缶やペットボトル、びん、紙コップなど、私たちの生活は様々な包装容器(商品を入れたり包んだりしているもの)であふれています。これらの形は千差万別ですが、それはデザイン性の違いだけなのでしょうか?

今回は、包装容器の秘密についてお伺いするべく、包装容器を専門に作る東洋製罐グループホールディングス株式会社の篠田和正さんを訪問しました。インタビューではマイナビニュース会員200名に行った「缶に関するアンケート」で出た疑問、そして「こんな製品も缶に詰められるのか」という質問についてもお話しいただきました。

東洋製罐グループホールディングス株式会社 マーケティングセンター長 篠田和正さん
イラスト:コヤナギユウ

おなじ500mlのペットボトルなのに、どうして形が違う?

――本日はマイナビニュース読者から寄せられた包装容器に関する疑問についてお答え頂ければと思います。そもそもですが、包装容器とはどのようなものを指すのでしょうか。

その名の通り、商品を入れたり包んだりしているものを「包装容器」と呼んでいます。皆さんの身の回りにある缶、ペットボトル、びん、プラスチック容器や紙コップなど、全て包装容器ですね。私たち東洋製罐の「罐」は「缶」の旧字体で、もともとは水産缶詰の缶を作る会社としてスタートしました。現在は缶以外にも様々な包装容器を供給しています。

――お店に並んでいるほとんどの物が包装容器に入っていますよね。でもそれぞれで形が違う。こういった形の違いに関してマイナビニュース会員からも疑問の声が多く上がりました。

全ての容器は中身の物性と製造方法、流通プロセスに適した形をしています。例えば、飲料用のペットボトルは中に入れる飲料が炭酸かそうでないかが、形状を選ぶひとつの基準となります。炭酸飲料のペットボトルの底は、でこぼこと足がついたような形をしています。

炭酸飲料は気泡が発生するため、容器の内側から外側に向かって膨張する圧力がかかるんです。もし非炭酸飲料と同じように平らな底の容器に詰めてしまうと、底が「出べそ」のように膨らんで自立できなくなってしまうので、足をつけて容器の膨張を防ぐような形状にしているんですよ。

また、飲料によっては、逆に容器の内側に向かって収縮する圧力がかかるものもあります。ジュースなどのペットボトルの側面にある四角いでこぼこには、その圧力に耐えられるような強度を持たせる役割があります。

左が炭酸飲料、右が非炭酸飲料のペットボトル

――なるほど、てっきりデザインの好みで形が違うのだと思っていました……。

ただ、こういった機能によって変えた形状が意匠デザインとして認められた例もあります。缶チューハイの缶で側面に折り紙の折り目のように、ひし形のでこぼこがついたものがあるのをご存知ですか?

――スーパーマーケットで見たことがあります!

あのでこぼこは「ダイヤカット」と呼ばれる加工で、もともとは「収縮する圧力がかかるもの」の強度を上げる技術だったんです。つまり、先ほど説明した膨張する圧力がかかる炭酸飲料には必要のない加工なのですが、デザイン性が企画に合っているということで採用されました。

――機能性から生まれた形がデザインとして採用された、ということですね。

おっしゃる通りです。

缶の中に詰められるもの・詰められないものは?

――先ほどから詰める中身によっても形を変えるというお話が出ていますが、缶に詰めることができないものなどはあるのでしょうか?

「缶に詰められないもの」というより「缶以外の容器に詰めた方が良いもの」はたくさん存在します。例えばアルミ缶は酸に弱く、腐食してしまうため、酢などを詰めるのには適していません。

――なるほど。実は「これを缶詰にすることもできる?」という質問をマイナビニュース読者から事前に伺っています。その中から今回は疑問の声が多かった寿司、チョコレート、ポテトチップス、ラーメン、そしてTシャツを持ってきました。詰める理由はさて置き、これらを詰めることは可能でしょうか?

そうですね……。まず問題ないものから回答するとチョコレート、ポテトチップスは缶詰にできます。チョコレートは期間限定で缶詰化した製品もあります。また、Tシャツも問題なく缶詰にできますね。

――Tシャツも問題なくできてしまうんですね!

はい。缶詰ではないですが、実際にTシャツをペットボトルに詰めたいという依頼を受けて作ったこともあります。期間限定でしたが販売もされました。

――ペットボトルに詰められたTシャツ……実際に見てみたかったです。残りの2つについてはいかがでしょうか?

