遠隔ソリューションの導入で経営課題の解決につなげる

東洋ビルメンテナンス株式会社(以下、TBM)は、商業ビルやオフィスビルなどの設備管理、設備工事、清掃、保安警備、その他、建物にまつわるさまざまなサービスを提供する企業だ。近年ではメガソーラー管理という新事業にも参入し、業態をさらに広げている。
TBMの業務ではその性質上、スタッフがしばしば現場に赴く。とりわけビル管理や設備工事では、土日や早朝深夜に出動する機会が多い。人材の有効活用と作業効率化、そして働き方改革は、TBMにとって大きな経営課題だ。

TBMはメガソーラー(大規模太陽光発電設備)の安定稼働を技術面からサポートする

そんなTBMがさまざまな課題の解決につなげるために導入したのが、オプティムの遠隔作業支援ソリューション「Optimal Second Sight」である。
Optimal Second Sight導入の経緯はTBMの新事業であるメガソーラーの管理だった。メガソーラーの管理では、規模によって電気主任技術者を1名常駐させる必要があるが、1人での作業は機器故障やトラブルなどのリスクがあり、精神的な負担も大きい。そこで、まずは2015年、ある会社の遠隔監視サービスを導入し、現場のモニタリングを本社で行うことで安全性を担保していた。
しかし同サービスは現場の状況を画像で送信できるものの、本社のオペレーターから現地スタッフへの指示は音声のみに限られていた。折しも、このサービスが突然休止されることになる。TBMでは急きょ、代替サービスを探さなければならなくなった。

現場映像のやり取りで、的確なサポートが可能に

そこで浮上したのが、Optimal Second Sightである。Optimal Second Sightはスマートグラスやスマートフォン、タブレットなどのカメラで捉えた現場のリアルタイム映像を通信回線で送信することで、離れた場所で情報を共有し、双方向のコミュニケーションを可能とする製品だ。音声だけでなく、オプティムが開発した遠隔作業指示の基本特許技術「Overlay technology」(特許第5192462号)による赤ペン機能や指差し機能を用いた画像上への作業指示の書き込みができ、図面やマニュアルなどを現場に送信することも可能。遠隔監視により複数の目で現場状況をチェックできるうえ、機器の操作位置や操作方法を本社側から的確に示せるため、リスク軽減はもちろん作業ミスも未然に防げるメリットがある。
Optimal Second Sightは機能面だけでなく、コスト面でも他社ソリューションに比べてアドバンテージがあった。「こういう製品がほしかった」。導入の旗振り役のひとりである第一事業部 メガソーラー推進グループの須山勝係長は興味を持った。

東洋ビルメンテナンス 第一事業部 メガソーラー推進グループ 係長 須山 勝 氏

しかし当時のOptimal Second Sightにはひとつ問題があった。須山係長は次のように振り返る。
「メガソーラーは人の住む地域から離れた場所にあるのが一般的で、携帯電話の電波が届かないところも多い。電波が届かないと、画像を送ることは当然できません。そこでオプティムに対し、オフラインで撮影した画像をオンラインになったときに自動送信したいと機能追加を要望することにしました」
オプティムの対応は早く、数カ月でオフライン機能を開発。要望から半年程度でOptimal Second Sight導入の運びとなった。TBMとしては、以前利用していた他社サービスの単なる置き換えではなく、大きなプラスアルファも得ることができたわけだ。

機器一式を収めるため、工具箱をカスタマイズした専用ケース

経験の浅い現場スタッフに、ベテランの知識や技術を届ける

メガソーラーを皮切りに、TBMでは他の部門にも導入を広げていった。
約160の無人ビル管理を担うBACSセンターでも他社の遠隔監視を利用していたが、やはりサービス休止で新たなソリューションを探していた。同センターではメガソーラーと共に導入を進め、準備期間を経て、2017年4月から両部門同時にOptimal Second Sightを正式導入した。
同センターの業務は、管理する無人ビルの巡回と定期点検に加え、呼び出しや警報を受信した際の緊急出動が柱だ。スタッフはベテランだけでなく、若手やシニア、技術や知識を習得中の新入社員もいる。経験の浅いスタッフは、単独で現場に出かけるとやはり不安だ。今後は人材不足で、そうしたスタッフがさらに増えていく可能性も否定できない。

東洋ビルメンテナンス BACSセンター 所長 佐々木 真 氏

同センターの佐々木真所長は、Optimal Second Sight導入の意図を次のように話す。
「従来は現場で疑問が出ると、現場スタッフが本社に電話をかけてきて、それに対し電話で指示を返すというスタイルでした。しかしそれでは適切な指示ができないこともあります。たとえばスイッチが5個あり、右から2番目と4番目をオフにして3番目をオンにするといった場合、音声のみでは聞き違いや誤解の可能性が生まれます。Optimal Second Sightを導入し、スマートグラスで撮影した現場状況の映像を本社で受信することで、映像を介して常に的確な指示を行えるようになります」

