【特別企画】

日本の電力マンが語る、世界での電力事業 - どこまでも応え続ける、J-POWER

1 タイの供給を支えるJ-POWER

 
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普段、何気なく使っている電気。暮らしを豊かにするさまざまな家電や電車などの社会インフラも電気あってのものであり、現代の生活は電気に支えられていると言っても過言ではないだろう。そんな中、60年以上にわたり日本の電気、そして世界の電気を支えてきた会社がJ-POWER(電源開発株式会社)だ。

私たちはJ-POWERが作った電気も使っている

J-POWERは1952年9月に国によって設立された電気事業者。2004年に完全民営化し、エネルギーに係る幅広い事業を展開している。

北は北海道から南は沖縄まで、全国約100カ所の発電所を有しており、われわれが購入している電気も、実はJ-POWERが作っているものも含まれているというケースが非常に多い。また全国に、送電線を保有しており、日本の電力をひとつに結んでいるのもJ-POWERだ。われわれの生活を縁の下から支え続けていることがわかるだろう。

タイでの事業展開

J-POWERは、日本での事業展開のみならず、海外事業も展開しており、半世紀以上前から、電源の開発および送変電設備などに関するコンサルティング事業を行っている。1990年代後半に入ってからは、そのノウハウを活用してアジアとアメリカを中心に発電所の建設や運営に参加し、電気の供給も行っている。インフラを守ることは、人々の生活を守ること。

J-POWERは、エネルギーの分野から世界の人々の暮らしを支え、安定供給という側面だけでなく、日本の技術による環境負荷低減にも貢献できるよう支援し続けているのだ。

そこで、実際に海外事業に携わっている社員の新垣壮士さんに実際の海外での業務についてお話を伺った。新垣さんは、2001年に電気系の技術職として入社し、横浜市にある磯子火力発電所などの勤務を経て、2012年からタイでの事業に従事。現在は帰国して国際営業部にて海外火力発電案件の技術事項全般を担当している。

国際営業部 技術室 新垣壮士氏

――タイに赴任される前には、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

新垣氏:「磯子火力発電所で勤務した後、火力発電が盛んなアメリカでの研修を希望し、社外の団体が主催する海外事業の研修に参加しました。研修後は、国際営業部で台湾、インドネシアの案件を担当、その後、部署が国際業務部に代わりまして、ここでタイの担当になりました。駐在前提でその部署に異動だったので、その5カ月後にはタイに赴任しました。2012年10月から4年9カ月間の勤務でした」

――タイではどのようなお仕事をされていましたか?

新垣氏:「赴任当初はアセット管理業務を担当していました。当時、9つの発電所が運転中で、これらが計画通りの収益をあげているか、安全運転ができているかを技術的な視点から管理していました。その後、当時建設中であった2つのIPP(独立系発電事業者)と7つのSPP(小規模発電事業者)のプロジェクトのうち、IPPであるウタイガス火力発電所の建設監理業務を担当しました。世界遺産アユタヤ遺跡に近いウタイの発電所には、バンコクから毎日通っていましたね。2015年に運転を開始したウタイガス火力発電所が当社のタイのプロジェクトとしては一番新しいものになります。発電所の運転が開始してからは、日々の運転管理は現地の方々が行い、私はアセット管理に戻っていました」

ウタイガス火力発電所

――タイの電力事情は、現状どのようになっているのでしょうか。

新垣氏:「定義にもよりますが、タイ国内では約4,100万kWの発電設備容量があります。4,100万kWの発電設備のうち4割がタイ電力公社所有の設備で、残りは民間事業者の設備などとなっています。J-POWERはタイ国内に16の発電所(持分出力330万kW)を有しており、タイの総設備出力のうちの約1割を支えています。タイは工場誘致などを積極的に行っているので、今後も電力需要は伸びていくと思います。

タイでは全発電電力量の7割を天然ガスによる発電に頼っています。ただ、タイ国産の天然ガスも枯渇してしまうということが言われて久しく、2011年から液化天然ガスの輸入も開始しています。天然ガス以外の、例えば石炭などによる発電も国としては進めたいのですが、なかなか難しいというのが現状ですね」

――石炭などの発電所建設が進まないのには何か事情があるのでしょうか。

新垣氏:「タイでは1970年代に石炭火力発電が導入されましたが、当時は環境対策などがほぼ行われておらず、1990年代初頭には石炭火力発電所からの公害が大きな問題となりました。国民に『石炭=公害』というイメージが根強く残っていることが大きな要因といえます。

J-POWERの磯子火力発電所に代表される現在の石炭火力発電所は十分な環境対策も行われているのですが、なかなか国民に根付いた意識を変えることは難しいようです。タイ電力公社としては、新規の石炭火力発電所の建設も進めたいので、メディアを含めた関係者に日本の発電所視察ツアーを実施しています。

私が勤めていた磯子火力発電所も石炭を燃料とした発電をしていますが、その排ガスは世界最高水準の環境対策設備によって、ガス火力発電所の排ガス並みにクリーンになって、煙突から排出されています。そういったことがタイでも浸透すればいいと思いますね」

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インデックス

目次
(1) タイの供給を支えるJ-POWER
(2) 地元の方とも積極的なコミュニケーションを
(3) 先進国でも社会インフラを支えるJ-POWER

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