ラーメンについては、小麦の麺にこだわらなければ実現可能です。小麦の麺だと麺が伸びてしまうので、こんにゃくの麺で代用したラーメン缶も実在します。一番難しいのはお寿司ですね。詰めることはできますが、「おいしさを保つ」のは無理かもしれません。魚は生ものですからどんどん腐敗してしまいます。

このほか、チルド保存されているような製品は缶にすることは難しいですね。缶は元々「保存する」ということを目的としたものですので、詰めたとしてもその目的を果たせなければ意味はありません。

様々なものが詰められる缶。しかし、本来の目的である「保存」を見失っては意味をなさない

――本来の目的を果たせないのに缶にする意味は確かにないですね。今回は読者の方から寄せられたものをご質問させていただきましたが、メーカーさんから「こんな製品を詰めたい」という要望をいただくこともありますか?

多々あります。ただ包装容器の種類によって得手不得手がありますので、「こんなものを詰めたい」という依頼を受けたら、まずは中身の物性や製造工程について調査します。他にも、どれくらいの賞味期限を設定し、どのような流通ルートを通るのかなど様々な観点から、缶以外でも最適な容器をご提案させて頂いています。

――まるで、包装容器のコンシェルジュみたいですね!

そう言っていただけるのは大変ありがたいです。包装容器の素材や形状、包装容器への充填方式など、技術は日々進歩しています。たとえば個包装になった切り餅。昔は一つ一つの個包装の中に脱酸素剤が入っていたのですが、今は個包装の袋自体が酸素を吸収する素材で作られているため、脱酸素剤を中に入れる必要がなくなりました。

小さなお子様が脱酸素剤を誤って口にしてしまい困っている、というお話をメーカーの方から伺っていたので、私たちの方から新素材を使った包装を提案させて頂きました。このようにいただいた要望を可能な限り実現し、更に良くするため、私共は日々努力しています。

メーカーの要望に応えるべく、様々な容器の製造・提案をしている

包装容器は、世界を支える重要なインフラに

――包装容器の秘密を色々と教えてくださりありがとうございます。これまでは容器のいまについてお伺いしてきましたが、今後、包装容器はどのように進化していくか教えていただいてもよろしいでしょうか?

これからの包装容器は、人々の生活を支える基本的な役割に加え、人々に安心感や快適さを提供する、情報発信機としての役割も担っていくと思います。

――情報発信機といいますと?

この商品は、どういう商品で、いつ・どこで作られて、どういうプロセスを経てきたものなのか、という情報を包装容器に蓄積し、それを読み取って活用していくようになるのではと想像しています。情報の更新・修正が可能なICタグを包装容器に埋め込んでおけば、現在のように会計用の値札や商品のキャンペーン情報のシールなどを貼り付けたり、貼り替えたりする必要がなくなり、人的コストを抑えられます。

また、非接触のICタグを使えば、バーコードのように一つ一つ読み取らなくても、一度にたくさんの商品情報を読み取ることもできます。レジに買い物かごをのせるだけで、全ての商品を会計してくれる。冷蔵庫が庫内の商品を全て把握し、自動的にレシピを提案してくれる。そんな未来も実現するかもしれません。

――近未来の技術、ワクワクします。本日はありがとうございました。

東洋製罐グループホールディングス株式会社
(とうようせいかんぐるーぷほーるでぃんぐすかぶしきがいしゃ)

1917年(大正6年)、大阪にて創業。2017年で100周年をむかえる、包装容器のリーディングカンパニー。創業当時、日本には容器産業が存在せず、各食品メーカーが独自の規格に基づいて、自社製品を詰める缶を手作りで製造していた。しかしその品質にはばらつきがあり供給量にも限界があったため、創業者の高碕達之助は「日本国内の人口増加による食料不足に対応するには容器産業の発展が欠かせない」として、日本で初めて自動製缶設備による製缶を開始し、缶の規格の標準化を推進。これにより高速で、安定した品質の缶の供給が可能となった。現在は缶に限らず様々な種類の包装容器の供給および食品関連機械、包装システムの開発から販売までを総合的におこなっている。

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●アンケートについて●
調査時期: 2017年2月10日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:200名
調査方法:インターネットログイン式アンケート


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