現場の状況をリアルタイムに伝え、離れた場所で誤解のない双方向コミュニケーションを確立するシステム。これなら経験が浅いスタッフが1人で現場に赴く不安を解消できるだけでなく、熟練スタッフがわざわざ現場に向かう必要もなくなり、人材活用の面でメリットが大きい。加えて、現場スタッフの安全確保、作業の正確性、そして効率化までも一気に手に入れられる。

空調や照明など、建物内のすべての基本設備をつねに管理点検

現場から「心強い」の声、事故防止にも役立てられる

実際の導入効果はどうだろう。
同センターではOptimal Second Sightの導入後、従来2人1班で行っていた定期点検の多くを1人体制にできたという。佐々木所長によれば、定期点検対象の140のビルのうち、すでに90棟で1人体制に移行できているとのこと。大規模ビルなど1人体制がなじまない施設を除き、今後も1人体制の無人ビル巡回を増やしていく考えだ。そのぶん、スタッフを他のビルの作業に回せるため、人員の有効活用は確実に進んでいる。
人員面だけでなく作業サポートの面でも想定通りの効果を発揮しているという。現場の状況によっては熟練度の低いスタッフ1人でどう判断していいのか迷うこともあるが、オペレーターからの細かい指示を画像を通して受けることができるようになり、「心強い」という声が実際に現場から聞かれる。
「どのように作業をするかという指示だけでなく、“作業をしない”指示を的確に出せることも大きな導入効果です。たとえば天井のランプを交換するなど脚立に昇って高所作業を行う必要がある場合、現場から送られる映像で状況をチェックし、1人では危険なようであれば、作業をしないようにとの指示も出せます」と佐々木所長。現場スタッフがOptimal Second Sightを通じて本社の指示を仰ぐ姿勢が徹底され、事故防止の観点からも有効に活用できていると高く評価する。

オペレーターとの連携による、1人体制での定期点検

現場の声で機能がさらに磨かれ、活躍の場が広がっていく

同様の効果は、無人ビル管理と同時にOptimal Second Sightを導入したメガソーラーでも見られる。各地のメガソーラーに単独で赴任しているスタッフに対し、映像を見ながら適切なバックアップを行えるようになったほか、トラブルが起きた際もスマートグラスの映像で現状をしっかり把握できる。また、従来であれば本社から技術スタッフを送り込む必要があった事態でもOptimal Second Sightで解決できるため、多くの時間やコストを節約できている。「インフラの安全確保と作業スタッフの安全確保、その両方で大いに役立っています」と須山係長も太鼓判を押す。

59cm×105cmのパネル9枚からなる大型ディスプレイを配置し、全国に展開するメガソーラー発電所の稼働状況をひと目で、かつ一括して監視できる

いま進んでいるのが、工事の施工管理部門での導入だ。同部門では現在、スマートグラス以外にスマートフォンのカメラ活用も試験的に始めている。工事現場ではヘルメットが必須のシーンがあるが、その場合はスマートグラスとの併用が難しい。携行すべき道具も多く、スマートグラスが負担になることもある。そのため、簡単に携帯できるスマートフォンの活用を模索し、いまテスト段階にある。

東洋ビルメンテナンス 工事営業部 施工グループ 次長 佐々木 宏 氏

工事営業部 施工グループの佐々木宏次長は「施工管理は電気、衛生、空調など扱う設備が多岐にわたるので、経験の少ないスタッフでは知識が足りないケースもあります。Optimal Second Sightがあれば本社から注意すべき部分を的確に指示できるほか、作業の進捗状況も確認でき、ベテランスタッフが同行せずに済む機会も増えるでしょう」と期待を寄せる。スマートフォン活用のテストを経て、正式導入に向け積極的に動いていく考えだ。

タブレット 対 スマートフォンによる現場指示

今後の活用について、BACSセンター佐々木真所長は次のように語る。
「将来的には大阪のBACSセンターの映像も東京でチェックし、東京から指示を出す展開も考えています。また、スマートグラスを協力業者に貸与して現地での定期点検をお任せすることで、土日や早朝夜間の出動が多い私たちの立ち会いを減らし、働き方改革につなげようという計画もあります」。さらにTBMでは、清掃事業での点検評価など他部門へ展開する動きも具体的に始まっている。
佐々木所長は常々、「Optimal Second Sightは私たち現場の人間が使い込んで、成長させていく。私たちがつくっていくんだ」とスタッフたちに呼びかけているという。現場から上がる声で、Optimal Second Sightの機能はさらに鍛えられ、活躍シーンも広がっていくことだろう。

Optimal Second Sightとは……

スマートグラスなどで簡単にはじめる遠隔作業支援ソリューション

https://www.optim.co.jp/remote/secondsight/

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