるだろう。iモードという巨大インフラの構築に成功した同社だけに今後の戦略からも目が離せない。

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