ユニークなウェブサービスやゲームなどの開発で知られる面白法人カヤック。その創業者の一人、代表取締役CTO・貝畑政徳氏。貝畑氏は大のゲーム好きであり、現在はPlayStation 4(以下、PS4)用ソフトウェア『DARK SOULS III』に熱中していることを公言している。

ゲームといえば「遊び」のイメージが強いが、最近では社員教育にゲーミフィケーションを取り入れる企業が増えるなど、ビジネスでの活用も注目されている。ベンチャー企業を率いる優秀なビジネスマンにとって、ゲームはどんな存在なのだろうか。貝畑氏が考えるビジネスにおけるゲームの活用法や関係性を聞いた。

貝畑政徳(かいはたまさのり)。1974年2月2日生まれ。福岡県出身。慶應大学SFC卒業後、大学院を経て1998年、学生時代の友人3人で面白法人カヤックを設立し、代表取締役CTOに就任した。サイコロを振って給料を決める「サイコロ給」や海外や国内の好きな場所で一定期間働く「旅する支社」など、オリジナルな社内制度を採用。ゲーム事業部の責任者も兼務している。モバイル向けソーシャルゲーム『英雄になりたい!』シリーズのプロデューサーとして企画から開発、シナリオ、運用までを手がける。快感カウンターバトルRPG『姫騎士と最後の百竜戦争(姫ヒャク)』をリリース
撮影:稲澤朝博

――本日はよろしくお願いいたします。貝畑さんはカヤックの公式サイトでゲーム好きであることを公言されていますが、まずはこれまでに遊んだゲームについて教えてください。

僕はファミコン世代なんですが、そこからPCも含めて各ハードのゲームは一通りプレイしてきました。RPGとアクションゲームが好きなので、『スーパーマリオブラザーズ』や『ファイナルファンタジー』、『ドラゴンクエスト』シリーズなど、メジャーと言われているタイトルはほぼ遊びましたね。格闘ゲームでは『バーチャファイター』や『闘神伝』、『トバルナンバーワン』などもやり込みました。RPGでは『ファイナルファンタジーVII』が大好きです。

――だいぶやり込んでいますね。いまでも遊ばれていますか?

はい、いま持っているハードは、PS4とPlayStation Vita(以下、PS Vita)とNintendo Switchです。PS4の『DARK SOULS III』にものすごくハマっていて、人生数回分の快楽と絶望を体験しました。『ファイナルファンタジー XV』もプレイしましたし、『Salt and Sanctuary』(ソルト アンド サンクチュアリ)という海外のソフトも遊んでいますね。それからオンラインゲームの『ファイナルファンタジーXIV』ですね。この作品は社内にサークルができるぐらい、かなりの人数がプレイしています。

――ゲームと一緒に育ってきているといっても過言ではないですね。小さいころからプレイスタイルは変わっていないんですか?

エンディングが気になったら止まらなくなるタイプなので、寝ないでプレイしちゃいます。子どものころは親が寝静まってから布団を被って遊んでいました(笑)。プログラミングとかも集中しちゃうと終わるまでやめられないタイプなんですよ。大学では、そのプログラミングに熱中していたため、ゲームから少し遠ざかっていましたが、PlayStation Portableで『モンスターハンターポータブル2nd G』が出たときはこれでもかというぐらいやり込みましたね。

――先ほども話に出ましたけど、『DARK SOULS III』にめちゃくちゃハマッているとのことですが。

『DARK SOULS III』は十数年ぶりにゲーマー魂に火を付けられたタイトルです。ゲームは、”難易度”が高いほどストレスが溜まりますが、クリアしたときの達成感も大きくなります。ただ、社会人になると時間がなくなるので、そのストレス自体を避けたくなります。『DARK SOULS III』はプレイヤーキャラクターがすぐ死んでしまう、いわゆる”死にゲー”なので、ものすごくストレスがかかるんです。でも、死んだ時の悔しさと敵を倒したときの達成感が、そのストレスを上回るんですよ。なので、絶対にクリアしてやるぞというモチベーションに転化される。プレイヤーが死んだ時の悔しがり方は、もう本当にすごかったですよ。無意識に自分で自分をつねっていました(笑)。

