人の移動にも明電舎のチカラ「鉄道への電力供給システム」

人が生きていくうえで欠かせない水、暮らしやすさや産業のチカラの源となる電力ネットワークに加えて、もう一つ重要な要素が”人の移動”だ。

明電舎は、電鉄用変電設備や電力監視システム、運行シミュレーションなどで構築する電鉄システムも、シンガポールで展開。これまで根付かせてきた電力供給システムと結びつけ、都市交通システム MRT(Mass Rapid Transit)の安全運行を支えている。

「シンガポール陸上交通庁(LTA、Land Transport Authority)向けMRT新線や、既設電気機器の更新・延伸プロジェクトなどの入札・契約・納入業務を行っています。また、運営・メンテナンスを請け負うオペレーター(SMRT、 SBST)の要望で、メンテナンス・既設改造業務も請け負い、提案・御見積・契約・納入業務なども行っています」と話すのは、MEIDEN SINGAPORE、Sales Divisionの高木 佳大州氏。東京23区ほどの狭い国土における、MRTの必要性、導入意義などについて、こう語っていた。

MEIDEN SINGAPORE Sales Divisionの
高木 佳大州氏

「シンガポールは、その全土で都市化が進んでいます。以前から、自動車のみに依存した交通システムでは渋滞等の問題を引き起こすことを当局は予測していたので、自動車には高額の車両購入権の購入を義務づけ、購入できない層にはより効率的な移動手段であるMRTを推奨してきました。同様に注力されてきたバス交通網と合わせ、通勤を中心に庶民の足として重要な役割を担っています。また、鉄道網の発達にともない、利用者も年々増加、利用者層に厚みが出る一方で、安定的な運行の需要も高まってきています。安定運行を維持し、需要に応えるために、設備などの更新計画や、新たな設備維持管理策を導入しています」

ではなぜ、シンガポールのMRTに、日本の明電舎の電鉄システムが採用されているのか。

「1980年代に、最初のMRT向け電気機器を納入したことがきっかけで、当社機器がMRTシステムのデファクトスタンダード(標準・基準)になりました。以後、LTA、SMRTに対して継続的なサポートを実施し、既存システムへの理解や現地サポート体制が評価され、クライアントから採用されたと考えています」

日本で実績のある鉄道システムを、海外で展開する際に苦労した点、立ちはだかったハードルについて、高木氏は「見極めが重要」という。

「書面での契約、公平な入札を重んじるシンガポール鉄道プロジェクトでは、入札や見積の仕様・条件書が膨大になることですかね。大きな契約のものだと何百ページにもおよぶ契約条件に目を通すだけでも大変な時間がかかります。しかし、プロジェクトが始まってからは交渉だったり“あうんの呼吸”だったりと、ウェットな感覚もあります。これらの見極めが重要で、シンガポールのプロジェクトの大変でもあり、面白いところでもあると思います」

そんな高木氏が、トラブルで実感した自社ブランドの強みがあるという。

「2015年、原因不詳の大規模停電事故が起こった際に、緊急指令室に技術メンバーといっしょに呼ばれて、連日連夜の調査・議論に出席しました。普段、プロジェクトを粛々とこなすクライアントの、真剣に悩む姿を目の当たりにしたり、普段であれば許可が下りないような、荒削りな検証試験計画がどんどん実行に移されたりと、すさまじい臨場感に圧倒され、緊張しました。ここでの協力もあってか、翌年にはシンガポールの鉄道をいかに改善するか、というパネルディスカッション(LTA主催)にも招待されました。目の前で国政に大きな影響をおよぼす提言が採択されていく様子を見ることができ、よい経験になりました」

シンガポールの鉄道はまだまだ延びる。人々の移動を支える明電舎の電鉄システムを担当する高木氏は、今後の抱負やビジョンについて、こう語った。

「当社が30年前に納入した東西・南北線が更新の時期をむかえ、近々、一括更新する予定です。さらに、残る新線であるジュロン地域線やクロスアイランド線の発表も間近に控え、シンガポールの電鉄を担当する者として、最も熱いタイミングで最前線にいることができ、大きなやりがいを感じています。大規模な入札案件は個人の成果が見えにくいですが、入札価格の策定や採算向上に対して日々の業務でできることは少なくありません。一見、競合との価格および品質評価の結果を読み合うことが最重要に見えますが、当社ならではの付加価値をアピールし、入札ごとの品質評価にとどまらず、ブランド価値の向上を成し遂げることが、目標です」

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日本企業の技術が活躍するシンガポール。その「いま」を支える電力や水、電鉄といったインフラには、明電舎が培ってきた技術と、そこで働く人たちの想いが脈々と受け継がれている。MEIDEN SINGAPORE 山本 興社長は、時代を超え、技術と人の伝承の重要性を語った。

「海外で暮らすこと、働くことは、非常にたいへんなこと。一方で、苦労が多い分、得るものも大きいので、時として人生そのものを変えてしまうほどの大きなインパクトもあります。そうしたなか、社会インフラ事業は、国の礎となるもの。たとえば、『電車の電源供給システムはわたしが納入した』『オレはこの国の電力安定供給に貢献した』『蛇口を回して出てくる安全安心な水はわたしが入れた設備から』。その国の過去・現在・未来を横断する設備、それがインフラ事業の要だと思っています。君たちが納入した設備は、君たちの時代には更新されないかもしれないけど、次の世代の人たちに、時代を超えて、国を越えて、文化を越えて受け継がれていくと思っています」

「明電舎」というと、電気設備や電気機器といったプロダクトメーカーを連想するが、今回、シンガポールで活躍する電気・水・鉄道のビジネスパーソンに出会って、この会社の愚直なほどの内に潜むチカラを感じた。街や暮らしにとけ込まなくてはならないもの、ライフラインを支える明電舎の、“ものづくりの心”と“インフラを支える使命感”を垣間見た。

明電舎はことし、創業120周年。同社の中期経営計画「V120」には、「社会インフラの未来を支えて持続的に成長・発展する重電メーカー」というビジョンを掲げ、「国内事業の収益基盤強化」「海外事業の成長拡大」「製品競争力の強化」を図る。今回注目した同社海外事業も、現地で開発・製造・販売を一貫して行うところが明電舎の強み。シンガポールや東南アジアにとどまらず、世界中のインフラを支え、より豊かな未来をひらくための明電舎の挑戦に今後も期待したい。

明電舎企業CM「DISCOVERY LIFELINES」
#7 シンガポール、この国の礎になれ。ドキュメンタリー編


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(マイナビニュース広告企画:提供 株式会社 明電舎)

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