【特別企画】

「IoTトライアルキット」が低コストで提供された理由と導入事例 - ニフティ三嶋氏に聞く

 

2016年9月よりニフティが提供している「IoTトライアルキット」は、環境センサーとゲートウェイアプリ、クラウドをセットにしたサービスだ。センサーとデータ管理システムをセットにし、IoTの活用を考えている企業へのスターターキットとして提供されており、高い支持を受けている。

今回は、この「IoTトライアルキット」の魅力と可能性について、ニフティの三嶋氏にお話を伺ったので紹介していこう。


環境センサー、アプリ、クラウドをワンパッケージ化

ニフティ株式会社 IoT推進室 IoTデザインセンター mobile backend プロジェクトマネージャー 三嶋英城氏

「IoTトライアルキット」は、3つのコンポーネントによって成り立っている。1つ目はオムロンが提供しているハードウェアとしての「環境センサー」。2つ目はセンサーからクラウドへデータを転送するためのゲートウェイアプリで、こちらはiOSやAndroidに対応している。最後はモバイル向けのクラウド「ニフティクラウド mobile backend」だ。つまり同キットは、スマートフォンをハブとして、ハードウェアから得られる情報をクラウドに蓄えていくという仕組みを採用している。

環境センサーは、1台で温度・湿度・照度・気圧・騒音・UVなど様々な測定に対応しながらも、手のひらサイズで電池を含めても約16gの重さしかない。このセンサーに蓄積されたデータがBlueToothによってスマートフォンに連携され、そのスマートフォンから定期的にクラウドにデータが蓄積されていく仕組みだ。

オムロン製の環境センサー。温度、湿度のほか、照度(明るさ)や気圧、騒音、UVも測定できるという。本体重量はわずか約16g(電池含む)

「IoTトライアルキット」の標準アプリは、1つのアプリにつき5台のセンサーが紐づけられる仕様だ。しかし、用途によっては何10台というセンサーを1つのアプリ、1台のスマートフォンで管理したいというニーズも存在しており、こういったお客様個々の要望に向けてカスタマイズした製品を提供するという柔軟な対応も行われている。

昨年の販売開始以来、日を追うごとに人気が高まっている「IoTトライアルキット」。その理由について三嶋氏は、「IoTトライアルキットは、これまでまったく存在しなかったものを突然始めたわけではなく、従来課題となっていたものを明確に解決するためのソリューションとして提供したから」と説明する。

「IoTトライアルキット」は、初めからキットで販売することが決まっていたわけではなく、ニフティとオムロンでIoT普及にあたっての課題を考えた結果、現在の形となったのだ。

企業がIoT進出で及び腰になる理由とIoTトライアルキットの価値

昨今のIoTブームにて多くの企業がIoTというキーワードにて何かやらなければならないと考えていることは周知の事実かと思う。ただし、明確にやるべきことを見出している企業は非常に少ない。ほとんどの企業がまだまだ手探りで市場を開拓しようとしているのが実情だろう。

そんな中、企業の挑戦において大きな障壁となっているのが、IoT参入での初期コストであると考えられる。どうしても施策に対し明確なリターンが描けないこれからの市場において、初期から何百万・何千万円と投資することはおいそれとできるものではない。

一方で幅広い意味を持つIoTだが、その中で重要なワードとして「センサー」があると考える。IoTの本質の1つが、あらゆるものがインターネットに繋がった際に集約される「データ」にあるとするならば、それを収集するための起点となるセンサーはIoTビジネスで非常に大きな役割を担う。

そのため、IoTでのビジネスにおいてセンサーを活用するシーンは非常に多くなるが、従来の市場ではセンサーが最初からインターネットに繋がっているというのは稀であり、そのほとんどがオフラインとなっていた。これをインターネットへ、またデータ集約のためのクラウドへ接続するとなると多くの初期投資と技術面でのノウハウが必要になる。この障壁を取り払い、センサーからのデータを取得しクラウドへ格納するまでを開発不要で提供しようというのが、IoTトライアルキット誕生の背景となる。

企業におけるIoT活用について、三嶋氏は「ビックデータを活用して、新たな付加価値を生み出すかという点にあると考えています」と語る。まずは、データをシームレスにクラウド上に蓄積し、それを簡単に可視化できるようにするのが、IoTの第一歩というわけだ。 この仕組みを実際に利用してもらい、今後のIoTビジネスの検討を行ってほしいというのが、ニフティの考えだ。IoTがビジネスで何を生み出せるのか、それを判断する材料として作られたのが「IoTトライアルキット」といえる。