――「ストレス」と「達成感」という関係性はゲームだけでなく、仕事にも通じるところがありそうですね。

まさに、僕は仕事でも困難な状況が好きなんです。ゲームでも自分でルールをつくって負荷をかける、いわゆる”縛りプレイ”を楽しんでいました。その負荷が大きいほど達成感も大きいので、仕事でもスケジュールが厳しい状況だとワクワクするタイプなんです(笑)。好きなだけ時間と予算をかけていいよと言われても、自分で何かしら縛りを設定しちゃいますね。

――そういう点ではゲームで学んだことが仕事にも生きていると。

そうですね。ゲームを経験していなければ、ストレスは単に負荷でしかなかったと思います。失敗することは悪いことじゃないということも、ゲームから教えられたことのひとつです。クリアできなくてもゲームで遊んでいるだけで充実感があるように、仕事でも過程が大事。難しい仕事を乗り越えた時のほうが達成感もあるし、そこに"成長"があると思うんです。

――ゲームをプレイしていると、ついクリエイター目線になることも?

それはあるかもしれません。僕は昔からマニュアルを読まないタイプなんですが、よくできたゲームというのは、プレイするうちに自然とゲームの仕組みを学べるようにデザインされています。ゲームが始まって、どっちに進んだらいいかとか、レベルアップするスピードなどが自然とプレイヤーの体に馴染んでいくように設計されています。これは自社のサービスを考える際にも参考になりますし、説明する資料を作成する際の勉強にもなります。ユーザーは最初の5分で良し悪しを判断すると言われています。いかに、こちらの伝えたいことを理解してもらい、飽きさせずに最後まで継続してもらえるか、ということをゲーム開発の現場では操作性も含めて常につき詰めて計算しています。

――それ以外にも仕事でゲームが役立つと思う場面はありますか?

今の50代以下は何かしらのゲームを遊んできた世代ですよね。例え話をするにしても、「この◯◯って、あのゲームのあそこのシーンみたいですね」と言うと伝わることが多いです。ゲームもアニメや漫画と同じで、日本が誇る文化だと思いますね。あと、『ファイナルファンタジーXIV』や『DARK SOULS III』はオンラインで協力プレイが出来るので、画面の向こう側にいるプレイヤーとどういったコミュニケーションをするかを考えることがあります。こういう風にゲームで培ったコミュニケーション力が、現実のビジネスにも生かせる場面は多いです。

――貝畑さんは就寝前の映画視聴・マンガ読書・ゲームプレイによるインプットを日課にされているとお聞きしました。

よくインプットをしています、"自称"クリエイターなので(笑)。とにかく新しいものをつくりたいと思っていますが、そのためには過去を知らないと何が新しいかもわからないので、勉強の日々です。基本的に、自宅に帰ってから2~3時間はそのような時間をとっています。お風呂では常にタブレットを持ち込んで映像を見ていますし、『DARK SOULS III』もPS Vitaをリモートプレイで遊んでいます。

――貝畑さんが考える「理想のビジネスマン像」を教えてください。

「どんなことでも楽しめる人」です。さっき難しい仕事ほど成長すると言いましたが、成長することって楽しいと思うんです。それで結果を出せれば一番いいですが、もし結果を出せなかったとしてもその過程を次につなげることが大事です。捉え方次第でどんなことでも楽しくできるので、ゲームに置き換えて考えてみるのもいいと思います。まさに『DARK SOULS III』はそうですよね。ひとつずつ乗り越える達成感を得ながら学んでいく、まさに仕事に大事なことをゲームは教えてくれます。

――ありがとうございます。貝畑さんはすでにPS4をお持ちとのことですが、本日はPS4の『Horizon Zero Dawn』と、PlayStation VR(以下、PS VR)専用のソフトウェア『PlayStation VR WORLDS』から「The London Heist(ロンドン ハイスト)」を体験してもらいました。

いやー、面白かったです。アクションが好きなので『Horizon Zero Dawn』はプレイしやすかったですし、グラフィックがとにかくきれいですね。PS VRのシューティング「The London Heist」も爽快です。もう少し長く遊びたかったですね(笑)。

――今回は時間がなくてすみません(笑)。またぜひ遊んでみてください!

ファミコンからゲームに入り、アーケード、PC、PlayStationなどまさにゲーム漬けの人生を歩んできた貝畑氏。ゲームから学んだことは、日々の仕事にもしっかりと生きているようだ。

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