平成28年度の総務省の統計によると日本にある約387万企業の内、複数拠点を持つ企業は80.2%にも及ぶ。

複数拠点をもつ企業は、コンビニやスーパーといった卸・小売業をはじめ、製造業、サービス業といった従来の業種もあれば美容院やエステなどの生活関連サービス業や情報通信業など業種業態問わず増加している。中でも飲食店やスーパー、アパレルショップのように複数店舗を展開している企業は、本社や店舗で使用している端末の両方を会社の資産として把握しておく必要がある。しかし本社にいながら、離れている店舗で端末がどのように使われているのかを把握することは難しい。

そこで今回は、本社と離れている拠点や店舗におけるクライアント端末管理の課題について、アパレルショップを例にクオリティソフトが提供する、脆弱性検出型クライアント管理クラウド「ISM CloudOne」による想定運用をご紹介する。

<想定企業>
某アパレルショップ(全国展開15店舗)

【背景・問題】本社から離れている、拠点・店舗における端末の利用状況が不明

アパレルショップのように店舗でパソコンを使う場面というのは、在庫管理やPOSシステムとしての用途がほとんどだろう。また店頭接客がメインであるため、本社勤務の社員とは異なり1台のパソコンを店舗に勤務している全員が使う共有端末として使われているケースが多く、これらの端末は社内ネットワークに繋がっていない。そのため、店舗のパソコンにどのようなソフトウェアがインストールされていて、どういう状態なのかを本社にいる情シスは把握することができない。

しかしインターネットには接続されているため、これらの端末が何かのきっかけでマルウェアに感染してしまう可能性もある。さらに、店頭接客におけるタブレットの活用もはじまり、たとえば来店客へ試着をしなくてもコーディネートのイメージ画像をタブレットで見せることが可能となった。

これらタブレットに関しても、初期設定で専用のアプリケーションをインストールして店舗で使い始めて以降、端末の管理は店舗ごとに任せっぱなしになっているのが現状だ。このように、本社にある情シスで、複数拠点の端末利用状況が把握できていないことにより、同社の情シス部門ではいくつかの課題が浮かび上がってきた。

【課題】複数拠点・店舗における端末管理の課題

・複数拠点における、端末の利用状況が把握できていない
・拠点が離れているため、不具合時に電話指示でしか対応することができない
・タブレット端末の利用状況が把握できていない