【特別企画】

小説『ネコが恋を連れてきた』

2017年3月17日、大東建託は新ブランドメッセージ「生きることは、託すこと。」を発表した。 現在、このメッセージをテーマにしたCMが放映されているが、今後も様々な形でブランドメッセージを発信していく予定である。 今回はマイナビニュースでも、そんな新ブランドメッセージに寄り添う形で、2つの小説を展開。 小説の後には、放映中のCMも載せているので、あわせてご覧いただきたい。


「ゴンゴン久しぶり~、元気だった?」
「……ユキさあ、俺よりネコへのあいさつが先ってどうなの!?」
「あ、タカシいたんだ。ごめんごめん」
 ふてくされるタカシをなだめながら、部屋に招き入れる。私の愛猫・モモも、玄関に出てきて2人をお出迎えしている。
「ほんと仲良くなったよね」
「初めはどうなるかと思ったけどな。ゴンゴンはまったく玄関から中に入ろうとしなかったし」
「モモは寝室に入っちゃって、全然出てこなかったもんね」
 付き合い始めて1年が経とうとしているけれど、最近の休日はお互いの猫と一緒に、ひとり暮らしの私の部屋でのんびりおうちデート、というのが定番化しつつある。最初は警戒しあっていたモモとゴンゴンも、今ではじゃれ合って遊ぶ仲だ。

 20代のころは、おしゃれなビストロに行って赤身肉の写真をアップする、キラキラしてる自分が好きだった。でも、食品メーカーの事務からIT企業に転職して5年目。33歳になったいまは、平日に仕事で疲れ果てているぶん、休日はこういうまったりしたデートも悪くない。
 2歳年下のタカシとは、猫好きが集まるインスタグラムのオフ会で出会った。「##スコティッシュフォールド」のハッシュタグをつけて写真をあげている人たちと「ネコ連れで会おう!」と盛り上がり、ネコカフェでオフ会を開くことになったのだ。タカシがあげていたゴンゴンの写真はどれも可愛かったので、さっそく写真の撮り方を聞いてみることにした。

「ゴンゴン、可愛いですよね」
「あ、いつもコメントありがとうございます」
「いつも癒されてます。名前も面白くて。スリスリしてくる勢いが強すぎて、ゴンゴンって名前になったんですよね」
「そうなんです、男の子だからかやんちゃで構ってアピールがすごいんです。モモちゃんは美人さんですよね。落ち着きのないうちのと違って、クールビューティーだなーってうらやましくて」
「私としてはもうちょっと女の子らしく撮ってあげたいんですけど、なぜか全部女王様みたいな写真になっちゃって。ゴンゴンみたいに、まんまるな目の可愛い写真ってどうやって撮るんですか?」
「じつは、そんなに難しくないんです。猫って興奮すると瞳孔が開いて目がまるくなるんですよ」
「そうなんですか!?」
「左手にネコじゃらし、右手にカメラを持って、ネコじゃらしを揺らしながらピタッと止めるとネコも止まりますよね? それがシャッターチャンスです」
「……私、不器用なので無理かも」
「慣れれば簡単ですよ、ほら!」
 と熱心に実演してくれたタカシだったが、肝心のモモは「は? 今は遊ぶ気分じゃないんですけど」とでも言いたげな顔で、そっぽを向いている。
 「あれ? おかしいな」と慌てる姿に「いい人かも」と好感をもち、何回かのデートを経て付き合いが始まった。実家暮らしの彼は、飼い猫のゴンゴンを溺愛していて、世話一切を自分で引き受けている筋金入りの猫好きだ。これまでの私なら好きにならなかったタイプだけれど、一緒に部屋にいるだけで楽しいし、料理も得意で今日もランチにパスタを作ってくれた。グイグイ引っ張ってくれる男性が好きだと思い込んでいたけれど、本当に相性がいいのはこういうタイプだったのかも。

 そんなことをつらつらと考えながら、2人で遅めのランチをとり、モモやゴンゴンと遊びながら『猫が行方不明』のDVDを観はじめた。彼も私もこれは猫映画のベストワンに押す1本。飼い猫のグリグリを預けてバカンスに出かけた女の子が、猫を探すうちにいろんな人と巡り合い、最後に恋の始まりを予感させて終わる。
 大学生のとき、映画好きの友だちに勧められ初めて観たときは、「パリの街並みがおしゃれでステキ♥ でも、猫がきっかけで恋に落ちるなんてありえない」というのが素直な感想。まさか自分も猫きっかけで彼ができるなんて、思ってもみなかった。
 パスタを食べた食器類を一緒に洗い終わったところで、「じゃあ、そろそろ。明日、朝イチでミーティングだから」とタカシは帰り支度を始める。ゴンゴンをキャリーバッグに入れようとするが、姿が見えない。
「あれ、どこ行っちゃったのかな? ゴンゴーン」
 とソファの下をのぞきこんだけれど、やっぱりいない。ふと顔をあげると、タカシが真面目くさった顔でこちらを見ている。
「……俺、実家出ようかな」
「一人暮らしするの? いいね! この近くに引っ越してくればもっと会えるし」
「いや、そうじゃなくて」
「ん? どこか遠くに転勤になったとか?」
「違う違う……一緒に住まない? 2人で。それならゴンゴンも帰らなくていいし」
「……」
「答えは急がないから!!」
 恥ずかしそうな彼、あっけにとられている私。2人の顔を、モモがソファの上から交互に見つめている。その落ち着き払った表情は、「タカシ、よく言ったね。ユキ、どうするの?」と言っているみたい。
 照れくさくって「とりあえず、ゴンゴン探そうよ」って言っちゃったけど、私の心はもう決まっている。


大東建託は人々の暮らしと本気で向き合っています。
ひとりでは生きてけないというしあわせ。
生きることは、託すこと。

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(マイナビニュース広告企画:提供 大東建託株式会社)

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