くらコーポレーションは、回転寿司チェーン店「無添 くら寿司」にて、お米のかわりに大根を使った寿司「シャリ野菜」や麺抜きのらーめん「7種の魚介らーめん 麺抜き」などの「糖質オフシリーズ」を8月31日より全国で展開中。同社はこのたび、掟破りともいえる同シリーズに関する同社常務取締役・製造本部長の久宗裕行氏へのインタビューを発表し、実際の評判や売り上げ、開発の意図などを紹介した。

くらコーポレーション常務取締役・製造本部長の久宗裕行氏

お米のかわりに大根を使った寿司「シャリ野菜」

「糖質オフシリーズ」の反響や売上に関して久宗氏は、「おかげさまで大反響です。私たちが想定する2倍ほど売れています。いつもは夏休みが終わるとお店の売り上げは少し落ち着くのですが、9月に入ってからむしろ勢いを増しています」とコメント。同シリーズの主な客層は全体の7割が女性だが、糖尿病を家族に持つ人からも「これまで外食を避けていましたが、これでみんなで食事ができる」といった感謝の声が寄せられているそうだ。

「糖質オフシリーズ」の販売に至った理由としては、「お客様のニーズをいち早く察知し、市場環境を捉えて、くら寿司ならではの独自性を重要視することは、商品を開発する上では常に重要視していることです。しかし、『糖質オフシリーズ』においてはブームになる前より着手していました。何故ならば、くら寿司は創業以来食の戦前回帰というコンセプトをもって、化学調味料、合成着色料、人工甘味料、人工保存料を全食材に削除する『四大添加物 無添加』への取り組みなど、業界では当たり前のやり方を疑い、自分たちが正しいと思うことを愚直に体現してきました。食を通じて、健康への配慮を真面目に考え、真摯に創業以来取り組んできており、その取り組みこそが、この度の『糖質オフシリーズ』の販売に至った大きな理由です」(久宗氏)と語っている。

食を通じた健康への配慮に関する取り組みとして、「2016年にロカボなど健康ブーム・糖質オフブームとなり、糖質を気にされるお客様は多くなってきました。当社は、そのブームになる2015年頃からすでに『野菜を使ったメニューで健康を応援する商品を作ろう』を合言葉に着手しておりました。これまでも、カロリー控えめの商品やアレルゲンフリーの商品を積極的に販売してきました。例えば、豆腐を使った『ガトーフショコラ』や蒟蒻を使った『ヘルシーつけ麺』、大人気の7大アレルゲンフリーのアイス『豆乳アイス』など。この度の大々的な『糖質オフシリーズ』におきましては、業界としては今まで手を出しづらかった寿司の分野において、社内でも賛否両論。もちろん開発においても非常に苦労致しました」(久宗氏)と説明している。

そして、お米のかわりに"大根の細切り"を使った寿司「シャリ野菜」の開発経緯では、「相当な試行錯誤をしました。シャリを使うのが当然の寿司から“糖質カット”するのは相反することですので。最初は『ネタを野菜にしよう』から始まりましたが、いざ糖質を調べるとそこまでは変化がない。やはりお米をなんとかしなければと、みんなで悩むなかで、ふと出てきたのが"大根の細切り"でした」(久宗氏)との苦労話を披露した。

『まずは、野菜をたべやさい!』

「シャリ野菜」のほかにも、『糖質オフシリーズ』として「7種の魚介らーめん 麺抜き」「シャリプチ」も展開中。「7種の魚介らーめん 麺抜き」は、麺の代わりに、ニンジン、チンゲン菜、モヤシ、キャベツの4種の蒸し野菜をたっぷりと使用し、「7種の魚介だし」で人気のラーメンスープの味を損なわないようにしつつ、食べ応えと彩りにこだわったメニューだ。「シャリプチ」は、「シャリが大きい」「ほかのお寿司も食べたいのにすぐにお腹がいっぱいになってしまう」等のニーズに応え、シャリを半分にした寿司となっている。

そのほか、くら寿司では、野菜を先に食べることで血糖値の上昇を防ぐ「ベジ・ファースト(ベジタブル・ファースト)」にも取り組んでおり、「せっかくお店に来たからには罪悪感なく、お腹いっぱいになってほしいので『まずは、野菜をたべやさい!』というダジャレ交じりのコピーにて分かりやすく推進しています。くら寿司に来ていただいたら、まず1皿目は野菜関係のお寿司から食べていただきたいですね」との提案を久宗氏は語っていた。

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