コンテンツのリッチ化などにより個々のユーザーが使うネットワーク帯域は急増している。そのため中堅・中小企業であっても、従来ながらのギガビットイーサネットではもはや大量のトラフィックに対応できなくなっているのだ。そこで今回、低コスト化が進み導入しやすくなった10Gイーサネットへの移行を念頭に置き、10Gスイッチと1Gスイッチの差が果たしてどれだけあるのか、実運用を想定した環境で実証実験を実施したので、2回にわたってレポートする。

急激に高まる10Gイーサネットのニーズ

数年前までは、データセンターや大企業のネットワークで使うものといったイメージが強かった10ギガビットイーサネット(以下、10Gイーサネット)だが、いまや中堅・中小企業であっても本格的に移行を検討すべき状況にあるのをご存じだろうか? その大きな理由の1つは、10Gスイッチの価格が大幅に下がってきていることにある。例えばネットギアのエントリーモデルの10Gスイッチの場合、1ポート辺りわずか1万円ほどにまで購入することが可能となっているのだ。

そしてもう1つの理由が、ビジネスで扱うファイルが、数・容量ともに急速に増加していることである。コンテンツのリッチ化が進んでいるのに加え、クライアント端末は常時大量のトラフィックをやり取りするのが常態可しているため、従来からの1Gイーサネットのままではネットワークがボトルネックとなってしまう恐れが高まっている。とりわけNAS上にある大容量ファイルを取り扱ったり、リモートデスクトップを導入していたりする場合にはこの傾向が顕著になる。もし社内ネットワークのパフォーマンスが低下すれば、ビジネスのスピードも落ちてしまい、企業が被るダメージは深刻なものとなる可能性を忘れてはならない。

NETGEARの10Gスイッチが強みを発揮する理由

企業が10Gイーサネットを導入する際の要となる10Gスイッチだが、組織の規模や用途に合わせて、フル10Gスイッチも含めた豊富なラインアップを取り揃えているのがNETGEARだ。同社は他に先駆けて10Gスイッチへの先行投資を実施しており、現在提供している製品は既に二世代目となっている。この事実は、他社製の10Gスイッチのほとんどがまだ一世代目であるのと比較して、NETGEAR製品に大きなアドバンテージをもたらしている。先行して製品をリリースすることで、一世代目の製品での各種検証やユーザーからの様々な意見などを反映してさらにブラッシュアップできるからだ。

また同社のスイッチ製品は、フル10Gラインナップも含め、期間を定めずにハードウェア故障に対して保証する「ライフタイム(永久)保証」が付与されているなど、長年に渡って運用する際にも安心して導入することが可能だ。こうした標準サポートサービスに加えて、クイックデリバリーサービスやオンサイトサポートサービスなどの有償サポートライセンスも充実しているので、自社の運用実態に最適なサービスを受けることができるようになっている。

さらに、すべてのNETGEAR製スイッチはGUIによる設定が可能となっているのも、大きな特徴だと言えるだろう。

ネットギアジャパンのテクニカル マネージャー、鹿志村 秀昭氏は、「機器ごとにコマンドや操作方法を習得する必要がないため、効率よく設定・管理が可能となっています」とコメントする。

NETGEARのスイッチ製品のラインアップには、フルマネージスイッチ、スマートスイッチ、アンマネージプラススイッチ、アンマネージスイッチという大きく4つのシリーズがあり、フル10Gスイッチのラインアップはアンマネージシリーズを除く3シリーズで豊富に取り揃えられている。

このうちフルマネージスイッチは、文字通り詳細な設定が可能となっており、習熟したエンジニア向けにGUIに加えてコマンドラインインターフェースも用意している。電源ユニットが交換可能でスタックも可能なモデルも揃え、高可用性に対応したシリーズとなっている。

M4300-24X

M4300-48X

次のスマートスイッチは、サーバーやストレージ機器を収納する中小規模のネットワークに最適なレイヤー2プラススイッチだ(一部を除く)。デフォルト設定のまますぐに使い始め、その後は利用しながら自社に最適な設定を加えていくといった柔軟な運用も可能なバランスに優れたシリーズであり、スタッキングに対応するモデルも準備されている。

ちなみに管理画面はWebベースのGUIが提供されており、基本は英語での表記となっているものの、Google Chrome等のブラウザやWebサービスにある翻訳機能を使うことで、実運用上まったく問題のない日本語表記とすることも可能だ。

XS708T

XS716T

XS728T

最後のアンマネージプラススイッチは、低コストでありながら最重要な機能を網羅しており、専任のIT担当者を置いていないオフィスでも簡単に運用可能な10Gイーサネットのエントリー向けのレイヤーとなっている。予め汎用的なセッティングが施されているので、箱から取り出してそのまま運用することができ、Webブラウザはもちろん、完全日本語化されたユーティリティソフトからの設定も可能だ。

XS708E

XS716E

ネットギア 10GBASE-T対応スイッチ一覧(フル10G)

                             
型番 ポート数 価格(税込) 備考
M4300-8X8F 16ポート 486,000円 フルマネージスイッチ
M4300-12X12F 24ポート 712,800円
M4300-24X 24ポート 1,058,400円
M4300-24X24F 48ポート 1,404,000円
M4300-48X 48ポート 1,944,000円
XS748T 48ポート 1,188,000円 スマートスイッチ
XS728T 28ポート 556,200円
XS716T 16ポート 475,200円
XS708T 8ポート 237,600円
XS716E 16ポート 291,600円 アンマネージプラス・スイッチ
XS708E 8ポート 172,800円

いよいよ次回は、このNETGEARの10Gスイッチを用いた1Gスイッチとの比較検証の様子をレポートすることとしよう。

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