住宅メーカーの「IoTトライアルキット」導入事例

現在、「IoTトライアルキット」が利用されている中で最も多い事例は、宅内環境の測定だという。例えば大手住宅メーカーでは、自社建築の家がどれほど住環境として優れているか、センサーデータの可視化により購買者に対しアピールする営業ツールとして使われているそうだ。自社の建築素材、また独自の建築構造・間取りによって宅内の保温性や防音性を高めているが、これを購買者に対して素材や構造の観点で説明しても中々伝えることは難しい。今回の取り組みでは自社建築の実際の家と、従来の一般的な家の部屋に対して数十台のセンサーをおいて環境情報を読み取り、これを分かりやすく数値やグラフにて購買者へ明示することで自社商品の優位性をアピールする形になっている。

また住宅メーカーでは検証のための研究棟を郊外に建設されることもあり、これまではセンサーがオフラインであったが故に、データ取得のため、都度現地まで長い時間をかけて赴く必要があった。しかし「IoTトライアルキット」であれば、スマートフォンなどの通信機器を介してクラウドに自動でデータが蓄積され、これをスマートフォンでデータ確認を行う、あるいはクラウド上から一括でデータをエクスポートしローカルのPCにてデータ分析を行うなど、明確に従来の無駄なコストを省くことも可能となった。

センサーがクラウドに繋がっただけ、という非常に単純な話ではあるが、従来と比較し得られるメリットは非常に大きなものであるとご評価をいただくケースも多い。

住環境のみならず、農業や工業分野での活用も視野に

現在、同キットの検討・利用を進めている企業は前述の通り宅内環境を可視化し、「家」という観点でビジネスを行おうとしている、住宅メーカー、家電メーカー、電力やガス・通信などの社会インフラ企業が目立っている。しかしながらその可能性は更なる広がりを見せており、「家」以外での利用ニーズも多く寄せられてきているそうだ。それが農業のIT化や、工場や工事現場の環境測定などで利用である。

そのような中、現在の環境センサーは屋内での利用を前提としたもので、屋外での利用においては一定の注意点があるとのこと。例えば、防水という観点で、現状でも生活防水レベルは施されているが完全防水ではないため、水没などに耐えられるハードウェアにはなっていないことなどが挙げられる。

「今後はお客様のニーズに即し、防水・防塵・耐寒・耐暑などに対応した製品作り、あるいは環境センサー以外のセンサーをクラウドへ接続するなど、オムロン社と協議し取り組んでいきたいですね」と三嶋氏は語る。

「IoTトライアルキット」は、スマート農業やファクトリーオートメーションの発展にも寄与する可能性を秘めているといえそうだ。

環境が整った2017年はIoTが躍進する年に

IoTという言葉が出てきた6~7年前を振り返ると、他にも様々なIT用語が登場していた。例えば「ユビキタス」などはその代表例だ。しかし現在ではすっかり「ユビキタス」という用語を耳にすることはなくなった。その理由は、イメージを形として実現できる"モノ"や"ネットワーク"といったバックボーンの進化が追いついていなかったためといえる。

しかし、ここ数年でクラウドが急速に普及し、またネットワークが進化してスマートフォンが気軽に利用できる環境が整った。これによって、導入コストやスピードに大きな変化が生まれたといえる。もちろん、「"モノ"をネットワークに繋いだらどんな良いことがあるの?」という疑問に明確に答えるところまではまだ踏み込めていないが、これはアイデアベースでは中々進展しない部分だ。率先してチャレンジを行った企業が、この疑問を形にしていくことだろう。

三嶋氏は「コストを抑えながらも、いかにスピード感を持ってトライできるか、それが"Internet of Things"を進めるカギとなるでしょう。我々ニフティも新しいことにトライしますし、トライによって得られた結果で、別の方の新しいチャレンジを応援できるよう頑張りたいと思います」と抱負を述べる。

本稿で紹介した「IoTトライアルキット」は、初期費用198,000円という低コストでIoTへのトライを始められる、企業向けの手軽なキットだ。月額料金は、Basicプランならなんと0円であり、手ごたえを感じ本格的な商用サービス展開を考える際には、30,000円からのExpertプランに移行して更に様々な展開へ挑むことも可能だ。

更にはニフティでは「IoTデザインセンター」という企業がIoTビジネスに参入するにあたり、そのビジネス企画からシステム開発までトータルで支援するソリューションも展開している。IoTトライアルキットにてデータを取得した後に、データの可視化を行うための開発や、あるいはデータを活用した上でどのようなビジネスに繋げるべきかという企画面での支援も合わせて行える体制がある。

IoTでどんなことができるのかを探りたい企業の方は、ぜひ一度ニフティのWebページでその概要を確認してほしい。

IoTトライアルキット
  http://mb.cloud.nifty.com/iot-trialkit/
ニフティクラウド mobilebackend
  http://mb.cloud.nifty.com/
ニフティIoTデザインセンター
  http://iot.nifty.com/

(マイナビニュース広告企画:提供 ニフティ)

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