扱いやすい設定メニューで機能強化も自由自在

一般的に、NASの設定メニューはかなり複雑な構造で、目的の設定項目にたどり着くだけでも一苦労、ということも少なくない。それに対しTS-231Pの設定メニューは、非常にわかりやすいUIを採用することで、操作性が非常に優れている。

初期設定時にインストールしたQfinder Proで利用しているTS-231Pを選択すると、Webブラウザが開いて設定メニューにアクセスでき、デスクトップ領域にアイコンが並ぶというスタイルを採用されている。そして、目的の機能のアイコンをクリックするとウインドウが開き、設定項目がアイコンで表示されたり、ファイルがエクスプローラー風に表示されるなど、まるでWindowsやMac、iOSのマシンを操作しているかのような感覚で直感的に操作できる。筆者はこれまで実際に様々なNASを活用してきたが、この操作性の良さは特筆すべき部分だと感じた。

設定メニューの画面。アイコンが並び、機能を選ぶとウィンドウが開く。WindowsやMac、iOSと近い感覚で操作できる

また、機能面も充実。標準状態では、ファイルの共有、写真、音楽、動画などのマルチメディアファイルの共有、バックアップ、パーソナルクラウド「myQNAPcloud」などの機能が用意されている。このうち、マルチメディアファイルの共有ではDLNAやiTunesに対応し、各種対応機器での再生が行えるのはもちろん、Appe TV、Chromecastとの連携もサポート。保存したマルチメディアファイルも便利に活用できる。

ファイルの共有機能、写真、音楽、動画などのマルチメディアファイルの共有機能、バックアップ機能、パーソナルクラウド機能「myQNAPcloud」など、豊富な機能を用意

パーソナルクラウド機能のmyQNAPcloudを設定しておけば、インターネット経由でTS-231Pにアクセスして、保存しているファイルの閲覧や転送、また外出先からTS-231Pへのファイル転送などが可能となる。外出先で、TS-231Pに保存しているファイルが急遽必要となった場合でも、慌てることなくアクセスして取り出せるため、どこにいてもTS-231Pがその場にあるかのように使えるわけだ。また、myQNAPcloudは、PCだけでなく、スマートフォンでも利用できる点も嬉しい。

パーソナルクラウド機能「myQNAPcloud」を設定しておけば、外出先からインターネット経由でTS-231Pに保存したファイルにアクセスできる

PCだけでなくスマートフォンからもインターネット経由でTS-231Pにアクセスしてファイルを参照できる

そして、TS-231PをはじめとしたQNAP製のNASキットには、もうひとつ大きな魅力がある。それは、アプリを追加することで機能を強化できるという点だ。設定メニューを開いて「App Center」を起動することで、提供されている様々なアプリが表示され、利用したいものを自由にインストールできる。アプリには、Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージサービスとの連携を実現したり、音楽や動画などのマルチメディアファイルをLAN内やインターネット経由でストリーミング再生するものなど、便利なものが多数用意されている。

「App Center」からアプリを追加することで、機能を強化できる

Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージサービスとの連携も可能

そのほか、AndroidやiOS向けにも様々なアプリが用意され、TS-231Pに保存したファイルをスマートフォンで活用したり、スマートフォンからファイルを転送することも簡単に行える。なかでも、スマートフォンで撮影した写真を転送できる機能は、写真のバックアップだけでなく、家族で簡単に写真を楽しめるようになるという意味でも魅力的だと感じた。そして、それらアプリは日々進化している。これによって、購入後も自分好みに機能を強化しながら活用できる。これも、TS-231Pの大きな特徴だ。

スマホ用アプリ「Qphoto」を利用すれば、スマホで撮影した写真を簡単にTS-231Pへ転送できる