写真なんてスマートフォンで十分――そう思っている人は少なくないだろう。たしかに日常のほとんどの場面はスマートフォンで事足りるといっても過言ではない。しかし、である。スマートフォンにも苦手とする状況があるのだ。一つはアウトドアなどで、ぶつけたり濡れたりする可能性がある過酷な環境だ。大切な情報がたっぷりつまったスマートフォンを、そういった危険な状況で使いたいとは思わないだろう。

そしてもう一つは、とてつもなく暗い場所である。最近のスマートフォンのカメラ機能がいくら優秀になったとはいえ、光がほとんどないような暗黒空間ではやはり辛いものがある。

ぶつけたり落としたりする可能性のあるアウトドア環境、なおかつ非常に暗い空間を映し撮ることのできるカメラ――そんなものが存在するのか?



するのである。

暗所撮影に特化したタフなデジタルカメラ――カシオの「EX-FR110H」である。

あれ?

ということで、こんにちは。ライターの山田井です。光がわずかしか届かない地下水路から失礼します。

……おっと、何も写っていなかった。これはスマートフォンのインカメラで自撮りした写真なのだが、あまりにも暗くて限界を超えてしまっていたようだ。

同じところをEX-FR110Hで撮影するとどうなるか。

地下からこんにちは

こうなるのだ。ザラザラして画質はすごくいいとは言えないが、スマートフォンでは写りすらしなかった暗闇でもわずかな光をとらえてここまで明るく写すことができている。うーん、すごい。

こんなふうにして撮ってました(これはライトを使用)

紹介が遅くなったが、こちらの地下水路は「神田川・環状七号線地下調節池」という場所。そう、ここは環状七号線の真下を走っている巨大なトンネル(地下水路)なのだ。

神田川などが氾濫する前に、川の水をここに逃がすことで水害を防ぐという施設である。



そもそも、なぜこんなところにいるのかというと……。

東京の真下に巨大な地下トンネルがあるという情報を聞きつけ、これはぜひともその内部を調査してみたい!ということで。東京の巨大地下トンネルこと神田川・環状七号線地下調節池に、先ほどの暗闇に強いカシオのカメラ「EX-FR110H」を持ってやってきたというわけだ。

では、神田川・環状七号線地下調節池がある善福寺川取水施設へ。

やってきました! ここに巨大なトンネルがあるのか……

まずは、神田川・環状七号線地下調節池のお話を聞かせてもらった。普段から見学を受け付けているそうだ。

精巧な模型を見ながら説明をしていただく

神田川から妙正寺川にかけて作られた地下調節池

大雨などにより氾濫が起きた際に、このように水を誘導し貯める仕組みとなっている。模型でいう透明のパイプのところが、これから我々が探検しようとしている地下調節池だ

制御室も見学が可能。こんな裏側を見る機会はめったにないのでワクワクする

6つのモニターで水位を監視し、安全を守っているそうだ

そして今回は特別にお願いをして神田川・環状七号線地下調節池に入り、その暗闇の中でFR110Hの実力を確かめてやろうというわけである。

ここが入り口……それでは入ってみましょう!